名の如く霄(そら)を凌ぎてあかあかと花咲きており夏の日高し
以前にも凌霄花(ノーゼンカズラ)について書いたことがあるが、この花は特に好きという訳ではないが、何だか懐かしい思いがする花である。
もう微かな記憶なのだが、昔、たぶん中・高校生の頃に読んだ短編、山本周五郎の「凌霄花」が、そのある種の懐かしさのルーツのようだ。
周五郎得意の武家物語だが、城代家老の一人息子と、城下の富裕な呉服商の一人娘の切ない恋の物語だったかな。その恋はともかくとして、二人が天神山?に凌霄花の花が咲くとき、その下での忍び合いを繰り返し描いている。
その後、その物語のことなど思い出すことはなかった。ここでも何度か書いているが、その昔、今は亡きヒトリシズカの君に植物園や野山を案内して頂いたことがある。たしか加賀方面だったと思うが、山際に咲く大きなノウゼンカズラがあった。彼女は「ノーゼンカズラですよ」と指差した。その時、何となく甘酸っぱい初恋のような雰囲気が漂った。そして例の短編のことが蘇ってきた。(画像は福井市で)
<閑話休題>
北よりのメロン届きぬ去年の如
前回も記したが、体調の整わないときは好物のフルーツがカンフルだ。今年もまた空輸の富良野メロンが届いた。
宅配の人徐にメロン置く
配達のS便さんには沢山の社員さんがおられるが、今年も昨年と同じ方であった。「今年も来ましたね」と言って大事そうに勝手口の上がり框にそっと置いてくれた。1週間の追熟を待って戴いた。寺坂農園さんの逸品のメロンだ。さすがに美味しい。好物はと訊かれると「メロン、メロンパン、メロンジュース」と答える私。お陰で元気を取り戻した。そっと手を合わせ贈り主に感謝している。
何となく銀の匙など取り出してメロンを掬うひとり居の夏
お見舞いメッセージなど感謝申し上げます。只今、9月からの研修や講演の準備を始めました。
yo-サンの近況・心境でした。今宵これにて。