薫のよもやま話

森山かおる
市原市議会議員
重度障がいの息子を育てながら、日々感じる事を想いのままに

福祉避難所の運営訓練

2021年06月04日 | 障がい

市が初めて行った福祉避難所の開設・運営訓練を見学させてもらいました。
場所は市原特別支援学校の体育館です。

市内には30カ所の福祉避難所(市の保健福祉センター、高齢者施設、市原特別支援学校など)が指定されており、そのうち24施設(31人)が参加して避難者役と施設運者役に分かれて訓練が行われました。
避難者役の想定も様々です。

認知症で夜は徘徊する、臨月の妊婦、知的障害があって大声を出してしまうなど、とてもリアルな想定で、このような方々が一気に押し寄せてきた時の対応は相当大変です・・・。

しかも今はコロナ感染防止対策も必要です。

テントが設営され、家族毎に入居。

こちらは段ボールベッド。

一連の訓練を終えた後、質疑応答がありました。
受付は来られた順番で良いのか? ここは福祉避難所だから平等が大事なわけでなく、優先順位を決める必要があります。
本来なら1次避難所に行くべき元気な方が来られた場合は? 福祉避難所の運営を手伝ってもらうよう頼んで入れれば、足りない運営者を補充することができます。
介助犬を連れて来られた場合の対応は? 介助犬はその人の目なので離すことはできないため、避難場所を端にするなどの工夫をする。
などなど。

訓練中には「シートに番号を貼れば良いね」という声もありました。
体育館にテントがいっぱい連なると、トイレで一旦離れてしまえば自分のテントを探すのも困難かも。
こんな事も、訓練して初めて気付ける事なんでしょうね。

それにしても、避難所の運営は本当に大変だとつくづく実感しました。


大阪のママ友と

2021年05月30日 | 障がい

昨夜は大阪にいた頃のママ友とZOOM飲み会。
コロナ禍で帰省が叶わない昨年から開催しています。
7人とも障がいがある子どもの親で、もう20年ものお付き合いで気心知れた仲間です。

お互いに近況を語り合いながら、お互い年取ったね~。
腰が痛いやら体の不調があって、3人が通っている治療院の話では、
「脳みそが3月から目覚めてませんね。冬眠から覚めた熊の状態です」って先生から言われたそうで、この表現の仕方が大阪らしいと笑ってしまいました。

子ども達が通う小児リハビリでは、やっぱり千葉より恵まれていることを再確認。
そう、市原市に転居した時、小児リハビリをしてる所が少なくて驚いたんです。
そう言えば市原市で障がい児者のケアプランを立てている方からも、需要がニーズに追いついていない現状をお聞きしていたので、住む地域によって違いがある事を知ると理不尽だと思うでしょう・・・。

障がいがある子ども(といっても皆成人してます)の様子やその兄弟姉妹のこと等を話すうちに、2時間のZOOM飲み会はあっという間に終了。
関西人のお笑いDNAが発揮され、爆笑の連続でした。

PCをセッティングして挑んだら、家のWi-Fi接続が悪くて私の画像と声が時々フリーズする。
あちゃー、スマホに切替えるかと思っていたら「アンタそのままフリーズしとき。静かでえーわ」と言われ、こんな事をストレートに言い合い笑い合えるママ友に感謝!
楽しい時間を過ごし、リフレッシュしました。


市原の南部へPart2 トイレのバリアフリー度は?

2021年05月20日 | 障がい

昨日に引き続き、市原南部の視察Part2です。
牛久駅に半年前にできた里山トイレ
ごらんのように、いくつもの建て屋が連なり、有名な建築家・藤本壮介さんの設計によるものです。

 

一見するとフレームに収まる絵に見えますが、どこのトイレが開いているかが一目で分かるようになっています。
グリーンのランプは「空き」

 

清潔感がある気持ちの良いトイレは、女性にとって嬉しいものです。
地元の方が毎日清掃して下さっているとのことで、有り難いことです。

こちらは庭があるトイレ。
ここに座って用を足すと・・・。

真正面には庭!
いやー、私にはこんな発想ないわ。

 

トイレの上の階段を上がると展望台があり、電車を待つ高校生や観光客が利用しているそうです。

今日はどのトイレに入ろうか?と、選ぶ楽しさがあるトイレって珍しいかもしれませんね。

そこまでは良かったんだけど・・・。
このトイレ設置はH32年度予算に計上されていた事業で、予算審査の時にバリアフリー対応について質問したら「オストメイト対応にする」という答弁を聞いて嬉しく思ってたんだけど・・・付いてないやん!
それと、大人用のオムツ交換台は、もはやバリアフリートイレのスタンダードかと思っていたのに、これも・・・付いてないやん!
車椅子対応だけって悲しすぎる。

市の南の玄関口である牛久駅からバリアフリーを発信できるチャンスだったのに、障がい者への配慮は後回しになったことが悔やまれます。
5千万円もかけてデザインにこだわるより、機能を重視してほしかったなぁ。


もっと生の声を聞きたい!

