「なんて、俺は悪い先輩だったんだろう」と今思っているところです。が、最初の話をいたしまして、次の話も立て続けにしようかと、悪魔の囁きに負けてしまった酔漢でございます。そう、先ほど更新いたしましたブログの最後にありました「次の魔の手」の事をお話いたします。(これを話さないで一日暮らすのも。。。)
最初の話から半年後。やはり飲み会でございます。
仙台、とある居酒屋です。
「かんぱーーい。練習お疲れさま」
「練習の後のビールはうめぇっちゃ」と一気の飲み干す酔漢。
「おっつ、今日はうめぇそうな鮭あんなや」と取り皿に一切れ。
前の席には、みずま君、酔漢の隣には、にし君が座っております。(彼は酔漢が卒業するまで、いつも、隣の席でした)
次の公演の話などなど話題が盛り上がってまいりました。
「先輩、鮭旨いですね。奄美ではあんましないんですよね。やっぱし、北の魚ですもんね」と、にし君が、話をしております。と、その瞬間。前の席にいるみずま君と目が合った酔漢です。みずま君、ニヤってしております。
「酔漢。にしにさぁ、あの話しねぐてなんねぇど」
ヤバイ、心の準備が出来ていない。急に振るなよ!
「あの話って?」と、とぼける酔漢。
「ほれ、この前、電車(仙石線。みずま君、石巻。酔漢本塩釜。帰りは一緒になることがあるのでした)で話した『鮭』の話っちゃ」
何か、話ばしねぐてねぇなや。と考えておりました酔漢。ふと、先だってテレビでみたニュースを思い出したのでした。
「にし君、鮭ってさぁ、海から川さぁ上っとこを、捕るのは知ってちゃなや」
「テレビでみたことはありますけど」
「んで、話は、早ぇっちゃ。んで、もう一つ、長良川でどうやって鮎ば捕っか、知ってか?」
「それは、知ってますよ、鳥の『鵜』を使って、捕るんですよね」
「んだっちゃ。長良川の『鵜飼』は有名だべ」
「それと鮭と関係あるんですか?」
「おおあり!なのっしゃ。な、みずま」
「んだ、この前、雑誌さぁ載ってたおんな」
「長良川の鵜飼は、鵜ば操って、その口の中に鮎ば入れてから船さぁあげっちゃ。そいずは、にしも知ってぺ。北海道では、アイヌの伝説的漁法があってや」
「伝説的漁法って?」
「野生のひぐまは、川さぁ上ってくる鮭を、手で引っ掛けて、川岸にほおり投げっちゃ」
「よく野生のなんとかでテレビで見ますよね」
「そう、それだっちゃ。その昔、アイヌでは鵜飼とおなじ様に、『くま飼』っていうのがあったのっしゃ」
「どういうことですか?」
「鮭ば捕る、熊の習性を利用してや。熊を飼いならして、鮭ば捕らせるんだと。ひぐまを、ちゃっけい頃から手なずけて、人の言う事聞くようにしてや、慣れてきたら、川さぁ入れて、鮭ば取らせるんだとや。川岸さぁほうり投がった鮭を、今度は人が頂くって漁法っしゃ」
「んでも、熊の爪で鮭に傷がつかないんですか?」
「にし、こいずは、いい質問だべ。鮭に傷がつかねぇように、熊の爪ば丸く研がねぇくてなんねぇんだとや」
みずま、冴えてんでねぇか。
「もちろん、猿轡ば熊さぁして、丈夫なロープで熊の胴体を固定しての話っしゃ」
「すごい技ですよね」
「なんでも、名人級になっと、一人して3頭のひぐまを同時に操んだとや」
にし君、目を輝かせて(本当にごめんね!)聞いております。
「で、雑誌の中身はその漁法の紹介でなくて、北海道のひぐまセンターでこの『熊 飼』の漁法を復活させて、観光に役立てることが書いてあったのっしゃ。もうすぐ、見られるんでねぇか」
まったく、調子に乗ったみずま君(酔漢も同罪ですが)でした。
夏休みが終わり、また、みんなして揃う時期です。
部室の扉を開けました。
