酔漢のくだまき

半落語的エッセイ未満。
難しい事は抜き。
単に「くだまき」なのでございます。

故郷へ 初日。

2011-09-15 10:37:30 | ああ宮城県な話
9月9日から、遅い夏休みを取りました。五日間です。
今回は、案外やることが多くて、日々動き回っておりました。
盆には帰省できなかったので「父墓前へのお参り」「中学同期会」(同窓会ではなくて、僕らの学年だけの集まり)「11日慰霊祭への出席」「実家のあれやこれや・・」
いつもですと、前日(今回の場合は8日)に仕事を終えてから、新幹線乗車。と相成りますが、8日は、あいにくと、夜遅くまで仕事がありましてので、9日午前中の移動でした。
帰省しますと、必ず連絡を取りますのが、お二人。「丹治さん」と「従兄」でございます。
丹治さんは、「くだまき」読者諸氏にはもう有名人ですが。従兄は実は、「くだまき」にしております。
「サッカー編 あの頃の宮城は 1」ここで、登場するゴールキーパーが彼でございます。
(一部、本名となりますが、個人を特定するに至らないと判断し、本編のままご紹介いたします)
年は、酔漢より一つ上の彼。
何かと、一緒に行動することが多かった、互いの幼少時代でした。
さて、前日の電話、彼でした。
「酔漢ちゃん、いつ戻ってくんのっしゃ?」
「明日帰ぇっぺって思ってっしゃ」
「んで、うちさぁ来たらいいっちゃ。その代わり呑みてぇ酒あったら。そいづと一緒に」
「なんだや、申し訳ねぇなや。んで寄らさせてもらうからっしゃ」
でした。

新幹線車中。
「何、酒呑むべか・・・」と考えながら、相変わらず「チキン弁当」を頬張る酔漢。

あの、なして「チキン弁当」かと申しますと・・・ビールのおかずとなりますし、ごはん(チキンライス)は最後の〆として頂けるので、酒のみ酔漢には便利なお弁当なのです。

「仙台駅さぁ着いたらキメッペ」
とエスパル地下へ足を運びました。
丁度、地酒紹介のブースがありまして、そこで目撃したのが「浦霞」の半被を着た人が一人。
「仙台さぁ来て、地酒でもいいか」と結論。
そこへ向かいました。
「浦霞」はもちろん。白石「蔵王」。石巻「墨廼江」などもあって、「懐かしいすべ」と思いながらブースを一周しました。
「どうぞ、これなんかどうです」と、半被の御仁に声をかけられまして・・・。
「浦霞すか。この前は『山廃』頂いたっちゃ」
「浦霞はお飲みになるんですか?」
「おれ、だれ、塩竈だおん。浦霞は大ファンだっちゃ」
「大ファン・・」どころじゃないんだけんど・・・。
「これ、宮城限定販売なんです」
と紹介されましたのが、写真のお酒。
(写真を撮り忘れておりました。浦霞ホームページ「商品のご紹介」より抜粋しました。ご容赦下さいませ)
試飲をさせて頂いて、気に入りました。
「夏暑い日にはぴったりの口当たりでなぇすか」
「そうですね、夏の食材には合うと。そう思います」
酒を購入しました。
「ところで、社長は元気すか?」
「社長をご存知なんですか?」
「明日、合う事にはなってけんど・・・」
「社長はですね。今まだロンドンだと・・・えっ!では中学の同期の方・・ですか」
「んだよ!塩竈から一緒に通ってったっちゃ。んでロンドンからもどんのは、何時すか?」
「ロンドンすか!また忙しいなや」
「明日の午前中には帰る・・そう予定にはなってますが・」
彼も多忙なんだな。そう思って、ふと「時差ボケ」(失礼)であした俺たちと呑むのかや・・とふと考えておりましたら。
「あのぉ。お名前は?」
「名刺はねぇぐて申し訳ねぇすねぇ。『酔漢』と申します」
「『酔漢』さん・・ですか!あのぉ。どんな字お書きになるんですか?」(本名のでありまして・・酔漢ではないです・・)
と説明いたしましたら。
「家の嫁と同じでねぇすか。浜(七ヶ浜)さぁ縁ありますか」
「縁も何も、おらいのルーツだべ」
「じゃぁ嫁とは親戚かも・・」
「おそらくんだべ!花渕だったら間違いねぇべ」
「なんだや。こんなこともあるんですね」
「ところで、津波の被害は・・・」
「家、流されて・・仙台暮らしています」
言葉が出なかった酔漢でした。
「多分、おらいの事は奥さんの親戚さぁ聞いたらわかっと思うべさ。あんだ名刺ありすか?」
「すみません、名刺お渡し、しますね」
「んで、いただくからっしゃ」
そ、名刺をしまいかけますと・・。
「もう一人ですね『酔漢』って知ってるんですけど・・」
と彼が話してくれた「酔漢」さん。
「妹だっちゃ。あの『酔漢』の兄・・です」
「また、また驚きですね」
「だれ、おらいも、んだっちゃ。全く偶然なんだなや!こんなこともあるんだなや」
全く、驚きの連続です。
「奥さん、そして社長さぁよろしく言ってけさいん!」
「妹さんに『たく』は元気です。とお伝え下さい」(「くだまき」では彼を「たくさん」といたします)
「んで、本店さぁこんど寄からっしゃ」
と別れました。