2021年05月16日 | 障がい

市内のショッピングセンターで買い物を済ませ駐車場に戻った時、4人の子ども連れのママさんに遭遇。
見る限り、どのお子さんも就学前ぐらいで一人はベビーカーに乗せていて、頑張るママさんに思わず声をかけました。

聞けば、4人のうち2人は甥っ子さんで、ご自分のお子さん2人には障がいがあるとのこと。
それなのに甥っ子さんを連れて買い物に出かけるなんて、すごいスーパーママさん!

でも、考えさせらたのは「市原では障がいに関する情報が少ない」という言葉。
お子さんに療育を受けさせたいと思っていても、今まで発達障がいの兄を預かってくれるところが無かった・・・。
コレには愕然。

市原市には市の発達支援センター以外に、単独通園できる民間の療育機関もあるのに、そんな情報も届いていなかったようです。
思わずバッグに入れてあった議会リポートを渡し「ここに連絡してね」と伝えたけど、連絡してくれるかなぁ。

幼い子どもを抱えて、その発達に日々不安を感じる親御さんにとって、安心して過ごせるまちでありたい!
心から願わずにいられません。


駅前のバリアフリー

2021年04月02日 | 障がい

新年度がスタートしましたね。
議会が終わってホッと一息ついたものの、議会リポートの原稿作成や編集作業に追われる日々です。

さて、ちょうど1週間前に、姉ヶ崎駅前の障がい者用乗降スペースが完成しました。

このスペースをJR3駅に設置してほしいと、議会で取り上げたのは4年前のこと。
当時、車椅子使用者である息子さんを送迎する複数の保護者の方から「駅前に車を停めてゆっくり乗り降りできる場所がなくて困っている」「バスが来ない時間を見計らって送迎している」という話を聞いたのがきっかけでした。

次年度から検討していただき、五井駅、八幡宿駅に引き続き、先週でJR3駅全てに設置されました。
本当に嬉しいです!

こちらは2年前に完成した五井駅の障がい者用乗降スペース。

 

こちらは1年前に完成した八幡宿駅の障がい者用乗降スペース。

3駅とも東口になりますが、バスの往来を気にせずゆっくり乗り降りできますので、ご利用下さい!


市立認定こども園で医療的ケア児の受け入れ開始!

2020年10月30日 | 障がい

公立認定こども園で医療的ケア児を令和3年4月1日から受け入れることが決まりました。

対象者は、4月1日時点で満3才であること、他の子どもと集団による教育・保育活動が可能であること、市内在住者であることの3点です。
医ケアの内容は、軽微s3行為とされる喀痰吸引(口腔・鼻腔・期間カニューレ内)、導尿、経管栄養。これは特別支援学校でも同じです。
市内7か所ある公立認定こども園のうち、姉崎認定こども園・辰巳台認定こども園の2か所で、各々2名を受入れることになります。

医療的ケア児が集団生活を経験できるよう、議会でも取り上げてきただけに、嬉しいとしか言いようがありません。
あらゆる分野で民間活用が叫ばれる中、公は民間では厳しいことをやるべきだと思っています。

福祉や人権は西高東低といわれてて、西(大阪)から来た私にすれば市原市の現状は20年程遅れているなーと感じることが度々ありました。
でも、ようやく一筋の光が見えた!と感じています。

医療的ケアがあるからと集団生活を諦めてる保護者の方に、この情報が届くことを願っています。


医療的ケア児者への消毒用アル綿配布

2020年04月14日 | 障がい

緊急事態宣言が出てから1週間が経ちましたが、コロナウイルス感染症の拡大は留まる様子もありません。
防護服やマスクが不足し感染の危機にさらされる医療現場の報道は毎日流れています。
けれども在宅で人工呼吸器や痰の吸引などを必要とする医療的ケア児者もいるのに、そこまで踏み込んだ報道がないのも気になっていました。
消毒用アルコール綿がもうない。そんな不安に駆られている方もいるはずです。

