酔漢のくだまき

半落語的エッセイ未満。
難しい事は抜き。
単に「くだまき」なのでございます。

芝居の話 エピソード1

2009-06-25 10:45:03 | 大学演劇部の頃の話
授業中です。隣には、わしあし君がおります。彼、塩竈は北浜に住んでおります。
ですから塩竈市立第二小学校では2年後輩。くしくも、丹治さん、酔漢が大変お世話になりました「宮崎ばっぱ」の教え子でもあります。
そこでばっぱの話を少し・・。
「先生、わしあし君知ってのすか?」
「けんちゃんね。覚えてる!あんたと話し合うんじゃないの?理屈っぽいところなんかそっくりだから!」
(あいつは何したんだ!)
「先生、そんなこと言ったってっしゃ。俺そんなに生意気だったすか?」
「当たり前じゃないの!黒板に方程式書く小学生がいるか!」
でした。
(ぐぅの根もでない⇒変な家庭教師の入れ知恵でした。そうそうその家庭教師の先生ですが、現在大蔵省税関の調査におりまして、相当偉くなっておりました。これには驚きました。あの人がぁぁぁ・・でした)
「けんちゃんはいきなり芥川龍之介なんか読んでいて、先生、ここの場面ってどうおもうのっしゃ?なんて聞いてくるませた小学生だったから、よぉぉぉく覚えている!」
丹治さん⇒酔漢⇒わしあし君。
系図です。
ですから、丹治さんと運命の出会い?をして、わしあし君ともその糸に引きずられた酔漢です。

東北福祉大キャンパス大教室です。
「酔漢さぁ、しばいやらねぇか?」
「しばいすか?落語が忙しくってっしゃ。とても芝居どこでねぇべさ」
「落語と一緒でもできんでねぇか?フォローすっからっしゃ」
何度も話はしました。酔漢芝居というと、脚本は読んでおりました。
「第三舞台」とか「天上桟敷」とか「唐十郎」とか。嫌いではなかったのですが、こと「自分自身が表現できるか」となりますと、どうしても落語的になってしまって、立ち位置すら判らないでいるわけです。
「今、かんの君が主宰でっしゃ。演劇部作っぺってなってっしゃ」
かんの氏登場。クロンシュタット様のご近所に住んでおります。笠神出身。
塩竈市立第三小学校から三中まではクロンシュタット様の後輩です。
「なんだや塩竈組ばかりでねぇかや」
そんなかんかで、演劇同好会が出来たのでした。
仙台は劇団「河鹿」に所属しております、かんの氏。彼が中心となって大学の変な奴ら?を、かたっぱしから集めていたのでした(おれもその中の一人すかや?)
おもせぇ連中の塊です。
ですから、飲み会はメチャクチャ。
そこから話を始めましょう。過去に語りましたこれもアーカイブです。
酔漢が大学3年時。後輩も多く入部いたしました。
今は、無名塾(無名塾11期生)「藤本喜久子」さんも酔漢の後輩でございます。
彼女、何故か当時のあだ名を「タミー」と言っておりました。今じゃあ、大女優だもんね。
酔漢、実は彼女から卒業式に色紙をいただきました。それには、こう書いてございます。
「私は先輩の占いによると、意外に平凡な人生をおくるといわれましたが、はたして本当にそうなるのでしょうか。10年後自分のやりたいことが出来るといいな」
と。何をおっしゃいますか。大変失礼なことを申し上げまして本当にごめんなさい。NHK中学生日記、そして映画の吹き替え等等、ご活躍、とてもうれしく思います。
彼女、演技することにかけては、天才的な勘の持ち主でございました。
さて、彼女の大学同期、にしくんの話を始めます。
演劇同好会。飲み会です。
冬の味覚がおいしい仙台でございます。
「酔漢先輩、『なまこ酢』ってなんですか?」
「何、おめぇ『なまこ』も知らねぇのか?」
「奄美の海には『なまこ』いるけど、青とか紫とかそんな色していて、とても食べられるようには見えなかったんですけど」
にしくんは、奄美大島から仙台の大学へ来たのでした。何故彼が仙台まで来たのかと申し上げますと「奄美市で福祉のプロを育てたい」との市の意向によって、仙台留学?をしているのでした。ですから、彼は優秀な大学生な訳です。
「んで、一つ注文してみっから、おめぇ食えねくても、俺好きだからっしゃ。大丈夫だっちゃ」小鉢が一つテーブルにやってまいりました。
「先輩、これがその『なまこ』ですか?」
「んだ、コリコリしていて旨めぇど。まず初体験だべ、食ったらいいっちゃ」
と、彼、箸でつまんで、目を閉じて口に入れました。
「なかなか歯ごたえがあって旨いもんですね」
「だべ。まぁ冬の味覚ってとこっしゃ」と酔漢。
そこに向いに座っていた、みずまくん(僕と同期生。石巻出身)が酔漢の顔をジーっと見ながら、こう話すのでした。
「酔漢、にしに、あの話さぁしねぐてねぇど」
「あのはなしって?何っしゃ?」
「ほれ、おらほさぁ伝わる『なまこの話』っしゃ」
おいおい、ここでいつもの奴始める気か?
そうなのです、彼一流の「ほら」、「かまし」の合図なのです。酔漢、こころの中では「ニヤッつと」笑うのでした。ですが、この瞬間まで「なまこ」からどう話を進めるのか、まだ、頭の中は整理がついておりません。
「みずま、例の『なまこ』の伝説か?」
「そうそう、例のなまこの伝説だべ。塩釜から石巻。いわゆる陸前地方に伝わる、なまこ伝説だべ」
酔漢、あることを思いつきました。結末を決めると、みずま君とアイコンタクトで話を進めます。
「まず、にし、なまこってどんな形してるか知ってっか?」
「知ってます。こうですよね」と、彼は、割り箸の袋を破き、ボールペンで絵を書きました。
「そうそう、んで話は早ぇっちゃ」
彼は興味深深な目つきで話を聞いております。
「この『なまこ』だけんど、実はある巨大生物の幼虫だって知ってたか?」
ほらの最初です。
「えっつ!うそ!そんな事初めて知りました」
「たぶんや、奄美のなまこもそうかもしゃねぇけんど、仙台のなまこは、そうなのっしゃ。んでも、それがどう成長するか、動物学会でも謎中の謎なのっしゃ」
「で酔漢先輩、どうなるんですか?」
「100年に一度、月夜の晩、まぁ満月だっちゃな。大潮の未明になまこが海から上がってくんのっしゃ。いいか、全部のなまこだべ。何千匹いっか解かんねぇっちゃ、遠めに見っと、岩が動いているように見えんだとっしゃ。それで、海から上がったなまこは、岩場や木に登るんだど。そこでしばらくじーーっとしたてたかと思うとや、いきなり、背中がパカーーッて割れてや、羽が出てくんだどや。そして、大きなセミか鳥みてぇになって空さぁ飛んで行くんだと」
「ドラゴンボールのセルみたいですよね」
(しまった、ネタがばれそうだ)そうです、話のネタはまさしくそれなのです。
目の前のみずま君は、もう腹を抱えて、涙流さんばかりに笑いをこらえています。
酔漢も話ながら、真顔を作れず、笑いがこみ上げてまいりました。
にしくんは?と言いますと、もう真剣な顔をして聞き続けております。
「先輩、それで、どこに向って飛んでいくんですか?」
「そこっしゃ。それが解んねぇのっしゃ。そいずが解ったら、『ネイチャー』の年間大賞もらえっぺ」
みずま君が続けます。
「でな、にし、そいずば見た奴はみんなして気が狂うんだど」
「見た人『みんな気が狂う』んだったら、どうして、話が残っているんですか?」
みずま、墓穴を掘る。
すかさず、酔漢「んだから、伝説なんだべや」→ナイスフォロー!
こうして、同好会恒例の飲み会が終わり、春休みの帰省にみんな帰っていきました。