「よっつ!みんな久しぶり!」と、酔漢とみずま君。
「せんぱぁぁぁい!ひどいじゃないですかぁぁぁぁーーー」
「どうした、にし。何かあったか」
「『何かあった』じゃぁないですよぉ。夏休み前、先輩から聞いた『くま飼』の話、奄美に帰って、親戚に話したら。大笑いされましたよぉぉぉ」
「にし、ごめん。まさか本気にするとは、思わなかった!本当にすまん」
と平謝りの、酔漢とみずま君。
「でもね、『作り話』をあたかも『本当の話』のように演技したわけだから、酔漢君とみずま君も、やっぱり演劇人だよね」
おーーーっつと、天の助け。せっちゃんが女神に見える。助かった。と思った瞬間。
「ちょっとぉ。あまり、にし君からかうんじゃないの。彼に何かおごりなさいよ!」
「わかった、にし。『味よし』の味噌ラーメン。大盛りでいいか」
「えっ!本当ですか」
とたんに機嫌の直った、にし君でした。
僕らは、本当に悪い先輩です。
追伸
彼の名誉の為に。
奄美大島で、現在彼は、市の高齢者対策の仕事をしていると聞きました。酔漢の会社での同僚の細君が、奄美大島の出身でしたので、彼女から話を聞きました。かなり厳しい環境の中、彼は身体を張って頑張っております。
最初の話から半年後。やはり飲み会でございます。
仙台、とある居酒屋です。
「かんぱーーい。練習お疲れさま」
「練習の後のビールはうめぇっちゃ」と一気の飲み干す酔漢。
「おっつ、今日はうめぇそうな鮭あんなや」と取り皿に一切れ。
前の席には、みずま君、酔漢の隣には、にし君が座っております。(彼は酔漢が卒業するまで、いつも、隣の席でした)
次の公演の話などなど話題が盛り上がってまいりました。
「先輩、鮭旨いですね。奄美ではあんましないんですよね。やっぱし、北の魚ですもんね」と、にし君が、話をしております。と、その瞬間。前の席にいるみずま君と目が合った酔漢です。みずま君、ニヤってしております。
「酔漢。にしにさぁ、あの話しねぐてなんねぇど」
ヤバイ、心の準備が出来ていない。急に振るなよ!
「あの話って?」と、とぼける酔漢。
「ほれ、この前、電車(仙石線。みずま君、石巻。酔漢本塩釜。帰りは一緒になることがあるのでした)で話した『鮭』の話っちゃ」
何か、話ばしねぐてねぇなや。と考えておりました酔漢。ふと、先だってテレビでみたニュースを思い出したのでした。
「にし君、鮭ってさぁ、海から川さぁ上っとこを、捕るのは知ってちゃなや」
「テレビでみたことはありますけど」
「んで、話は、早ぇっちゃ。んで、もう一つ、長良川でどうやって鮎ば捕っか、知ってか?」
「それは、知ってますよ、鳥の『鵜』を使って、捕るんですよね」
「んだっちゃ。長良川の『鵜飼』は有名だべ」
「それと鮭と関係あるんですか?」
「おおあり!なのっしゃ。な、みずま」
「んだ、この前、雑誌さぁ載ってたおんな」
「長良川の鵜飼は、鵜ば操って、その口の中に鮎ば入れてから船さぁあげっちゃ。そいずは、にしも知ってぺ。北海道では、アイヌの伝説的漁法があってや」
「伝説的漁法って?」
「野生のひぐまは、川さぁ上ってくる鮭を、手で引っ掛けて、川岸にほおり投げっちゃ」
「よく野生のなんとかでテレビで見ますよね」
「そう、それだっちゃ。その昔、アイヌでは鵜飼とおなじ様に、『くま飼』っていうのがあったのっしゃ」
「どういうことですか?」
「鮭ば捕る、熊の習性を利用してや。熊を飼いならして、鮭ば捕らせるんだと。ひぐまを、ちゃっけい頃から手なずけて、人の言う事聞くようにしてや、慣れてきたら、川さぁ入れて、鮭ば取らせるんだとや。川岸さぁほうり投がった鮭を、今度は人が頂くって漁法っしゃ」