そしたら今日、家のポストに市から封書がとどきました。
全国医療的ケア児者支援協議会が消毒用アルコール綿を届ける取り組みを行っているので、ケアが必要な方は協議会のホームページにアクセスして下さいとのこと。
受け付けは4月16日、18時までです。

この封書には宛名がなかったので、おそらく市が把握している医療的ケア児者の家庭に、職員さんが個別にポスティングしてくれたんだと思います。
これも県が実施した医療的ケア児者のアンケート調査があってのことなんでしょうね。

でね、この文面に「家計機関」ってあるけど「関係機関」のことだと思うの。
でも、この印字ミスから「とにかく早くお知らせしなきゃ!」って想いがジーンと伝わってきました。

数量に限りがあるので希望者全員に配布できないかもしれませんが、困っておられる方は全国医療的ケア児者支援協議会のホームページにアクセスして下さい。

 


アートミックス2020の説明会

2020年01月22日 | 障がい

息子が床ずれになって施設の通所もできず、私は思うように身動きがとれない日々が続いています。
昨日は3月20日から開催されるアートミックス2020について議会説明会があったため、息子を事務所において出席しました。

3年に一度の開催となるアートミックスは今回で3回目になります。
会期は3月20日~5月17日までの59日間、17の国と地域から約80組のアーティストが参加するそうです。
そして開催エリアが広がったのが今回の特徴でしょうか。

その一つが五井駅にある小湊鉄道の操車場です。
過疎化する南市原の活性化を目的として開催されてきましたが、これまで人口密度の高い北部の市民にとっては関心度が薄いという課題もあったので、アートミックスを市域全体で盛り上げようという試みなのでしょう。

多方面から公共交通を使って来る方にしてみれば、五井駅に降り立った時からアートミックスを感じることができますね。

これまでも廃校となった学校が会場として活用されてきましたが、今回は4年前に140年の歴史を閉じた平三小学校も新たな会場として加わりました。
こうして地域に愛された学校がイベントによって息吹が吹き込まれることは、地元住民にとっては願ってもないことだと思うのですが、エレベーターがない廃校舎に車椅子ユーザーは上がれず、障がい者への配慮はどこまで考慮されているのかが気になります。

決してエレベーターを付けてほしいというわけではないのですが、公金をつぎ込むイベントだからこそ、誰でも楽しめる配慮は必要です。
だって、今回のアートミックスを含めて、これまでにかかった費用は9億円以上になるんですから。


息子、床ずれに・・・

2020年01月16日 | 障がい

先週末から息子が発熱し、なかなか熱が下がりきらず家にこもりっぱなし。
朝は平熱だけど日中に熱が上がるというパターンを繰り返していた中、今日の昼はパワー全開で大好きなアニメのDVDを見て大声で笑いはしゃぐ姿にホッとしたのも束の間、夕方にオムツを替えるとわずかに血が付いている。

何じゃこれは?とお尻を見たら、皮がめくれてるではないか。
げげーっ。これ、床ずれやん・・・。

水分摂取を心掛けて経管栄養でバンバン注入してたのは良かったけど、その分頻繁にオムツ交換しなきゃいけないのに怠っていたこと。
以前から皮膚が固くなってて、床ずれにならないようにワセリンを塗るようにしてたけど、これも十分できてなかった。
その上、熱があってシンドイだろうと座位もとらせず日中もリビングで寝かせてて、お尻に体圧がかかりっぱなしだったのね。
自分の管理不足が招いた結果に、撃沈の母・・・。

さて、こんな時に頼りになるのが訪問看護のナースなのだ!
息子が好きで好きでたまらないナースマンに、創部の写真をメールで送り電話で処置を聞く。

ふんふん、私が思っていた通り、創部を洗って抗生剤入りの軟膏を塗れば良いのね。
えっ、その軟膏の上にたっぷりワセリン塗布?
そっかー、ワセリンは防水(この場合はオシッコ)になるし、上からガーゼを貼る場合には乾燥して皮膚にくっついてしまうことがない。

思えば、ちょっとした傷が治りかけたと思っていたら、絆創膏をはがす時に一緒に皮膚がめくれてしまうという経験があったなー。
こんな時にもワセリンを塗れば良いんだ。

抗生剤の軟膏もワセリンも常備してある。
ナースマンのアドバイスを受けて処置をし、後は息子の回復を待つのみ!

かくして、明日も在宅介護なんだわ

これは2年前に撮った、大好きなナースマンとのツーショット。


医療的ケアを怖がらないで!

