教えて!TOSHIさん:ブログ版

ライブハウス<T☆ROCKS>のオーナーTOSHIによる、音楽や音楽以外・・のお話!

T☆ROCKS:TOSHI

小田急相模原ライブハウス <T☆ROCKS>のオーナー「TOSHI」です。 音楽の話、音楽以外の話・・などなど色々!HPの 「教えて!TOSHIさん」も更新中! t-rocks@jcom.home.ne.jp

アンサンブル

2012-12-17 | 音楽的アドバイス

アレンジと言うのは本当に難しい。

なんでもアリっちゃーアリだし、ルールがあると言えばある・・・・。

結局、そのバンドやアーティストの意向次第でどうでも良く、これが正解で、これはNG・・・ってのは

ないけど、効果的か、そうでないか・・はあるだろうね。

例えば、全員が火花を散らすようなバンドサウンドの場合・・・。ま、そうは言っても、やはり

まずはVoを出さなければいけないけど、ギターのフレーズとベースがケンカしてもそれは

それでかっこよかったりする。バスドラとベースは合わす、リズムは揃える・・・って最低限の

ルールが合っていればフレーズがギリギリのヒリヒリした緊張感・・・ってのもアリだと思う。

 

ポップス系のバンドの場合はどうするか。これは難しい。歌ものなので、歌が良い感じに

聞こえるアレンジが最優先になるのが鉄則ではあるね。しかしバックミュージシャンではなく

バンドと言う立場上、メンバーの主張も出したいところ。ただどうしてもフレーズを詰め込みたい

ところがみんな同じ個所になる・・・って危険性がある。その辺は練習やライブを録音して、

話し合った方がいいね。お互いを殺しあわないようにするのがコツ。

ピアノの左手もどこまで必要か考えるのもいいね。どうしてもベースとかぶるわけだから。

ギターの音色もVoを殺さないか、考える必要もある。男性と女性でやはりだいぶ聞こえ方が

変わるので、それも考慮して音作りをするのが理想だけど、まあ、バンドだからね、ある程度は

好きな音色で構わないとは思う。しかし、これもVoの抜けに関して影響があるから、

気を付けよう。ドラムの金物も考えて使った方がいいね。ハットに行くのかライドに行くのか

でも大分、イメージが違うし、音を埋めたいならハットの方がいいだろうし、Voを目立たせ

たいなら控えめにしたほうがいいだろうし・・・。

 

メタル系の場合は、ある程度のフォーマットはあるな。これはレゲエやR&Rなんかと同じように

美学があるからね。まず迫力ある音作りからしなければいけない。ローからハイまである

厚いディストーションギター、ベースもしっかり低域を埋める固いローがあったほうがいい。

ドラムに至っては、スネアとキックは重要で、ここがヘナチョコだと話にならないし、

Voも声量がなくては務まらないね。ま、これが基本のフォーマットで、これを元に自分たちなりに

個性を出していけばいいと思うけどね。

そういえばV系もこんな音作りかね?チューニングは低かったりするかも知れないけど。

 

エアロスミスのようなハードロック系だと、もうちょっと自由度が上がって、クランチ系の

ギターの音もアリだし、ベースも自由度が上がる。メジャー進行の曲も作っていいし(笑)

メタル系はメジャー進行はご法度だからね(笑)

 

ファンクやR&B系は、やはりドラムとベースだけでしっかり躍らせるグルーブを出して、

その上でギターやボーカルが自由に遊べるようにした方がいいよね。

太い音のベースは必須。出来れば弦高はちょっと高めの方がイナたい感じが出て、

いいけど、低ければ低いでちょっとオシャレな雰囲気の音にはなるわな。

 

アコギ系は、音作りは自由度が高いけど、なかなか難しくて、プリアンプを通して、

低域と高域を強調したようなキラキラ・・ギャリギャリ・・シャリシャリ・・ボワボワ・・の

音も作れるし、リバーブも大げさにかけることも出来るけど、家やスタジオで小さ目の

音で音作りをした場合や、ヘッドフォンで音作りをすると、ライブハウスのPAスピーカーから

大きい音で再生したときに、やり過ぎの感が出てしまうときがある。

音が何倍も大きくなって再生されることを念頭に、プリアンプなどでの音作りは考えた方が

いい。またリバーブはPA卓でかけたほうがステレオでかかるので広がりがあり、若干綺麗

ではある。聴いてる人にはそこまでわからないかも知れないけど。

また指弾きとストロークの曲は音量差が大きいので、PA表に一言書いてあげると、

PAさんも心構えが出来て楽だと思うよ。

音作りに自信がなければ、そのままの音を出して、PAさんに頼めばいいね。

固い音にしたい(ドンシャリ気味)・・とか、温かく柔らかめの音がいい・・・とか。ま、何も

言わなくても適切な音にしてくれるから大丈夫。俺のモットーはアーティストが出したい音を

尊重するので、よっぽど気にならない限り、大きくEQをいじって音色を変えてしまうことは

ない。自分の好みで音は作らないよ。気になる帯域は少し削る・・・くらいはさせてもらうことも

あるけど。ホラ、お客さんの耳に痛い帯域が多く出てるときもあるからさ。

アコギは一本一本、凄く音が違うからね。

そうそう、マイク録りももちろん可能だけど、モニターは大きく返せないね。

ステージの立ち位置上、PAスピーカーもあまり音量を上げられないかもね。どうしても

そのマイクが外音を拾う可能性があるのでね。音色に関してはいいかも知れないけど、

音量に関しては不利だ。