従兄自宅。
「今回は『蔵の華』にしたっちゃ」
「こいづ、まだ呑んだことねぇおん。いただくべ」
と、彼のこさえた「鰹の刺身」と「蛸」を摘みながら談笑。
「今日、偶然なことあってっしゃ」
と上記の事を彼にお話いたしましたら・・・。
「そいづって・・・『たく』さん・・って言ってねがった?」と。
名刺を渡しますと。
にたぁぁぁと笑って携帯を取り出した従兄でございます。
どこかへ、お電話。相手はすぐに出ました。笑いながら話をする従兄氏でございます。
「おう、久しぶりだなや。サッカーまたやっぺ。ところで、今日エスパルで酒売ってたのすか?そこで『蔵の華』買った奴いたべ!」
どうやら電話の主も合点がいった様子。
「今、その酒呑んでるとこっしゃ!」
という事は・・・・
「えっつ!知り合いなのすか!」
と、電話を終えた従兄氏。
「なんだや酔漢ちゃん!偶然も偶然なんだやな!」
「知ってる人なのすか?」
「おれと一緒にシニアでサッカーチームが一緒なのっしゃ!」
頭の整理をします。
今日、偶然エスパルで酒買って、その酒を進めてくれた浦霞の「たくさん」は。
同期の部下で、妹の知り合いで、奥さんが酔漢の遠縁で、従兄と一緒のサッカーチーム。
「これだけの繋がりがありながら、今日初めて知った」酔漢でございます。
「世の中狭いなや!」
これで、また、人とのつながりを持てました。

二人して、一本を瞬く間に空けてしまいました。
彼との話は尽きず、その後の話もおもせぐて・・。
「旨い酒を交わしながら故郷の風にあたる」
至福の時間を過ごしました。

「蔵の華 純米吟醸浦霞」残暑厳しい故郷の夜にこれ以上のない旨さ。
その瓶のラベルを眺めながら、その酒を造った彼の事をふと考えた酔漢でした。
「明日、あいづは時差ボケ(またまた失礼)のまま会場さぁ来んだべ。でも、そうした時間でも同期会を大切にする奴なんだべな」
久しぶりに会う友人の顔顔を思い浮かべながら、「こまっつぁき」の実家へ戻った酔漢でした。


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4 コメント

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おかえりなさい (おんせんたまご)
2011-09-15 19:57:29
酔漢さん、おかえりなさい。
私も浦霞好きですよ~
宮城のお酒はどれも本当に美味しいですよね。
なんて、飲んべいみたいな事言っていますがすぐ真っ赤になります。

それにしても世の中は狭いものですね。
故郷での休暇をお楽しみくださいね。
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おんせんたまご様へ (酔漢です)
2011-09-16 07:24:30
残暑の厳しさに驚いて帰ってきました。
途中、一瞬ですが、物凄い雷雨があって、「真夏の天気だなぁ」と思いました。
二月発売の「生しぼり」が楽しみ。
塩竈の蔵も少しづつですが、復旧しているようでした。

本当に出会いの妙を感じました。
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偶然 (ひー )
2011-09-16 22:13:18
偶然の一言では、すみませんね。
こんなこともあるんですね。
絡まった紐をほどくようですね。
あ~おらも酒飲みでぐなった。

ぐずら何してっかな~

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ひー様へ (酔漢です)
2011-09-17 08:41:44
ぐずらさん。お元気でしょうか。
震災以来、お仕事が忙しいのかと思っております。
繋がりをやはり大切にしたいと、ここ最近、特に意識しております。
本当に偶然です。
この場にいることのできた自分。
面白いものです。
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