梅雨明けの待たれる日々の夕暮れにつつましやかに合歓の花咲く
子どものころ祖母が言っていた。
「合歓が咲くと梅雨が明ける」と。
先日、梅雨の晴れ間に、休暇村越前三国へ出かけた。広
い敷地には合歓の木があり、つつましやかに花を咲かせて
いた。先年、山陰線沿線をひとり旅したとき、鳥取と島
根の県境辺りの山あいに咲く合歓を見たことも懐かしく想
い出される 鳥海昭子さんがこんな歌を詠んでいる。
高野山裏山道をくだりしは合歓の葉ねむる頃合なりきそして、「日暮れとともに眠るように閉じる葉と明かりを
ともにするような淡いピンクの花が印象的です。高野山で
目にしたネム すでに葉を閉じてしまいました。」 と記
している。
ネムの花言葉は、「胸のときめき」とか「歓喜」だというが、 私には「胸のときめき」がピンと来そうだ。
山頭火の句に、
合歓の花おもひでが夢のやうに がある。
山頭火にしてこのような句を残している。彼の脳裡を過る
「おもひで」は如何に。
あたたかき心を添えて届きたる紅白の桃甘く香りぬ
最近、あまり体調が整わずにいる。この秋は講演や研修が入っている。内容や原稿を考えなければならない
のだが、なかなか調子が出ない。つい、だらだらと過ごしてしまう。
そんなきょう、うれしいプレゼントが届いた。まるで私の体調を見抜かれているように。まずは、お仏壇に
お供えして後、冷やして戴いた。まさに絶品であった。美味しいものを戴けることはハッピーだ。
毎年この時期にフルーツをプレゼントして下さる贈り主に感謝しながら。
斎藤茂吉の歌に
ただひとつ惜しみて置きし白桃のゆたけきを吾は食ひをはりけり がある。
茂吉は白桃(歌はたぶん「しろもも」と読ませると思う)が好きだった。歌集にも「白桃」がある。私の亡
き母も桃が好物だった。生前にもっと沢山と食べさせてあげたらよかったとしみじみ。
母は短歌は茂吉に傾倒、アララギ派の流れを汲んでいた。長年、斎藤茂吉記念館の茂吉追悼歌集には毎年投
稿していた。繙いて見ると涙が滲む。私の歌など足元にも及ばない。
きょうは北陸も梅雨明けしたようだ。いよいよ本格的な夏に向かう。
梅雨あけて早秋彼岸待ちており yo-サン 即興拙詠
末筆ながら、緩慢な更新の拙ブログにメッセージを頂戴致しまして痛み入ります。
個別にお返事をと存じながら失礼ばかりで申し訳ありません。
もう少しパワーがつきましたら、ご発信元のメルアドを頂けたお方にお返事などさせて頂きます。
どうぞご寛容に。 それでは今宵これにて。