子どもの6人に1人が貧困と聞いて、えっ?と思う人もいるでしょうが、これが日本の現状なのです。
「チャイルド・プア」の著者であり、NHK報道番組ディレクターの新井直之さんの話しを聞きに行ってきました。
約300万人の子ども達が貧困の問題を抱え、子どもにとって学ぶ・遊ぶ・医療を受けるなど、当たり前の生活が難しい状態。
ひとり親家庭の貧困率は54.6%で、先進国でワーストです。
その背景には女性の貧困があります。
母子世帯の5割がパート・アルバイトで、平均収入の手取りは一般世帯の4割以下(179万円)。
非正規の仕事を掛け持ちして、仕事や家事に時間を取られる「時間貧困」という問題もあります。
親の経済的な事情で子どもは我慢を重ね自己肯定感や自尊心を失い、学習に意欲が持てず不登校や引きこもりになり、進学や就労の面で生涯にわたって不利になっていく。
孤独から早期結婚、妊娠、離婚に至るケースも多く、貧困の連鎖につながっています。
川崎・中1男子殺害事件の被害者も加害者も、このような厳しい家庭環境に育った子どもです。
無料の学習支援教室や子ども食堂など子どもへの支援が増えつつありますが、まだまだ子供の貧困問題は社会に浸透していません。
「かつては地域で子育てを担ってきたが、核家族が増加し地域とのつながりが薄くなってきて、今は1人でできないことを母親が背負わされている」と、講師の新井さんがおっしゃっていました。
重度障がいの息子を育てていると、生きる力のある子どもが社会で埋もれてしまうことが残念でなりません。
子どもは親を選べない。
私たちにできることは、まず関心を持つことではないでしょうか。