鯉魚図鐔 甚吾
鯉魚図鐔 甚吾
肥後金工志水甚吾の得意とした鯉魚を主題とした作。甚吾もまた鉄地が持つ美観を工夫した工。鍛えの強い鉄地を強弱変化のある地面に仕上げ、大胆な構成で滝のぼりの鯉を彫り描いている。甚吾は、主題に猛禽であったり鶏であったり、普通に見かける動物を採り上げているが、この鉄地の中に組み込まれると、まったく別の生き物のように、何倍もの強い生命感を示す。奇をてらった絵画は多々あるが、金工において、ここまで心象的な表現、芸術的意識の発展が進んでいる点は驚きである。その下地として鉄の工夫がある。なんにしても地鉄の表情がいい。これも指先で楽しむ作品である。
鯉魚図鐔 甚吾
肥後金工志水甚吾の得意とした鯉魚を主題とした作。甚吾もまた鉄地が持つ美観を工夫した工。鍛えの強い鉄地を強弱変化のある地面に仕上げ、大胆な構成で滝のぼりの鯉を彫り描いている。甚吾は、主題に猛禽であったり鶏であったり、普通に見かける動物を採り上げているが、この鉄地の中に組み込まれると、まったく別の生き物のように、何倍もの強い生命感を示す。奇をてらった絵画は多々あるが、金工において、ここまで心象的な表現、芸術的意識の発展が進んでいる点は驚きである。その下地として鉄の工夫がある。なんにしても地鉄の表情がいい。これも指先で楽しむ作品である。