2019年12月14日 | 障がい

12月議会は残すところあと1日となりました。
昨日は午前中にH30年度の決算関連議案に対する賛成討論を行った後、午後からは個別諮問で登壇しました。

テーマは医療的ケア児者とその家族への支援体制です。
医療的ケア児者とは、日常生活を送る上で経管栄養や痰の吸引、導尿、人工呼吸器などの医療行為を必要とする人のことです。
こういった「特別なケア」が必要な子どもに対して、市の園や学校の扉は閉ざされているのが現状です。

よくあるのが「何かあったら大変ですから」という言葉。
「じゃ、何が起こると思いますか?」と聞いても、ほとんどの人は答えられない。
要するに、何も知らないから不安で言い訳してるだけなんだわ。
ちゃんと知って、何が起こるかを想定して対策を立てれば良いだけなんだけど。

無知がゆえの誤解の恐ろしさを言おう。
胃に直接チューブを入れる胃瘻からの経管栄養は、経鼻チューブに比べると肺に入ることがなく至って安全ですが、医療的ケアだから怖いと思われている。
じゃあ、お口から食べていれば安全なのでしょうか?
そんなことはないんですよ。
サイレントアスピレーションと言って、誤嚥してもむせない人もいるのです。
身体が重度で姿勢が保てない人や高齢で反射が衰えた人も同じで、経口摂取より経管栄養の方が安全なこともあるのです。
医療的ケアのリスクに目を向けるのではなく、ちゃんと見て聞いて知ってほしいんです。

あれれ・・・質問テーマの内容から大幅に反れてしまいましたね。
医療的ケア児者の支援を考えるために、ザックリ言えばこんな質問内容。
①詳細な実態調査が必要
②教育・保育施設、学校の受け入れ体制の整備が必要
③日常生活用具の給付に蓄電池や発電機を加えること
④避難所での医療的ケア児者の受け入れ体制

災害時の支援も、園や学校の受け入れ体制を考えるのも、医療的ケア児者の実態把握なくしてはできません。
市は、どうするのか?
うちの息子も医療的ケアが必要なだけに、想いを込めて登壇しました。
 


インフルエンザの季節到来!

2019年11月26日 | 障がい

昨日と打って変わって寒い1日でした。
このところスッキリしない天気が続き、洗濯物も思うように干せません。

息子が週のうち4日通っている施設では、入所者さんにインフルエンザが流行り出しました。
施設では入所スペースと通所スペースを行き来することがないよう、細心の注意を払って対応して下さっていたのですが、罹患者が増えたため、とうとう今週から通所がクローズとなりました。

連絡を受けたのは日曜の夕方。
12月議会は金曜日から始まるので、質問の準備や議案の調査もあります。
週に1日通っている施設に慌てて連絡し、息子の受け入れ先を確保できホッとしました。
この時期は、毎年ドキドキものです。 日頃、市役所で話す女性職員も、この気持ちは同じなんでしょうね。

通所クローズの連絡が入った日中は、市内のショッピングセンターに息子が大好きな「かいけつゾロリ」が来るというので、バッチリ写真撮影してきたばかり。

恥ずかしながら、ちびっこに混じって並んだのであります。
もうかれこれ17年間のゾロリファン。25才になってもDVDを見続け、ガハガハ笑っている息子なのです。

とにかく、しっかり食べ充分睡眠をとらせようと9時過ぎには寝かせたのに、今見たら寝返って目を開けている・・・。
アンタ、早く寝てよ~!


重度心身障害協議会

2019年08月01日 | 障がい

千葉県重症心身障害連絡協議会の大会に出向きました。
重症心身障害とは、知的障害と身体障害の両方が重度である状態で、うちの息子もその一人です。

今回は縁あって知り合った若いママさんが、6歳になるお子さんの子育てで感じてきたことを発表されると聞き、これは必見!と足を運びました。
気管切開、人工呼吸器、痰の吸引、経管栄養、導尿などの医療的ケアが必要なお子さんを積極的に外へ連れ出し、とっても前向きなママさんなんです。

会場を埋め尽くす320人の前で堂々と登壇し、これまで我が子を見守ってくれた施設の方や医師、友人への感謝の気持ちを綴りながら、その感謝を今度は困っている人たちに自分が「恩送り」していきたいと話されました。
それは、人に支えられていることを素直に受け止められる力があってこそ、より多くの支援に広がった言葉だったと思います。

