昼行灯(だった)トキの大雑把なひとりごと

クレヨンしんちゃんよりもユルく生きていた(当面過去系)私の備忘録と、大雑把なひとりごと。時々細かく語ることも。

書評『タブーすぎるトンデモ本の世界』

2014-01-06 00:04:20 | 読書
トンデモ本シリーズは初回から購入している。筆者も中学からオカルトビリーバーに片足を突っ込み始め(中ニ病というヤツだ)、大学卒業まで約10年間分の月刊『ムー』を保管していた。ある時期から同誌は広告が多くなり、又読者投稿欄が「戦士症候群」で占められる様になり、「どうもおかしい」と考え始めた。
どちらかというと、同誌の中でも最新科学の紹介記事に惹かれていた私は、次第に読書の中心を並行して購入していた『科学朝日』(現在は休刊)にシフトしていた。そういう経過を辿った筆者の立場は、おそらく山本弘会長に近い。
今回も楽しく読ませていただいたが、筆致鋭い山本会長の記事にひとつだけ引っかかる点があった。
それは同書の94ページから始まるコラム「Y染色体を守れ!」「側室制度の復活を!」ー皇室をめぐるトンデモ説という一節。
そこで紹介されているのは、1999年頃の雅子妃殿下御懐妊と流産の経緯を巡る報道に関する記事。当時、皇室を巡る過熱報道が問題とされており、宮内庁から「節度ある報道を」という意思表示がなされている。それを受けての産經新聞「産経抄」が引用・批判されている。
産経抄の記事はこうだ。「かつてコウノトリは日本のどこにもいた。それが明治の初めごろから激減し、いま野生のものは絶滅した。ただでさえ希少なコウノトリのご機嫌をそこなわないためにも、自粛と自戒をしなければならない。事態を静かに見守るときのようである」
これを受けて山本会長はこう批判する。
「皇室はコウノトリか?」「いや、これは目が点になったね。この文章を書いた奴は、皇室の方々を人間だと思っていない。もちろん神様だとも思っていない。希少なコウノトリだと思っているのだ。トキの産卵やパンダの出産と同じレバルの興味で報道していたことを、うっかり自白してしまっているのだ。」

ええー!?それは違うでしょう。
コウノトリは赤ちゃんを運んできてくれるとの寓話で有名。産経抄ではそれを受けて、日本にコウノトリが絶滅したことと、皇室でのお世継ぎ誕生がなかなか周囲の期待通りいかないことをかけているだけ(もちろん両者に因果関係は微塵もないが、要するに赤ちゃん=コウノトリ=日本では絶滅=数が少ないから運んできてくれないという連想を膨らませている)で、「事態を静かに見守り」「コウノトリのご機嫌をそこなわない」ようにして「皇室に吉報が訪れるのを待とう」という意思表示をしている、としか、私には読めない。
全然「皇室をコウノトリのような希少種動物扱いしている」なんて文章には解釈できないぞ。山本会長、大丈夫ですか?
差別報道に熱が入りすぎて筆が滑ったのだろうか。

本日はと学会関連本として、原田実氏の『トンデモニセ天皇の世界』を購入。ASIOSの『謎解き超科学』をネット注文。
余り時間もないが、暇な時間が出来たら読むことにする。

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