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「陽気とどまりて、初めて退きやまんとすれば也」 (暦便覧) 「処暑」は暑さが止むと言う意味です。まだ昼間は暑い日が続きますが、暑さの峠 は越えて朝夕は心地よい涼風が吹く頃です。 山里には萩の花が咲きはじめ、野からは虫の音が聞こえてきます。農作物が実り だす大切な時期ですが、台風のシーズンでもあります。 立春から数えて210日目(今年は9月1日)は雑節で「二百十日」と言われ、農業の 三大厄日です。
夏の熱い風の中に、秋の冷たい風が入り込むせいでしょうか、この頃は雷や稲妻 も多く発生します。 そして古より、この頃に雷の多い年は豊作になる、と言われていますが、あながち 迷信でも無く、実際に雷は空気中に窒素酸化物を発生させ、雨とともに大地に染み こんで稲や植物の成長を助ける肥料の役目を果たすのだそうです。 「稲妻」は文字通り、稲の成長を助ける妻。豊かな秋の収穫を願う気持ちがこめら れた祈りの言葉でもあります。
まだ暑い日中も日暮れとともに涼やかな風が吹き、葉陰からは虫の音が高まって きます。衰えゆく夏の気配と、少しずつ高まる秋の気配が交差する季節「処暑」。 空を見上げると、夏の入道雲は勢いを無くし、その遙か高くに鱗雲や筋雲などの 秋雲が同時に見られるようになります。 夏と秋が出会い別れる空「行き合いの空」です。
夏の終わりはいつも、少しもの淋しく、そして美しく、大切な時間が過ぎてしまうような もったいない気持ちになります。 過ぎ去って二度と帰らないあの遠い日を想うような季節です。
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「 処暑 」 七十二候 第四十候 ~ 綿柎開 (わたのはなしべひらく) 綿を包む咢[がく]が開く頃 [8月23~27日頃] 第四一候 ~ 天地始粛 (てんちはじめてしゅくす) ようやく暑さが鎮まる頃 [8月28~9月1日頃] 第四二候 ~ 禾乃登 (こくものすなわちみのる) 稲が実る頃 [9月2~7日頃]
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酒田市本楯より

この時期、ニラの花が綺麗です。

鶴岡市羽黒地区より

少しずつ空が高くなってゆく頃

萩の花が咲き始めます

遊佐町杉沢地区

遊佐町月光川河川公園「旧朝日橋」
映画「おくりびと」の撮影に使われた橋です。
撮影DATA
Nikon D300s
TAMRON SP 90mm MACRO F2.8
Tokina AT-X 124 PRO DX F4
Nikkor AF-S DX 17-55mm F2.8G

夏が終わる頃、必ず聴きたくなる歌
森山直太朗さんの「夏の終わり」
名曲です↓