けれども重症心身障害児者の取り巻く環境には課題があります。
親が休息をとるためのレスパイトも受け皿が圧倒的に少ないのが現状ですし、親は働きたくても働けない。

私も重症心身障害者の親として、考えさせられることが一杯でした。


おもてなしの心の原点

2019年07月10日 | 障がい

あれれ、もう議会が始まってるんですけど、お知らせしてませんね

昨日は市民ネットワークを代表して小沢さんが質問しました。
新庁舎が昨年に完成したけど、古い庁舎の将来的な整備方針について現在進められている検討に大きな疑問を投げかけました。
もう1点は指定管理者制度のあり方を根本的に問う質問。
どちらも入念に調べあげて質問したのに、肩透かしを食らったような答弁には「?」です。

さて、私の質問日は7月18日の13時以降になります。
1.運営費補助金について
2.シルバー人材センターの運営について
3.房総里山芸術祭 いちはらアートミックス2020について

原稿の加筆修正は登壇日まで、まだまだ続くと思います。
もうこれでおしまい!としたいところですが、往生際が悪いので、あれこれいじくった挙句に元の鞘に収まるのがパターンかも。

今日は夕食の用意もできず家族3人でファミレスに行くと、温かいお茶3つとお冷が1つテーブルに運ばれました。
この意味、分かりますか?

熱いものが苦手な障がい者がいることを知っているから、お冷も用意してくれたんです。
息子への配慮だなーと、心が温かくなりました。

「おもてなしの心」その原点が心のバリアフリーなのかもしれませんね。

 


25才になった息子へ

2019年05月12日 | 障がい

今日は息子の誕生日。25才になりました。
まー、よくここまで生きてくれた! 誕生日を迎える度にそう思います。

妊娠7カ月で判明した「先天性水頭症」。
一刻も早く治療に取り掛かるため、予定日より1カ月早く帝王切開で出産しました。

出産後は他にも数々の病気があるとわかり奈落の底に突き落とされた気分で、何度も大手術をして生後3か月でようやく退院。
4時間ごとの経管栄養とお腹のガス抜き、ミルクをしょっちゅう吐くので目が離せず、クタクタに疲れ切っていたことを思い出します。

おまけに呼吸状態も悪かったので、もう明日は生きていないかもしれないと毎晩覚悟を決めて、息子の温かい体に触れながら「おやすみ」のキスをしたものです。

今日も生きてくれている。
それだけで母ちゃんは幸せだよ。有難う。

誕生日は、これまで生きてこられたことへの感謝の日。
お風呂に入れて一緒に湯船に浸かりながら、「おめでとう」ってチューしまくりました。


 


救われた医師の言葉

2019年04月26日 | 障がい

4月も残すところあと4日となり、「令和」の幕開けも間近になりました。
明日からは10日間の超大連休になり、海外旅行者は過去最高を記録するとのことです。
この時期になると思い出すのは息子を連れての海外旅行。

2歳になってもお座りさえできない重度の身体障害児。おまけに経管栄養も必要とあって、諦めていた海外旅行を後押ししてくれたのが、当時お世話になっていた大阪の小児外科医師でした。

胃食道逆流症で頻繁に胃から出血を起こしていたため手術を受けた一カ月後に、「とも君、頑張ったな。経過も良いし、お母さん、グアムにでも連れて行ってあげ」と。
よっしゃ、先生のお墨付き!と、早速ツアーを申し込み、心躍る気持ちで出発日までカウントダウン。

ところが直前になって、息子のお腹に数個の水泡が・・・。
慌てて病院に連れて行くと、「おめでとう、水疱瘡や!」と先生。
おめでとうって、どーゆーことかと聞くと、「それだけ外に出て、生活してるってことや」

妊娠7カ月で先天性水頭症と診断され、予定日より一カ月早く帝王切開で出産した息子は、出産後になって腸の病気(ヒルシュスプルング病)や口蓋裂、両手首拘縮症など幾つもの病気が判明し、手術三昧の日々でした。
息子は病院から出て家で暮らせる日は来ないと思った時期もあったぐらい、深刻な状況だったのです。
それゆえ先生は、水疱瘡に感染した息子を褒めたいという気持ちがあったのでしょう。

先生は1・2・3・・・と指を折って出発日までの日数を数え、「大丈夫や。感染力は落ちてるから、行ける行ける」と、まさかのゴーサイン。
これを機に、グアムやサイパン、バリ島に出かけました。

子育てに悩む親にとっては、ちょっとした言葉が自信や可能性の追求につながります。
「大丈夫!」 この一言で、親は救われるのではないでしょうか。