星・宙・標石・之波太(しばた)

星、宇宙、標石、之波太(しばた:柴田)をこよなく愛するサイト。

人工流星とスターリンク衛星群

2019-12-19 23:17:18 | 
ももさんから次のコメントが寄せられました。

>2019-12-18 20:47:42
>管理人様
>こんばんわ、ももで~す。
>ネットで人工流星なんたらの記事を見ましたが。
>言語道断だと思います。
>綺麗だとか、商業利用とか止めてほしいものです。
>超高層大気環境の保全という意味合いも含めて。
>管理人様はどう思いますか?

人工流星について調べたところ

>ALEが作る「人工流れ星」とはどんな流れ星なのだろう?そもそも天然の流れ星とは数mm~数cmの
>宇宙の塵が秒速十数km以上の超高速で大気圏に飛び込み、発光するもの。
>光るのは数秒以下(だから願い事は3回言うのは至難の業だ)。
>一方、ALE-2に搭載されている「流れ星の元」はビー玉大(直径約1cm)の金属の粒×400個。
>素材を変えることでピンク、グリーン、白、オレンジ、ブルーの五色の流れ星が5~10秒間流れると
>見られている。しかも明るさはマイナス一等級。全天一明るいシリウスと同等の明るさだから、
>ネオンが輝く都会の夜空でも見逃すことはない。




管理人は、
超高層大気環境の保全の観点からは、ビー玉大(直径1cm)程度では、ほとんど影響がないと思っています。
もっと大きなもの(約30cmのカプセル)が来年12月オーストラリア上空に現われます。(はやぶさ2です)
宇宙ステーション補給機(こうのとり)は、大型バス程度の大きさで、大気圏で燃え尽きるようになっています。
H-2Aロケット第2段は、直径4m長さ10m重さ20トンあり、これも大気圏再突入させています。
人工衛星は、毎日落下しています。
超高層大気環境が著しく悪化したと聞いたことがありません。

言語道断は、天文愛好者のエゴではと思います。

天文愛好者、天文研究者がもっと声を大にしなければならないのが、
スターリンク衛星群ではないでしょう。

天文教育研究会メーリングリストに流れた記事から
スターリンク衛星群は、私自身、最初の60個打ち上げ直後(5月25日夜)に 偶然目撃し、初めて見る
光景に驚きました。初めは人工衛星の落下かと 思いましたが(見た目が はやぶさの帰還(大気圏突入)
に似ていた)、 その夜の帰宅後にネット検索したところ、スターリンク衛星群であると知りました。
その直後から、天文台が銀河を撮影中の画像に数本の光跡が残る象徴的な画像が 大きな話題になりました。
天文愛好家からは、新たな光害として問題視されています。
一方、天文学者にとっては、さらに大きな懸念案件と思います。
電波天文学者にとっては、観測機器を壊す事態になろうと思います。
以前TVで見たのですが、電波天文学者は目標天体を観測する際、 人工衛星の予報を確認して、電波を
発する衛星が通過する時間帯を避けて 観測するのだそうです。
軌道を変更した際にはそれを連絡する体制もあるとか。 ところがスターリンク衛星群は軌道変更した
際にその連絡をする体勢になっていません。 天文学者が高感度機器で電波天体の微弱な電波を測定中に、
突然軌道を変えた 通信衛星が写野を通ると、受信装置が故障する懸念があります。
また、現在運用されている人工衛星6500個に対して、これから1万個以上も打ち上げると いうのに、
他の衛星と軌道が交差して衝突の危機がある時に、どちらかの衛星が 軌道を変更しないといけません。
今年、実際にESAの衛星とスターリンク衛星の 衝突が懸念する事態が起こりました。
ESAはスペースX社に軌道変更を求めましたが スペースXはそれに応じず、ESA側が衛星の軌道を変えた
事件がありました。
これらの懸念から、天文学者が共同声明として、膨大な数の衛星コンステレーション計画に 反対を表明し、
発表しています。すでに何回も。 しかしスペースX側は、アメリカの通信委員会(?)に許可を得たとして、
計画を進めています。 さらに、他にもインターネットコンステレーションを企画している企業があります。
ここまでくると、国連で宇宙法(COPUOS)で規制をかけないといけませんね。
そうした動きになって欲しいものですが、どこの誰が国連に議案として出すのだろう?