風の記憶

the answer is blowin' in the wind

カタクリ_高舘山

2021-04-02 | 



   

冬枯れた落葉広葉樹林の林床に、雪解けを待ちかねたように一斉に芽吹き、頭上の樹々たちが葉を広げ
林床に陽の光が届かなくなる初夏には地上部を全て枯らして、地下の根茎や種子で次の季節に向けてひ
っそりと暮らす早春の短命な植物たちを、スプリング・エフェメラル(Spring Ephemeral)~「春の儚い命」
「春の妖精」と呼びます。

スプリング・エフェメラル(春の妖精)には、キクザキイチゲ、イチリンソウ、ニリンソウ、ショウジョ
ウバカマ、アマナ、エンゴグサ等がありますが、やはりなんと言ってもその代表格はカタクリではないで
しょうか。
恥ずかしそうにうつむきながら咲く可憐な花姿は、妖精が羽を広げて舞い降りてきたようにも見えます。
その群生は冬枯れた早春の林床を一面薄紫色に染め上げ、それは見事です。

カタクリは、早春の光を頭上の樹々たちが葉を広げるまでの短い期間しか受けられないために、細い葉で
一年また一年と毎年少しずつ養分を蓄え、8~10年かけてようやく一輪の花を咲かせるのです。
まるで、長い年月をかけて想いを育み、やっと夢を叶えるように咲く早春の小さな花。

やがて初夏が来て、キビタキやオオルリの鳴き声が高舘山に響く頃、妖精たちは幻のようにその姿を消し
てしまうのです。

               

 
















































































撮影DATA
Nikon D750
Nikkor AF-S VR 70-300mm F4.5-5.6G
TAMRON SP 180mm F/3.5 Di MACRO
TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO VC




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ミスミソウ_高舘山2

2021-03-30 | 



   

 


前回に続き、高舘山に咲くミスミソウです。

前回は早春の光に揺れるミスミソウをテーマにしましたが、

今回は高舘山の森の中にひっそりと咲くミスミソウがテーマです。


様々な野鳥の鳴き声しかしない静かな森の中

小さい花だけど凜と咲くミスミソウが健気でした。

 
































































撮影DATA
Nikon D750
Nikkor AF-S VR 70-300mm F4.5-5.6G
Nikkor AF Ai 18-35mm F/3.5-4.5 D ED
TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO VC




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ミスミソウ_高舘山1

2021-03-29 | 



   


先日、友人の高谷さんからお誘いを受けて、久しぶりに高舘山(たかだてやま)に山野草の
撮影に行ってきました。


高館山は、山形県鶴岡市大山地区にある標高273.2mの山ですが、低山にもかかわらずブナや
ナラなどの落葉広葉樹林により形成されていて、とてもたくさんの植物を見ることができます。
また、麓には上池・下池と呼ばれる大きな池があり、「庄内海浜県立自然公園」の一部に指定
され、同時に林野庁の「自然休養林」「森林浴の森100選」にも指定されている地域です。

さらに、この上池・下池は特に水鳥の生息地として、国際的に重要な湿地であると認められ、
平成20年10月に「ラムサール条約」に登録されています。
私の自宅がある酒田市街地から、車で約25分ぐらいのところにあります。


まだ少し早いかと思ったのですが、オオミスミソウやカタクリ、エンレイソウ、エンゴサク、
イワウチワがすでに咲いていて、比較的開花の遅いニリンソウもちらほらと咲いていました。

良いタイミングでお誘いをいただき、高谷さんには本当に感謝、感謝です。(^o^)

当日は特に、オオミスミソウが見頃で、たくさん撮影してきましたので、テーマを二つに分け
てエントリーしたいと思います。


今回は『春光に揺れるミスミソウ』


次回は『森林にひっそりと咲くミスミソウ』

 
















































































撮影DATA
Nikon D750
Nikkor AF-S VR 70-300mm F4.5-5.6G
TAMRON SP 180mm F/3.5 Di MACRO
TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO VC