翌春。「おっ、みんなお久しぶり」と酔漢、みずま君と部室に入りました。
にし君がおります。
「せんぱぁーーい。ひどいじゃぁないですかぁぁーー」と、にし君大声を上げております。
「どうした、にし!なんかあったか?」
「先輩のあの話、奄美で開かれた同窓会で話したんですよ。そしたら『おまえ、何、だませれてんだって』みんなから言われましたよぉぉ」
「おめぇ、本気で信じてたのか?」と僕らの方があっけに取られました。
「にし悪かった。あやまる。昼おごっからや」
「ほんとうですか?大盛りにしますよ」
機嫌の直ったにしくんでございました。
が、酔漢とみずま君は、また次の魔の手を考えているのでした。

万事この調子でもの事が進むのでした。
芝居の練習?
それはそれは体育会系並に厳しいものがございまして、本気で取り組みませんと、大変なことになるのです。

ですが・・・・これから先、この変な連中(何度もすみません)のエピソードが続きます。

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6 コメント

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お晩なりした (ひー)
2009-06-26 23:36:38
藤本喜久子さんでネットを検索しました。
大学を中退し無名塾で夢を成し遂げたのですね。
10年後の酔漢さん・・・夢は何なんでしょう。
夢があって羨ましい限りです。

なまこ伝説は、誰が最初に思いついたのでしょ?
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その時その場で・・・ (酔漢です)
2009-06-27 19:48:50
まったくその場です。
なんでそんなストーリーを思いついたのかさぇ、回りは爆笑でした・・・が・・・
にし君は本当に純情な男でした。
ね、ひーさん。
この話は塩竈では長老が長く語り継いでいる伝説なんでしょ。
そして、もう一つ・・・・
次回、また、語ります。
皆様ご容赦下さい・・
返信する
遅ぐなりしたぁ~ (ぐずら)
2009-06-28 00:31:26
しどぃ!!!
悪い先輩だごだぁ~
んでも、もぞこいがら、しずりだぐなんだよねぇ~~~♪
ちょされで思ったとおりのリアクションあっと、こでらんねおんねぇ!
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微熱がとれん! (クロンシュタット)
2009-06-29 05:33:42
どうもここのところ体調がすぐれません。
「ビールが飲みてぇー」度(究極のバロメータ)がかなりダウンしております。

大学時代のサークルの部室はキャンパスの裏門そばでした。
裏門のまん前には、どーんと酒屋がありました。
特大の貧乏人ぞろいの連中でしたから、飲み会はビールのキングボトル(って呼ぶのかなー)を買っての部室酒場でした。
でも後輩いびり?は・・・やってたか!
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ぐずら様へ (酔漢です)
2009-06-29 07:42:33
実はこれだけでは・・・
このコメントの前に更新しました。
まずはみてけらいん。
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クロンシュタット様へ (酔漢です)
2009-06-29 07:44:06
お体いかがでしょうか。
暑かったり、そうでなかったり、体調を維持するのに難儀いたします。
ご自愛下さい。

やはり、かわいい後輩には・・しずりたくなりますよね
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