「男はつらいよ」30作記念の、この「花も嵐も寅次郎」
いわずもがな、ジュリー夫妻の初共演である。
この映画はいろんな楽しみ方ができてとても好きな映画だ。
まず、寅次郎。いつもと変わらず、義理人情には厚いが、どこかすっとこどっこいで、行く先々で何かやらかしてしまう寅さん。
その魅力たるや、渥美清さんが亡くなった今でも人気が衰えることはない。
その30作目のマドンナが田中裕子、ゲストが沢田研二。
当然、当時もこの2大スター共演に沸いた。
私も劇場に足を運んだ。1983年の正月映画だ。
まさか、後に夫婦になるとは、まだ誰も想像だにしなかった頃だ。
私は田中裕子が大好きだったので、この共演は嬉しくてとてもお似合いだと思っていた。
そして、後にビデオで鑑賞するわけだが、
その当時、何も思わなかったシーンが、今見ると「あれ?」と思うところがあった。
そのひとつに、蛍子の弟、何なんだ、このおっさんは?と思った。
父親にしたら少し若いけど、お兄さんという雰囲気でもないし、居候?にしては態度でかいし、何?
そしたら浪人生の弟らしい。
弟?あのひげづらが?
なぜ当時は不思議に思わなかったのか?
今の若い人には想像がつかないかもしれないが、昔の大学浪人生はすべてああいう感じだったのだ。
もちろんイメージが、である。
くまさんのような髭。
めがね。
無駄飯食いのイメージ。
ふてくされている。引きこもり。
家族と口をきかない。きけば、文句や愚痴を言われるに決まってるからだ。
浪人生ほど肩身の狭い境遇のものはいないのだ。
今見ると不思議な光景も、ああ当時はなんら疑問もなかったんだな、と思う。
朝丘雪路扮する、寅さんの幼馴染、寅さんとちょっと親しく話しただけなのに、膨れてしまうおじさん、おばさん。ここらへんもかわいい!
それから蛍子の友達の児島美ゆき、
この人は、誰もが知ってる「ハレンチ学園」のスターだ。
え?知らない?
しつれーいしました。
今はねーハレンチなんて言葉も使わないから。(笑)
まだ小学生ごろだったろうか、この漫画が大流行したとき、
「こんなもん見ていいんだろうか?」「でも、見たい」「立ち読みすればいい」「男子から借りたら」と
純情田舎乙女は思っていたわけです。
TVドラマ化されたとき、あんなハレンチな漫画がTVに?!という衝撃がありましたが、当時の大人はえらかった。
この「ハレンチ学園」をドラマにしようなんて考えたのは。
結局、今だったら低俗な有害図書として、絶対に子供は読むことなんてできないんだろうけど、おおらかな時代には、あれが犯罪の元になるなんてことでは、反対運動は起きなかった。教育上よろしくない、ということだけだったように思う。
教育者がどうしようもないハレンチな人間として描かれていたので、そういった意味でPTAの反対が多かった。
どんどん世相を反映して、漫画の持つ意味も変わってきたように思うが、
今は漫画の話から、映画の話に戻りましょ^^ヾ
ということで、
寅さん映画は、長寿シリーズ。
何十年も続けられて、それぞれ、その時代を映し、言葉遣いから、考え方、いろいろなものが変わっていく様が見れるのが、価値あるものだなあと思うのだ。
30作記念というこの名誉ある回にジュリーが出演してくれてほんとに嬉しい。
それも裕子さんと、ということで誠にめでたい1本である。(笑)
ジュリー夫妻にとっても、絶対忘れられない、忘れてはいけない1本かも。
もし、食わず嫌いな方がおられたら、
是非鑑賞をお勧めします^^v
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