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ミスミソウ

2021-03-24 | 







   


ミスミソウが咲き出しました。


この花も前回のオウレン同様、花が終わった夏場以降も年間を通して葉をつけているので、
いわゆる
「スプリング・エフェメラル」(春の妖精・早春植物)には区分はされませんが、
早春の冷たい風に花
を揺らせる妖精のひとつだと思っています。


ミスミソウはキンポウゲ科ミスミソウ属、世界に約9種の原種が在り、日本にはそのうちの
4種が自生しているそうです。


○ミスミソウ(三角草)~
主に本州の中部地方から九州にかけて自生している

○オオミスミソウ(大三角草)~ 花径がミスミソウよりも大きく、本州の山形県以南の日本
 海側に自生している

○スハマソウ(洲浜草)~ 葉の角が丸くなっているのが「洲浜」(弧状になった砂浜)に似
 ているのが特徴で、本州から四国にかけて自生

○ケスハマソウ(毛洲浜草)~ 花茎や葉に毛がたくさん生えるのが特徴で、本州の近畿地方
 から四国に自生している


ミスミソウは別名「雪割草」とも呼ばれますが、これは上の4種類を総称して園芸的に呼ぶ
ときに使われるそうです。

ちなみに「ユキワリソウ」とカタカナで書くと、サクラソウ科サクラソウ属の全く違う種の
高山植物を指すのだそうで注意が必要とのこと。

更に、「イチリンソウ」「ニリンソウ」「ショウジョウバカマ」「ハシリドコロ」等を「雪
割草」と呼ぶ地方もありますのでややこしいです。(^^;) 
雪を割って咲くとみ~んな雪割草ですから・・・。

「ミスミソウ」と呼んでいれば間違いないようですね。

庄内地方では、旧平田町(現酒田市)の町花としてマンホールの蓋などにもデザインされ町
のシンボルとして愛されていました。

以前、友人から聞いた話では、経ヶ蔵山にたくさん咲いていましたが盗掘が後を絶たずに、
壊滅状態だったそうですが、今はどうでしょうか?心配です。


早春の風に揺れるミスミソウは、本当にかわいいものです。
花言葉は万国共通で『confidence(信頼、自信)』『あなたを信じます』です。



 




























撮影DATA
Nikon D750
Nikkor AF Ai 18-35mm F/3.5-4.5 D ED
TAMRON SP 180mm F/3.5 Di MACRO
TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO VC




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オウレンが告げる春

2021-03-13 | 





   

冬枯れた林床に真っ先に顔を出して春を告げてくれるのがオウレンです。
オウレンはキンポウゲ科オウレン属の日本固有の多年草で、小葉の切れ
込みの形態によって三種類に分けられるようです。
主に北海道と東北の日本海側に咲くのがキクバオウレン(菊葉黄蓮)
主に太平洋側と西日本に多く咲くのがセリバオウレン(芹葉黄蓮)
主に中部地方に多く咲くのがコセリバオウレン(小芹葉黄蓮)

オウレンは花が終わった夏場以降も年間を通して葉をつけているので、
いわゆる「スプリング・エフェメラル」(春の妖精・早春植物)では
ありませんが、それらよりも早い時期に花を咲かせ春を真っ先に告げて
くれるので、早春の妖精のひとつだと思っています。

オウレンの花がまだ冬の寒さの残る風に揺れる様子は、いまだ土の中の
「スプリング・エフェメラル」(春の妖精)たちを目覚めさせる合図を
送っている
ように思えるのです。


(今思ったのですが、ジプリ映画「もののけ姫」に出てくる『こだま』
 みたいですね。ほら、あのテルテル坊主みたいな首をケタケタ鳴ら
 し
ながら樹木の芽を芽吹かせる木の精霊です。(^^;  )

 








































































































撮影場所
酒田市市条字八森
(八森自然公園内)

撮影DATA
Nikon D750
TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO VC



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