酔漢のくだまき

半落語的エッセイ未満。
難しい事は抜き。
単に「くだまき」なのでございます。

招かれざる客って誰 「猫写真家」君の「ねこしゃしん」

2011-11-29 11:03:40 | 大学演劇部の頃の話
「舞台、本番の写真撮ってもいいか?」
「ストロボは勘弁だな。俺たちが驚く」
「驚くだけじゃいいけどな。酔漢あたり驚きすぎて台詞がすっ飛んでしまったら・・・・・」
「ありうるど!」
「なんだかなぁ・・・落語と違って芝居は・・自信ねぇっちゃ」

本番直前の僕らの会話。
「招かれざる客」は、くだまきの中では、第一幕が進行中です。
スター・クエッダー「猫写真家」君とローラ「みつえ」ちゃんの緊張感あふれる場面。
「大道具なんて、本番中はやることないんだしさ!写真撮って残しておいてやるよ」
と、いその君が当日持ってまいりましたのが自前の「キャノン」(型番失念)。
ズームレンズを装着させております。
本人異様に力が入っておりまして。
「フィルム白黒にした。やっぱりな、19世紀のイギリスの風景だしな」
「えがった!おらいの金髪が記録にのこらねぇべ」
と酔漢、少し安堵。
すかさず、せっちゃんのお言葉。
「酔漢君!本番直前で『宮城語禁止』だからね!」
と、釘を刺されてしまいました。

実際は、と言いますと。
殆ど、全員が白髪とか金髪にしておるわけです。
酔漢、どうも皮膚に癖があるらしくて、メイク担当の「ロコ」ちゃん、「ちえみ」ちゃんには、ご苦労をかけました。
「酔漢君ねぇ、どうして、少し経つと、メイクがくすむのよぉぉ」とのお叱りを頂戴いたします。
「俺だってしゃねぇっちゃ。こいずばりは、遺伝で・・ねぇかって・・・」
前半、一場面が終わりますと、すぐさま「メイク直し」をしなくてはならないのでした。

「あのさぁ、実は俺もカメラ持ってきてんだよね」
「猫写真家も?」
「ばかちょん・・・ってやつ・・だけど・・・さ」
と、彼が楽屋で見せてくれたのは、所謂「インスタントカメラ」ってやつで。
いその氏がすかさず「これって、フィルム何?」
「フィルム・・・さぁ・・気にしたことないもん!」
「あのさぁ、猫写真家ねぇ。舞台だよ。芝居の本番なんだぜ。普通のインスタントで役者が撮れるかぁぁ」
「ああ・・そうだよね。当然だなぁ」
「・・・・・・・・・・・」
「おまぇねぇ、カメラの事知らなさすぎぃぃ」と、やはり、いその君から突っ込まれております。

くだまきでは、途中の芝居の様子は、これからじっくり語ることとしますが、この本編、いきなり「招かれざる客」終了の場面と相成ります。
結局、いその君の撮影した写真はと申しますと。

「せんぱーーい。写真出来上がりましたかぁ?」
「出来たよ!見る!」
と学生食堂にメンバーが大勢集まっております。
それをのぞきこんだ、としお君とおおた君。声を揃えて。
「何んだよぉぉ。女の子の写真ばかりじゃないかぁ」
「おい、よく見ろよ!お前たちも写ってるじゃないか」
一緒に覗き込む酔漢。
「酔漢のは、ちょうど上半身アップ!よく写ってるだろ!」
なるほど、彼の解説を待つまでもなく。意外な出来にしばし呆然。
「これって・・・俺すか?」
「ジュリアン・ファラーだろ!お前の他に誰がいる?」
「んだっちゃ。確かに・・俺だ」
「先輩!それ先輩の落語にあった!なんだっけ?」
「さとみか。おめぇよく覚えてたっちゃなや『粗忽長屋』だべ」
「欲しい写真があったら、言ってよ。焼き増しするからさ」
数十枚ほどの写真をアルバムにして回覧させておりました。
ところが、後日。
「酔漢、お前5枚だったけ。じゃぁ250円な!」
「えっつ?料金が発生すんのすか?」
「昨日あげたのは、お前しか写ってなかったから、あれはただ。だけど後の5枚はまぁ、手数料は取ってないわけだし」
ちゃっかりしておりました。
ですが、女子メンバーには、全てただで配布した、いその君でした。
「あいずらしいべ!」
全員納得。
「猫写真家は・・例のインスタントで何か撮った?」
「ああ。あれ?何も・・・・暇がなかったぁぁ」
「そうだよな。猫写真家が写真をまめに撮るなんてぇ趣味はないわけだし・・」

