風の記憶

the answer is blowin' in the wind

春分の頃~庄内の暦風景_4

2015-03-21 | 二十四節気

酒田港から望む鳥海山


 



「春分」と言えば「春分の日」。この日は国民の祝日ですから知らない人はいないと思いますが、
この「春分の日」(及び「秋分の日」)は、「国民の祝日に関する法律」の中では具体的な月日が
明記されずに、「春分日」(「秋分日」)とだけ定められています。
「春分日」と「秋分日」は国立天文台が計算して発表する「暦象年表」という冊子に基づいて、
閣議で決定され、官報で発表され決まるのです。祝日法では春分の日は「自然をたたえ、生物
をいつくしむ日」とされています。

「春分」は二十四節気の中で特に、二至 (夏至と冬至)、二分(春分と秋分)として四季の中央に
おかれた重要な中気なのです。つまり、春夏秋冬のうち「春」ど真ん中の頃、ということです。
春分の日(秋分の日)は、太陽が真東から昇って真西へ沈む日で、昼と夜の長さが同じになる日、
と言われていますが、正確には昼の長さの方が少しだけ長いのだそうです。その理由は、日の出
と日の入りの定義による差と光の屈折による差だとか、詳しくは→
ここ
本当に昼と夜の長さが同じになるのは、春分の日よりも4日ほど前(秋分の日は4日ほど後)なの
だそうです。

「春分」・「秋分」と言えば、「お彼岸」です。これは日本だけの風習で、春分・秋分の日を中日として
前後3日、合わせて7日間を「お彼岸」と言いお墓参りをする習わしですが、なぜ「春分」・「秋分」が
仏事と関係があるのでしょうか?それは諸説あるそうですが、その理由のひとつが「真西に太陽が
沈むから」です。
仏教では西は「西方浄土」と呼ばれ、仏様の住む極楽浄土の方向だとされています。真西に陽が
沈む日が極楽浄土に最も通じやすい日となります。そこで、お彼岸にお墓まいりをしたりお経をあ
げたりして、先祖の霊を供養するようになったのです。
仏教では、悩みを乗り越えた悟りの境地に達したあの世のことを「彼岸(ひがん)」、欲や悩みに満
ちたこの世を「此岸(しがん)」といい、此岸にいる人間が彼岸に近づく方法のひとつがお墓まいり
なのです。

さて、この時期の庄内は、さすがに北国といえども春めいてきます。確実に春の到来を感じられる
頃です。ただし、この時期良く聞かれることわざに『暑さ寒さも彼岸まで』というものがあり、冬の寒
さや寒の戻りもこの頃までということですが、庄内ではまだ油断は出来ない日々が続きます。春分
の前節気「啓蟄」の頃によくきかれる「三寒四温」が庄内ではちょうどこの春分の頃に当てはまるよ
うな気がします。

山王の森公園では梅の花が咲き始め、庭では沈丁花が切なく香り、酒田港のウミネコが甲高い声
でおしゃべりを始めます。雪雲は去り青空がよく見られるようになって、鳥海山の雪姿がその青空
を突くようにそびえ立ち卒業生達に勇気を与えてくれます。山里ではそろそろ春の妖精達の先陣を
切って「セリバオウレン」が咲き始める頃です。

彼岸の出以降、季節は急に足早になり、庄内の花リレーは、ピークをむかえます。

 


「 春分 」 七十二候
 第十候   ~ 雀始巣(すずめはじめてすくう)雀が巣をかまえ始める頃 [3月21~25日頃]
 第十一候 ~ 桜始開(さくらはじめてひらく)桜の花が咲き始める頃 [3月26~30日頃]
 第十二候 ~ 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)遠くで雷声がし始める頃 [3月31~4月4日頃]

 





酒田港から望む鳥海山
左側のマンションの後ろが「日和山公園」&「山王の森}です







「山王の森」では梅の花が咲き始める頃です。






庭では紅梅とサンシュユが咲き始める頃です。






沈丁花は香りで見つける花、早春の香りです。






ウミネコの声をきくと、港町って良いな~♪と思います。何ででしょう?















