風の記憶

the answer is blowin' in the wind

鳥海山の朝

2005-10-30 | 


千古の昔から『生命の山』と尊ばれてきた山、鳥海山

山形庄内、秋田仁賀保の両平野を潤す水源であり、

五穀豊穣をもたらす神として広く尊崇を集めてきました。

農耕の神、そしてその裾野を日本海に入れることから、

海上安全や漁業守護の神としても尊ばれ、

これにまつわる神事や歌舞が、今でも永く伝えられています。


早朝、生家の二階から鳥海山を見ると、

生まれたばかりの朝の陽の中に、

その姿を神々しく浮かび上がらせていました。

まるで、山頂から雲が湧き出たような光景は、

『生命の山』『神々の山』という言い伝えが

真実であることの証のようでした。




鳥海国定公園観光開発協議会HP → http://www.chokaizan.com/
庄内広域行政組合HP → http://www.shounai.jp/
鳥海山フォトギャラリー → http://www3.ocn.ne.jp/~tyokai/

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映画「蝉しぐれ」

2005-10-22 | 田んぼ・平野

映画「蝉しぐれ」を観てきました。
結論から言うと、とても素敵な映画でした。

10月8日にも書きましたが、小説「蝉しぐれ」は思い入れの深い作品でしたので見に行くか行くまいかちょっと躊躇しましたが・・・、やっぱり行ってきました。(^^ゞ
映画を見に行く前に、原作と比較して見るのはやめよう、と心に決めて観に行きました。小説には小説の楽しみ方があるし、映画には映画でしか表現できないものがあるのだから、素直にまっすぐに「映画」を楽しもうと映画館に向かいました。

まず映画の冒頭、吹雪の庄内が映ったときには、ちょっと鳥肌が立ちました。ここに住む人々にとっては何でもないただの吹雪の風景なのですが、私もかつてはそうだったように遠く離れて暮らしている庄内出身者にとっては、この何でもない吹雪の風景こそ庄内なんだと思えたからです。

その後、ふく がヤマカガシに噛まれるシーンから始まり、文四郎と祭りに出かけるシーン、逸平や与之助との友情のシーン、格闘シーンなどなど、短い時間の中で小説の盛りだくさんの内容を伝えようとしている苦労が見えて、「シナリオは原作をもっと省略して、ゆったりとした流れにした方が良いのでは?」とも思いましたが、名場面の多い小説で、それが全て繋がっていますからしょうがないかな、とも思ったりして・・・。

この映画では特に感動した場面が二つありました。その場面は、小説でも名場面と言われている部分なのですが、映画でしか表現できない空気感というものを感じました。
ひとつは、切腹させられた父を文四郎が大八車で引いていくときに、きつい坂道で ふく が現れて、涙を堪えながら無言で必死に大八車を押しているときのふくの表情です。
そしてもう一つは、物語の最後、ふく が文四郎と逢い話しを終えた後に、今まで「おふくどの」と呼んでいた文四郎が堪えきれずに「ふく」と呼んだ時のふく(木村佳乃さん)の表情です。じっと文四郎を見つめた大きな目に、少しずつ少しずつ涙が溜まっていき、その表情がまるで20年間想い続けた時間を結晶させているようで、とても美しいと感じました。

映画でのこの二つの場面は、実は原作通りでは無いのです。
原作通りでは無い場面で感動できたのですから、これは黒土三男さんの「蝉しぐれ」であり、そして映画「蝉しぐれ」として心に残る良い作品だと思うのです。

しかし、感動した二つの場面はどちらも全く台詞が無く、俳優の表情だけの場面なのですが、その表情が本当に素晴らしかったなぁ。今でも余韻が残っています。
区分するのはあまり好きではありませんが、イメージ的には「たそがれ清兵衛」や「隠し剣、鬼の爪」が芥川賞とすると、「蝉しぐれ」は直木賞・・・、と言ったところでしょうか。(^^ゞ
庄内の風景をとてもきれいに捉えているし、この作品のDVDは買いですね。発売になるのが今から楽しみです。(^o^)


DVD発売予定日は2006/04/14。ただいま予約受付中です。
 → 蝉しぐれ プレミアム・エディション

(参考)
「蝉しぐれ」公式HP → 
http://www.semishigure.jp/
「たそがれ清兵衛」公式HP → http://www.shochiku.co.jp/seibei/
つるおか旅読本HP → http://www.tsuruokakanko.com/index.html
海坂藩研究所HP → http://www.e-yamagata.com/unasaka/index.htm
庄内空港HP → http://www.shonai-airport.co.jp/
鶴岡市HP → http://www.city.tsuruoka.yamagata.jp/



