蕃神義雄 部族民通信

レヴィストロース著作悲しき熱帯、神話学4部作を紹介している。

女王の虹、安倍氏国葬、未開の思想

2022年09月27日 | 小説
(2022年9月27日)連合王国(United Kingdom) のウェールズ王女(プリンセスオブウェールズ)殿下キャサリン妃にあられ「女王(エリザベス女王)崩御の翌日、バルモラル城で虹が目撃されたことについて、女王陛下が私達を見守ってくれた」と発言なされた(ネットMSNニュースから、9月26日)。王室の一員にありこの感想もさもありなんと部族民は感慨を抱いたと同時に、やはりこうした感覚をお持ちなのか、貴顕にしても感性の根底には「具体科学」(人が新石器革命で培った)が居残るのだと、念を新たにした次第です。
新石器革命、具体科学...はレヴィストロース(哲学、人類学、2009年没)が著書 Pensée Sauvage 野生の思考で展開した未開文明論の基盤をなす思考です。
部族民通信はYoutubeに「野生の思考、具体科学」を投稿しています。動画リンクは
https://youtu.be/cu_LgAaiO0w
またホームサイトでは http://tribesman.net/2020.html (2020年のHP, 下欄の野生の思考をクリック)
皆様には時間余裕のない方も多いかと、そこで動画で用いたスライドを投稿すると





具体科学とは「モノをモノ」と結びつける人の原初の思考システムです。近代人はその哲学を魔術、幾分蔑みます。それは「非科学的」だから。しかし近代科学の勃興(コペルニクス以降)以前は、人は「モノとモノを結びつける」以外の考え方をとっていなかった。1万5千年間、人の心に染み付いた紐付け理論です。両者を見比べると;
近代科学の説明では:虹の発生は、大気に水蒸気が充満しそこに太陽光が差し込むと、蒸気がプリズム効果を起こして7色の虹を空中に掛けるーのであって故女王とは無関係。こんな味も素っ気もない説明が湧き出てくる。
具体科学では「女王の国民を思う御心」「国民の女王を慕う追慕」が崩御のすぐの後、バルモラ城で重なり合った(モノとモノとの紐付け)。「女王が私達を見守ってくれた」(キャサリン妃)と心温まる解釈が浮き上がってくる。

レヴィストロースは「近代科学万能の今でも、具体科学の思考は人の心に残る」と諭しています。その例を王女妃の言葉で知った昨日でした。

本日(9月27日)は安倍元首相の国葬。反対の過激行動を心配する一人ですが、なぜ左派はこのように(反対同盟を急遽結成し、署名まで集めたとか)行動を先鋭化するのか。これも具体科学で説明できます。反対派は「安倍氏の功績と国民の尊敬が国葬空間で紐付けられる」を妨害している。彼ら「未開」頭のなせる強制なのです。反対する人へ、「未開」のままにとどまってくれ。決して「野蛮」にまで踏み込まないをひたすら願う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする