芥川(伊勢物語)図目貫
芥川(伊勢物語)図目貫
家柄の異なる男女が恋に落ちた。現状では結ばれぬと思って二人は逃避行。とある闇夜のことであった。だがすぐさま追手が組織される。芦原を夜陰に紛れて歩くも女の足では知れたもの。とある小屋に身を潜めたが、遂に見つかってしまった。名流藤原家の女は連れ去られ、男は野に放たれた。女は鬼に食い殺されてしまったということにして。宮中へ上がるはずであった女が駆け落ちしたとあっては問題であったろう。
いずれの時代においても似たような出来事が起きている。ただ、当時は鬼が存在すると考えられていたことを巧みに利用していた。女を連れ去った男は、口封じのために殺されても仕方がなかったが、この時代、人の恨みは鬼に変じて殺した者へと災禍が向けられると信じられていたことから、処罰も死刑はなかったとみてよい。
赤銅地容彫金色絵。女を背負う男が芦原をさまよい、そのあとには松明を手にした追手が・・・。
芥川(伊勢物語)図目貫
家柄の異なる男女が恋に落ちた。現状では結ばれぬと思って二人は逃避行。とある闇夜のことであった。だがすぐさま追手が組織される。芦原を夜陰に紛れて歩くも女の足では知れたもの。とある小屋に身を潜めたが、遂に見つかってしまった。名流藤原家の女は連れ去られ、男は野に放たれた。女は鬼に食い殺されてしまったということにして。宮中へ上がるはずであった女が駆け落ちしたとあっては問題であったろう。
いずれの時代においても似たような出来事が起きている。ただ、当時は鬼が存在すると考えられていたことを巧みに利用していた。女を連れ去った男は、口封じのために殺されても仕方がなかったが、この時代、人の恨みは鬼に変じて殺した者へと災禍が向けられると信じられていたことから、処罰も死刑はなかったとみてよい。
赤銅地容彫金色絵。女を背負う男が芦原をさまよい、そのあとには松明を手にした追手が・・・。