ようやく読み終わったV.E.フランクル/F.クロイツナー著「宿命を超えて、自己を超えて」(春秋社)に「医原神経症」「精神医原神経症」と呼んでいる現象のことが書かれてありました。(本の183ページにあります。)
引用すると
"医師や精神科医が、実存的欲求不満を強めることに加担しているような症例のことである。人間以下のモデルを患者に示すことにより、精神療法が、いやおうなしに洗脳に、それも還元主義の洗脳になってしまう症例もあるのである。"
上記二つのキーワードで検索すると、「医原病」という言葉がネットのブリタニカ百科事典に出ていました。
うつ病なり、発達障害と呼ばれることであり、あるいは犯罪行為とか、または糖尿病とか。克服は難易度を伴うも、それらが「ずっとその状態でとどまるしかない」という決めつけはまさに、「医原病」「医原性疾患」「医原神経症」「精神医原神経症」という、フランクル流でいうところのニヒリズム・虚無感・還元主義なのだと考えます。
医師なり専門家なりの言葉と行為には重さがあるのですが、専門家の不適切な言動により病気になるということがすでに百年前から言われています。
こういう還元主義の主張をされる精神科医や臨床心理学者は大変大勢います。かれらの立っていこころ、そのものです。
フランクル先生の著書を通して、この「還元主義」の問題と、それへの対抗策を、今後書いていきたいと思います。