(2024年10月13日)
Youtubeのアドレスは https://youtu.be/3kxLZLB2rOM (第4回否定は限定否定)
ヘーゲル弁証法は作用反作用、統合の仕掛けで、これを繰り返し進展する。1801年、ヘーゲル最初期(おそらく)の本書では弁証法の言葉は出現しない。しかしその概念が弁証法に酷似するexpérience経験なる語が重要な役割を占める。訳者のHyppoliteは経験を弁証法と捉えて良しとしている。では源初ヘーゲル弁証法、経験弁証法(Dialectique d’expérience)とは。 反作用に当たる言葉はnégation否定。この否定の様が限定的 « négation déterminée » であるとHyppoliteが指摘する。限定とはどのような否定か。ここで懐疑主義の否定をやり玉に挙げる。それは全面否定で、否定の後には己身の置き場すらない否定だと。Hyppoliteはデカルトも同じ穴のムジナじゃ(ムジナは出してないがそれに近い言質でひっくるめている)。 一方、ヘーゲル弁証法では部分否定をもっぱらとする。否定しても主体(悟性)は客体(否定された概念)とのつながりを残す。だから弁証法の次段階(moment節目)を形成できる。それ故に経験弁証法は「方向性完結性を具有するのだ」すなわち絶対知を捉えるに至るのじゃ。ヘーゲルの(今様の言葉)ドヤ顔が目に浮かぶ。 経験弁証法が方向性完結性を持つとは、そこ弁証過程には理性が支配していると言える。悟性も知も現象の野で影になってしまっているはずなのに、理性はどこから来るのか。ここでチョー天才のヘーゲル先生が持ち出したのは « conscience naturelle » 自然悟性。理性も悟性も知だって、現象の野に入ったら実在(en-soi , pour-soi)を失い現象、phénoménal、に果てる。しかし悟性に限って « conscience naturelle » 自然の悟性、現象の野に入る前の悟性に立ち戻り、否定を限定に、方向性を絶対知に向かわせるのであると。この理性に制御された弁証法の道のりは « effectivement réel » 実効的な実際だともヘーゲル先生は教えてくれます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/2e/7d/a6735f85ad885995e40f95377e905dca_s.jpg)
限定否定が弁証法を保証する
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/7d/a6735f85ad885995e40f95377e905dca.jpg)
過去ヘーゲル現象学youtube動画の住所
ヘーゲル精神現象学の0回(全体の紹介) https://youtu.be/5JzC6p1e9B4
同第1回動画リンク ヒトは現象の影で考える、現象である限り絶対にたどり着かない https://youtu.be/r1XfTUO7ohA
第2回リンク ヘーゲルはオソレを語る。無力の個が絶対を前にする心構え https://youtu.be/dfvH5yAa0Zg
第3回 動画リンクは 動画リンク https://youtu.be/6sJEZTUqBbg https://youtu.be/dfvH5yAa0Zg 部族民通信のSNS活動 ブログアドレス
gooブログ https://blog.goo.ne.jp/tribesman
ホームページアドレスはwww.tribesman.net PDF(Youtube でのプレゼンパワーポイントをPDF化している)
Youtube動画をサイト内に貼り付けている
XTwitterに参加 部族民通信@9pccwVtW6e3J3AF