二雅図小柄 後藤誠意
二雅図小柄 後藤誠意(花押)
歳寒三友と同様に、冬の寒さに耐えて雅な風情を漂わせる植物を題とした例は多い。この二雅図もその一つ。誠意は後藤清乗の門人。幕末頃を活躍期とした名人の一人。この小柄は、同時代に隆盛した一琴風の甲鋤彫と平象嵌を組み合わせた梅と、裏面に片切彫で竹を彫り表わしている。これに鶯を添え、待ち遠しい春を演出している。古い様式になる文様化された風景図は、琳派の美意識でも良く知られているが、時代が下がっては、文様化された風景図ながら、江戸好みというべきであろうか、洒落た要素が組み入れられるようになった。背景の梨子地象嵌もそのような手法の一つ。
二雅図小柄 後藤誠意(花押)
歳寒三友と同様に、冬の寒さに耐えて雅な風情を漂わせる植物を題とした例は多い。この二雅図もその一つ。誠意は後藤清乗の門人。幕末頃を活躍期とした名人の一人。この小柄は、同時代に隆盛した一琴風の甲鋤彫と平象嵌を組み合わせた梅と、裏面に片切彫で竹を彫り表わしている。これに鶯を添え、待ち遠しい春を演出している。古い様式になる文様化された風景図は、琳派の美意識でも良く知られているが、時代が下がっては、文様化された風景図ながら、江戸好みというべきであろうか、洒落た要素が組み入れられるようになった。背景の梨子地象嵌もそのような手法の一つ。