以上、二十五年前の、僕らの結論。
二十五年も月日が経ちますと、世の中も大きく変わるというものでございまして・・。(落語のまくら風・・)

上記、写真。
これ「猫写真家」氏の作品。
(転用防止の為、右下に文字を入れてますが、当然、コンクール出品時にはございません)
今年の某大手カメラ機器メーカーが主催しましたフォトコンテストで入選した作品。
題は「ひとやすみ」

以前、「カラー魚拓の作品集」を「くだまき」でご紹介いたしております。
酔漢のくだまき 魚へ・・・誘う
これは、写真家としての彼の写真集でもございました。

そしてもう一つ。
これは、某カメラ販売店主催のフォトコンテスト入選作品。

「お前、今年は入賞がつづいているよなぁ」
と昨日電話での会話。
「まぁ偶然そこに被写体があった・・・それだけ・・」
「それって運があった?ってことか?」
「そうなんだよなぁ。何百枚、毎年応募していて入選しない人が多いし、(カメラメーカーの方は)応募作品が二万点だった」
「そんな才能があったかぁ?」
「俺も知らなかった」
本人も驚いている様子でした。
中学時代は、柔道部。
高校時代は、演劇部。空手と芝居と、不思議な両刀使いの「猫写真家」氏。
(有段者でございまして・・・)
まったく、才能とは、「この年で開花するものなのかや」とは凡人である酔漢の独り言でございました。

「写真って『ねこ』じゃないよな?」(冒頭の写真)
「えっ?ライオンってネコ科だよな。あながちねこから遠くは・・ない・・だろ!」
「俺のブログの『猫写真家』を『ライオン写真家』にでも変えるか?」
「んーーん・・でも『猫写真家』の方がごろがいいしぃぃ」

付録です。
シティラピッド君の作品。

彼のテリトリーは「鉄道写真」
そう言えば「ひー」さんのブログでは、SLがいっぱいでした。

塩竈は、「平間至」君、「峰岸」君。と若手の写真家がご活躍中。
「はるこ」(中村晴子氏)の作品は、今だ色あせることなく、すばらしいものがございました。
案外、「写真の街」なのかもしれません。

「猫写真家は塩竈さぁけえったのすか?」
「まだだっちゃ。仕事(某省庁におります)がいそがしぐてぇな」

電話の終わり、僕らは、神奈川と静岡とにありながら、少し「なまっていた」のでした。

追伸
本編にて、不適切と思われる表現がございましたので、遡りまして訂正させていただきました。
ご指摘を頂きました。
知らせ頂きました「すず」様へ、この場を借りまして御礼申し上げます。