「んでも、熊の爪で鮭に傷がつかないんですか?」
「にし、こいずは、いい質問だべ。鮭に傷がつかねぇように、熊の爪ば丸く研がねぇくてなんねぇんだとや」
みずま、冴えてんでねぇか。
「もちろん、猿轡ば熊さぁして、丈夫なロープで熊の胴体を固定しての話っしゃ」
「すごい技ですよね」
「なんでも、名人級になっと、一人して3頭のひぐまを同時に操んだとや」
にし君、目を輝かせて(本当にごめんね!)聞いております。
「で、雑誌の中身はその漁法の紹介でなくて、北海道のひぐまセンターでこの『熊 飼』の漁法を復活させて、観光に役立てることが書いてあったのっしゃ。もうすぐ、見られるんでねぇか」
まったく、調子に乗ったみずま君(酔漢も同罪ですが)でした。
夏休みが終わり、また、みんなして揃う時期です。
部室の扉を開けました。
「よっつ!みんな久しぶり!」と、酔漢とみずま君。
「せんぱぁぁぁい!ひどいじゃないですかぁぁぁぁーーー」
「どうした、にし。何かあったか」
「『何かあった』じゃぁないですよぉ。夏休み前、先輩から聞いた『くま飼』の話、奄美に帰って、親戚に話したら。大笑いされましたよぉぉぉ」
「にし、ごめん。まさか本気にするとは、思わなかった!本当にすまん」
と平謝りの、酔漢とみずま君。
「でもね、『作り話』をあたかも『本当の話』のように演技したわけだから、酔漢君とみずま君も、やっぱり演劇人だよね」
おーーーっつと、天の助け。せっちゃんが女神に見える。助かった。と思った瞬間。
「ちょっとぉ。あまり、にし君からかうんじゃないの。彼に何かおごりなさいよ!」
「わかった、にし。『味よし』の味噌ラーメン。大盛りでいいか」
「えっ!本当ですか」
とたんに機嫌の直った、にし君でした。
僕らは、本当に悪い先輩です。
追伸
彼の名誉の為に。
奄美大島で、現在彼は、市の高齢者対策の仕事をしていると聞きました。酔漢の会社での同僚の細君が、奄美大島の出身でしたので、彼女から話を聞きました。かなり厳しい環境の中、彼は身体を張って頑張っております。
にし君「えいでマンタって先輩知ってます?」
「知ってるよ。いとまきえいのことだべ」
「そのマンタですが、空飛ぶって知ってました?」
「またぁ、うめぇこと言って。この前の仕返しなんだべ。なぁみずま」
「んだ。おめぇエイが空飛ぶかって」
「本当ですって、海からジャンプして、風に乗るようにして、100mくらい滑空するんですよぉ」
「またまたおめぇ、べっしゃりばりほいで!」
それから5年後。あるテレビ番組。
「マンタは空を飛ぶ!」
「なんだや、にし君、本当の事言ってたんだべ」
でも、空飛んでるマンタの真下からマンタを眺めてみたい。と思うこのごろでした。
同じホームルームの学生で或る男の下宿に集り、持ち寄りコンパをやった時のことです。みんなしていい加減酔いが回った頃を見計らって、中の一人に「そばつゆ」のオンザロックを「チンザノだ」と言って飲ませたら、そいつ、まにうけて飲みましたよ。
その部屋の主(そばつゆチンザノの被害者ではありません)の下宿は、入院患者を置かなくなった個人病院の病室を下宿に転用したものでした。天井が高く、玄関も、いかにも「戦前か終戦直後に建てられた病院の病室の入口」って感じでしたね。帰るときに玄関先ではたと思いつき、「暗くてお靴がわからないわ」って言ったら、そいつ、言いましたよ。電気のスイッチをつけながら、きっちり。「どうだ、明るくなったらう」って。
なかなかのファイトマンで、「春休みには前橋まで歩いて帰る」って、豪語してました。休み明けに聞いてみたら、常磐線沿いに水戸までは歩ったそうだよ。