最上川河口






酒田市内を流れる「新井田川」と鳥海山








月山もこれからは雪どけが進む頃です







八幡の八森自然公園では「セリバオウレン」が咲く頃です








撮影DATA
Nikon D300s、D200
TAMRON SP 90mm MACRO F2.8
Tokina AT-X 124 PRO DX F4
Nikkor AF-S DX 17-55mm F2.8G
Nikkor AF-S VR 70-300mm F4.5-5.6G



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小田日和
クリエーター情報なし
アリオラジャパン







コメント (2)
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啓蟄の頃~庄内の暦風景_3

2015-03-06 | 二十四節気

遊佐町を流れる「月光川」の岸辺ではネコヤナギが花穂を膨らませる頃です。

 

 「啓蟄」の意味については、毎年毎年テレビなどでもよく解説されますので、今更説明の必要は無いとは
思いますが、「啓」は『ひらく』、「蟄」は『土中で冬ごもりしている虫』と言う意味で、つまり、冬ごもりしてい
た虫たちが春の到来を感じて目覚める頃、ということです。
ただしこの「虫」とは、いわゆる昆虫というだけにとどまらず、冬ごもりしている全ての生き物という意味で、
トカゲやカエルや蛇など全てを指すようです。
目を覚ますのは動物だけではなく、早春の山菜なども芽吹く時期です。早春の山菜は“ほろ苦い”味が
良いのですが、この山菜の苦みは冬の間に体にたまった老廃物を流し出し、やがて訪れる夏を乗り切る
ための元気な体へと変化させてくれるのだそうです。実際、冬眠から目覚めた熊が真っ先に食べるのが、
雨水の頃に芽生えたフキノトウだと言われています。

この時期の庄内と言えば、山間部ではまだ雪がたくさん残っていますが、さすがに市内部では雪の姿は
ほとんど消えて、日陰にひっそりと消え入るのを待っているのを見かける程度となります。白鳥たちは
すでに北帰行を開始し、川辺ではネコヤナギが穂を膨らませ、晴れる時が多くなった野では福寿草が
咲き始める頃です。

ただし、油断は禁物!! 突然大雪がブリ返すのも、実はこの頃なのです・・・。

 


「 啓蟄 」 七十二候
 ●第七候 ~ 蟄虫啓戸 (すごもりむしとをひらく) 冬ごもりの虫が出てくる頃 [3月6~10日頃]
 ●第八候 ~ 桃始笑 (ももはじめてわらう(さく) 桃の花が咲き始める頃 [3月11~15日頃]
 ●第九項 ~ 菜虫化蝶 (なむしちょうとなる) 青虫が羽化して紋白蝶になる頃 [3月16~20日頃]

 






早春の光をまとってネコヤナギは春を告げます







庄内では「ふきのとう」を『ばんけ』と言います。
この時期、無性に「ばんけの天ぷら」や「ばんけ味噌」の苦みが欲しくなるのは
やはり人間も熊同様に自然の摂理に従った生き物だからでしょうか。
何か、体が欲する苦みといおうか・・・・・・。







野では福寿草が、春の日射しをかき集めるパラボラアンテナのような花を咲かせます。












庄内平野の南南東には「月山」が聳え、
ふり返り、北の空を見ると「鳥海山」が聳えています
(旧藤島町付近より)














すでに北帰行を始めた白鳥たち、この白鳥はまるで名残を惜しんでいるように佇んでいました
















遊佐町「月光川」の岸辺ではネコヤナギの群生が花穂を膨らませています。

↓「月光川河川公園」です。googleストリートビューでご覧いただけます♪↓
(左クリックしたまま左右に動かしていくと360°回転したり、移動も出来ますよ)



撮影DATA
Nikon D300s
TAMRON SP 90mm MACRO F2.8
Tokina AT-X 124 PRO DX F4
Nikkor AF-S DX 17-55mm F2.8G



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きょうの料理 七十二候
クリエーター情報なし
講談社

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