「娘たちが、日々成長していくのを見るのは、
たとえば畑の野菜や草花が
日々育っていくのをながめるのにも似て、
とても楽しいものでがんす。」
映画 「たそがれ清兵衛」 より
風が、少しずつ黄金色に変わって行きます
それと同じ早さで、あちらこちらに
コスモスが咲き始めました
毎年きまって、その綺麗な薄紅色を
風に与える、コスモス
でも、コスモスは1年草
そこに咲くコスモスは、やがて
冷たい風の中へと
消えてしまいます
その花は
ただ ひとつの秋に巡り逢うために
生まれてきた花です
ブログの更新、ちょっとサボってました。(^^ゞスミマセン。
さて、庄内平野ではいよいよ稲刈りが始まります。
たわわに実った稲穂が、秋の爽やかな風に吹かれて、さわさわと気持ちよく揺れています。
稲刈りが最盛期を迎えると、町中が藁の良い香りに包まれて、とても豊かな気持ちになります。
喜びの季節がやって来ました。
お米の話です。
山形県庄内地方は 『おいしいお米のふるさと』 と言われます。
現在、日本で良食味品種としてブランドを確立している品種は「コシヒカリ」「ササニシキ」「あきたこまち」「ひとめぼれ」「はえぬき」などですが、これら日本の主要なお米のルーツをたどると、そのほとんどが庄内地方の農民が育成した品種「亀ノ尾」(阿部亀治氏)や「森多早生」(森屋正助氏)などに行きあたるのだそうです。
( → 全農庄内のHP http://www.shonaimai.or.jp/ )
日本中で食べられている美味しいお米。
そのお米は、昔々庄内地方の農民がとても苦労して創り出したお米の子孫なのです。(^_^)v
それに、日本三大品種のひとつに数えられた庄内米の名品「亀の尾」は、現在 復活されていて、酒米としても優秀なため美味しい吟醸酒もつくられています。
(→ 木川屋さんのHP http://www.kigawaya.com/sake/tsukuri/kamenoo.html )
(→ 大沼酒店さんのHP http://www.h7.dion.ne.jp/~onuma/index.html )
私は農家ではありませんが、お米の国に生まれ育った人間として、秋はやはり喜びの季節です。
空が高くなり、トンボがたくさん飛び交う秋の田んぼ。農家の私の友人が言っていました。稲刈りは今でも農家の大仕事で大変だけど、それでも収穫はやはりとても嬉しいものだ、と。
長い長い歴史と人々の苦労に応えるように、庄内平野には今年も金色の稲穂が揺れています。
~吉野弘さん「風に吹かれて」より~
祝婚歌
二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気づいているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい
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吉野さんは、庄内(酒田市)出身の詩人です。
私の母校の大先輩でもあります。(^^)