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風の記憶

2005-10-16 | 


ただ、風を感じただけで、
何か懐かしい気持ちになったことはありませんか。

ただ、風に吹かれただけなのに、
何故か満ち足りた気分になったことはないでしょうか。
今、自分がここにこうして存在し、生きている、
そんなあたりまえのことが何か嬉しくて懐かしくて。
そんな気持ちになったことが、ありませんか。


私たち日本人は古来から、
風に自然の息吹を感じ、
風に季節を感じてきました。

稲穂を渡る風に豊かな秋を感じ、
身を刺す冷たい風に冬の存在を知り、
雪を融かす温かな風に春の訪れをよろこび、
そして、風鈴の音色に夏を感じる。

今、現代人はそんな風の言葉を
感じる余裕もなく生きています。
そんな私たちでも、ある日風に吹かれた瞬間、
何か心を揺り動かされるようなことが
よくあります。

それは「風の記憶」ではないでしょうか。

私たちの体の中に、
風に対する豊かな感性が遙か遠い昔から
確かに受け継がれている、そう思うのです。

 

 

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やさしい風

2005-10-13 | 


誰かに愛されているとき、

人はその愛に気づかない。

そしてその愛に気づいたとき、

愛してくれた人はもう、いない。

だけれども、

愛されていたという事実を知るとき、

人はしあわせに包まれる。

そして少しだけ後悔をする。

(ありがとう、と伝えたかった)


人は、

そのとき後悔したから、

(ありがとう、を言うために)


また誰かを愛するんだ。



やさしさは、受け継ぐものだから・・・。


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蝉しぐれ

2005-10-08 | 

故 藤沢周平さんの名作「蝉しぐれ」が映画化されて、10月1日から全国上映されています。
庄内を舞台にした藤沢作品の映画としては、山田洋次監督の「たそがれ清兵衛」、同監督の「隠し剣、鬼の爪」に続き三作品目、監督は黒土三男さんです。

山田洋次監督の「たそがれ清兵衛」は素晴らしい映画でした。藤沢文学の世界を見事に表現されていた名作だったと思います。DVDを買って、何度も見ています。
黒土三男監督の今回の作品はどうでしょうか。期待で胸がいっぱいなのですが、実はまだ見に行っていません。
本当であればすぐにでも見に行きたいのですが、何となく見たくない気持ちも少しあるのです。
その理由は・・・、「蝉しぐれ」だからです。

私は藤沢文学ファンです。特に「蝉しぐれ」は、何度と無く読み返したほど思い入れの深い作品です。だから、自分の中の「蝉しぐれ」をこわされたくない、なんて思ってしまうのです。
「蝉しぐれ」は、藤沢作品の中でも特に人気がありますから、私と同じような人も多くいるのだと思いますし、それを承知で黒土監督は映画化したのですから、きっと期待を裏切らない映画になっているのだと思います。が、やはり見たいけど、見たくないと思ってしまいます。
まあ、なんだかんだ言っても、見に行くんですけどね。(^^ゞ

藤沢周平さんの作品を読んで感じること、それは、
まっすぐに生きることの美しさ、平凡に生きることの偉大さ、人を大切に想う心の優しさ、目立つことのない本当の勇気の気高さ、風土と共に生きることの大切さ、かけがえのない命を精一杯生きることの尊さ、です。
そして、詩情豊かな美しい日本語で表現された、美しい日本の四季折々の風景。

藤沢さんが描かれているもの、それは、
現代の日本人が失ってしまった「精神の豊かさを大切にする日本人の心」だと思うのです。

是非、多くの若い人に読んでもらいたい作家です。



(参考)
「蝉しぐれ」公式HP → http://www.semishigure.jp/
「たそがれ清兵衛」公式HP → http://www.shochiku.co.jp/seibei/
つるおか旅読本HP → http://www.tsuruokakanko.com/index.html
海坂藩研究所HP → http://www.e-yamagata.com/unasaka/index.htm
庄内空港HP → http://www.shonai-airport.co.jp/
鶴岡市HP → http://www.city.tsuruoka.yamagata.jp/



 


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