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8 コメント

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近所です (丹治)
2011-11-29 15:49:37
峰岸君は近所です。
写真スタジオをお父様から引継ぎました。
時々、現像や焼き増しを頼みに行きます。
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丹治様へ (酔漢です)
2011-11-29 17:18:01
「猫写真家」君と「峰岸」君は三中の同級生。
いつかコラボしようという話になっております。
三小学区って、もしかしたら、写真の名門?
でしょうか。
先輩の山の写真もまた見せてくださいね。
返信する
そういえば・・・・・ (丹治)
2011-11-30 10:45:09
今回掲載のシティラピッド君の写真、
あれ、パソコン宛に添付ファイルで届いたものですね。
まだ保存してありますよ。
返信する
撮影者の目線が、感動のポイントです。 (すず)
2011-11-30 10:53:36
 まったくの素人感想ですが、写真を観るとき、まずは美しさに目が惹き付けられますが、最後はその方の「被写体に向ける目線」に感動します。
冒頭の「ねこしゃしん」も、メスライオンの可愛らしい仕草が、まさにねこみたい!という一瞬を切り取られた優れた感性こそが、写真家の条件だと勝手に思っています。技術ももちろんですが、塩竈の美しい風景を見て育った皆様ですから、やはりそれが一番の理由かと思います。

ところで、余計なお世話なんですが、(バカチョンカメラ)は今では禁止用語だと思うので、お気に障られる方がおられるかも。
返信する
丹治様へ (酔漢です)
2011-12-01 08:19:23
シティラピッド君の珍しい「野鳥」の写真。
くだまきでは実は3度目の掲載です。
我が家では、案外気に入っている作品でした。
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すず様へ (酔漢です)
2011-12-01 08:22:09
おしらせありがとうございます。
本編にて、訂正させていただきました。

社会人になってからの彼の趣味(本職?)となった写真です。
「猫のカレンダー」は常連のカメラマン。
「なして猫なのや?」
との質問に。
「なしてだべ?」との答え。
なんだか、猫には好かれそうな雰囲気はあるんです。
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写真紹介ありがとうございます (猫写真家)
2011-12-02 00:16:29
写真の紹介ありがとうございました。猫写真家を名乗っていますし、実際、猫写真家なのですが、仕事が忙しくてご近所写真しか撮れなかったりするので、動物大好きの私は必然的に犬猫写真家になってしまったのでした。ただ、写真家のテラウチマサトさんからは、「あえてオールランドプレーヤーを目指せ!」との助言を受けたので、オールランドに撮影できるようにと思っています。北海道写真協会にいた頃は、「女性と子供を撮らせたら日本一」とおだてられていたものですから、今でも、子供スナップは得意なようで、時々、フォトコンテストで入選したりします。猫写真については、来年のカレンダーでも超マイナーな猫カレンダーに採用されています。
金運は全くなくて、いつも懐はさみしい限りなのですが、入賞運というのがあるみたいです。昨年、ある研究発表に行けと職場でいわれて渋々、参加して、発表終えてとっとと帰ろうと電車に乗っていたら、事務局から携帯に電話があって、特別賞を授与するので、会場に戻ってくださいといわれてびっくり。(途中でトンズラしたのが、ばれていたのもびっくりしましたが・・・。)職場の同僚達も毎年、研究発表にいっているのに誰も受賞したことはなく、同僚達から「入賞運」恐るべしといわれました。ほんと運だけで、入賞させてもらっている状態なので、才能があるわけでもなく、いつも恐縮しています。フォトコンテストの入賞はともかくとして、写真はとても好きですし、人生を豊かにしてくれています。毎年、年2回ぐらいは写真展に参加しているのですが、猫写真中心の動物写真はとても好評です。それに子供スナップは親御さんに送ってあげるようにしているのですが、お返しに新米やお菓子や飲み物等が送られてくるので、とても喜んでくれているのがわかり、それで私も楽しくなります。ちなみに今、私が食べている新米も写真のお礼に送られてきたお米です。こういうのってセミプロというのかしらん?
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猫写真家様へ (酔漢です)
2011-12-02 18:07:07
塩竈のご両親がお元気な様子に安心いたしました。なるほど、コメントを拝読して、貴殿の裏話?が聞けたような気がいたします。
我が家の子供たちはもう「子供」ではなくなったので被写体にはなりません。
もっと早く貴殿に撮影していただければよかったと、これは後悔です。
うーーーん。
セミプロ?だったんですね!
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