アレンジと言うのは本当に難しい。
なんでもアリっちゃーアリだし、ルールがあると言えばある・・・・。
結局、そのバンドやアーティストの意向次第でどうでも良く、これが正解で、これはNG・・・ってのは
ないけど、効果的か、そうでないか・・はあるだろうね。
例えば、全員が火花を散らすようなバンドサウンドの場合・・・。ま、そうは言っても、やはり
まずはVoを出さなければいけないけど、ギターのフレーズとベースがケンカしてもそれは
それでかっこよかったりする。バスドラとベースは合わす、リズムは揃える・・・って最低限の
ルールが合っていればフレーズがギリギリのヒリヒリした緊張感・・・ってのもアリだと思う。
ポップス系のバンドの場合はどうするか。これは難しい。歌ものなので、歌が良い感じに
聞こえるアレンジが最優先になるのが鉄則ではあるね。しかしバックミュージシャンではなく
バンドと言う立場上、メンバーの主張も出したいところ。ただどうしてもフレーズを詰め込みたい
ところがみんな同じ個所になる・・・って危険性がある。その辺は練習やライブを録音して、
話し合った方がいいね。お互いを殺しあわないようにするのがコツ。
ピアノの左手もどこまで必要か考えるのもいいね。どうしてもベースとかぶるわけだから。
ギターの音色もVoを殺さないか、考える必要もある。男性と女性でやはりだいぶ聞こえ方が
変わるので、それも考慮して音作りをするのが理想だけど、まあ、バンドだからね、ある程度は
好きな音色で構わないとは思う。しかし、これもVoの抜けに関して影響があるから、
気を付けよう。ドラムの金物も考えて使った方がいいね。ハットに行くのかライドに行くのか
でも大分、イメージが違うし、音を埋めたいならハットの方がいいだろうし、Voを目立たせ
たいなら控えめにしたほうがいいだろうし・・・。
メタル系の場合は、ある程度のフォーマットはあるな。これはレゲエやR&Rなんかと同じように
美学があるからね。まず迫力ある音作りからしなければいけない。ローからハイまである
厚いディストーションギター、ベースもしっかり低域を埋める固いローがあったほうがいい。
ドラムに至っては、スネアとキックは重要で、ここがヘナチョコだと話にならないし、
Voも声量がなくては務まらないね。ま、これが基本のフォーマットで、これを元に自分たちなりに
個性を出していけばいいと思うけどね。
そういえばV系もこんな音作りかね?チューニングは低かったりするかも知れないけど。
エアロスミスのようなハードロック系だと、もうちょっと自由度が上がって、クランチ系の
ギターの音もアリだし、ベースも自由度が上がる。メジャー進行の曲も作っていいし(笑)
メタル系はメジャー進行はご法度だからね(笑)
ファンクやR&B系は、やはりドラムとベースだけでしっかり躍らせるグルーブを出して、
その上でギターやボーカルが自由に遊べるようにした方がいいよね。
太い音のベースは必須。出来れば弦高はちょっと高めの方がイナたい感じが出て、
いいけど、低ければ低いでちょっとオシャレな雰囲気の音にはなるわな。
アコギ系は、音作りは自由度が高いけど、なかなか難しくて、プリアンプを通して、
低域と高域を強調したようなキラキラ・・ギャリギャリ・・シャリシャリ・・ボワボワ・・の
音も作れるし、リバーブも大げさにかけることも出来るけど、家やスタジオで小さ目の
音で音作りをした場合や、ヘッドフォンで音作りをすると、ライブハウスのPAスピーカーから
大きい音で再生したときに、やり過ぎの感が出てしまうときがある。
音が何倍も大きくなって再生されることを念頭に、プリアンプなどでの音作りは考えた方が
いい。またリバーブはPA卓でかけたほうがステレオでかかるので広がりがあり、若干綺麗
ではある。聴いてる人にはそこまでわからないかも知れないけど。
また指弾きとストロークの曲は音量差が大きいので、PA表に一言書いてあげると、
PAさんも心構えが出来て楽だと思うよ。
音作りに自信がなければ、そのままの音を出して、PAさんに頼めばいいね。
固い音にしたい(ドンシャリ気味)・・とか、温かく柔らかめの音がいい・・・とか。ま、何も
言わなくても適切な音にしてくれるから大丈夫。俺のモットーはアーティストが出したい音を
尊重するので、よっぽど気にならない限り、大きくEQをいじって音色を変えてしまうことは
ない。自分の好みで音は作らないよ。気になる帯域は少し削る・・・くらいはさせてもらうことも
あるけど。ホラ、お客さんの耳に痛い帯域が多く出てるときもあるからさ。
アコギは一本一本、凄く音が違うからね。
そうそう、マイク録りももちろん可能だけど、モニターは大きく返せないね。
ステージの立ち位置上、PAスピーカーもあまり音量を上げられないかもね。どうしても
そのマイクが外音を拾う可能性があるのでね。音色に関してはいいかも知れないけど、
音量に関しては不利だ。