キャリアカウンセリングは(カウンセリングの源流でもあるのですが)20
世紀初頭に米マサチューセッツ州ボストンのフランク・パーソンズによる職業
指導運動によって始まったとされています。
当時のアメリカは産業革命によって社会環境が激変し、ヨーロッパ各地から
多くの移民も入ってきていました。
急激な経済成長と 人口の都市部への集中により 過密で劣悪な労働環境のな
か 個人の適性など考慮されることなく、従業員は機械的に仕事を割り振ら
れ、こなすだけでした。
しかし、それによって退職者が続出し生産も停滞しました。そこで人々を支
援し、このような事態を改善するために、「職業指導の父」といわれている
パーソンズが「丸い釘は丸い穴に」というスローガンのもと職業指導運動を起
こしたのです。
パーソンズはコーネルで工学を修めたのち、文筆業のかたわら教師、鉄道技
師として働き、弁護士、政治家、ソーシャルワーカー、大学の学長といった多
彩な経歴を持っています。彼はまた博愛と奉仕精神の持ち主で、困っている人
々の手助けとなることを何よりも喜びとしたそうです。
1905年 ボストンの恵まれない若者達に職業選択や就職のアドバイスを始
める。
1907年 職業指導事務所を設立し、翌年職業指導局を正式に開設し、
適材適所を理念とし、職業指導を行う。
1909年 「職業の選択」を執筆。
「 職業の選択(Choosing a Vocation)」 は、パーソンズが翌年に重い
病で亡くなるまでに残りの全精力を振り絞って執筆したキャリアカウンセリン
グの原典です。
その冒頭で次のような職業選択の要点を述べています。
①手当たり次第に探すのではなく、自分にふさわしい職業を選択するのが
望ましい。
②選択する時には、自分に正直、慎重に自己分析し、かつ指導をうけること。
③幅広く多くの職業分野を調べ、就きやすい職業や偶然みつけた仕事で妥協
しないこと。
④職業情報を有し研究している専門家の助言を受けることが望ましい。
⑤自己分析は紙に書き出すことが必要である。
今では当たり前のことのように思われる理論ですが、当時はどのように職業
を選ぶべきかの理論も、実践の助けとなるテストも、職業指導に関する専門書
などの情報源も一切無い時代です。当時では非常に画期的なこの理論は人々の
職業選択に大きく役立ったに違いありません。
そしてさらに賢明な職業選択に必要な次の3つの要素を挙げています。
①適性、能力、興味、希望、資源、限界およびそれらの原因を含めた自分自身
を明確に理解する。
②さまざまな職種に関して、有利な点、不利な点、成功に必要な条件、給与、
出世の見込み、将来性、保障などについて調べる。
③ ①②で把握した事柄の関連性に関しての合理的に推論する。
パーソンズはこの③の機能をカウンセリングと考え、そこに「職業指導カウンセラー
(Vocational Counnselor)」という言葉を用いました。ここではまだ「キャリア」という
言葉は用いられておらず、職業(Vocation)と表現されています。
これらは、現代もアメリカだけではなく世界中で、キャリア支援の実践的な指
針の基幹的理論として生き続けています。
キャリアカウンセリングの定義
1.アメリカNCDA(National Career Development Assotiation)
「個人がキャリアに関してもつ問題やコンフリクト(葛藤)の解決とともに、ライフ
キャリア上の役割と責任の明確化、キャリア計画、決定、その他のキャリア開発行動
に関する問題解決を個人又はグループカウンセリングによって支援することである」
2.キャリアマトリックス(総合的職業情報データベース)
「人がよりよい人生を送り、自分の望む生き方を実現すること、すなわち自己実現に向
かって努力することをカウンセリングを通じて支援すること。職業をめぐるさまざま
な場面において、相談者の意思を尊重しながら、適切な職表選択等が出来るように援
助する。傾聴、自己認識、必要な情報提供、意思決定を援助していく」
3.ハーとクレマー(1988)
「その大部分は、言語を通して行われる過程であり、その過程のなかで、カウン
セリングの専門家であるカウンセラーと、キャリアに関する何らかの問題を解決す
るために援助を求めているクライエントとが、ダイナミックに相互作用し、カウン
セラーは様々な心理的援助行動を通して、自己に責任をもつクライエントが自己理
解を深め、よい(建設的な)意思決定という形で行動をとれるようになるのを援助
することである」
すなわち、今日キャリアカウンセリングは、人生における職業・仕事の部分に主に焦点を当てるが、同時にその個人の生き方、生きがいをはじめとした人生全般(ライフキャリア)
を視野に入れたカウンセリングとして位置している。
また、キャリアカウンセリングは「治すカウンセリング」というよりも「育成・開発的カウンセリング」であり、個人をより動機づけ育成的な機能を有するカウンセリングとして位置づけられている。
宮城先生はキャリアカウンセリングの機能とその目的を総合的に次のようにまとめています
①ライフキャリアに関する正しい自己理解を促す。
②ライフキャリアデザイン、キャリアプランなどキャリア開発の支援を行う
③職業選択、キャリアの方向性の選択、意思決定の支援を行う
④キャリア目標達成にための戦略策定の支援を行う
⑤キャリアに関するさまざまな情報提供の支援を行う
⑥よりよい適応、個人の発達の支援を行う
⑦動機づけ、自尊感情の維持と向上の支援を行う
⑧キャリア不安・葛藤など情緒的問題解決の支援を行う
宮城まり子先生の定義
「何らかの適応上の問題に出会い、その解決や対応に困難を感じたとき、その解決に支援を必要とする個人(クライエント)とカウンセラーが面接をおこない、対話を通して言語的、非言語的コミュニケーションによって互いに影響を与え合い、問題の解決をはかる過程である」
大辞林
「専門的な手続きに基づく相談、またその技法。個人のもつ悩みや不安などの心理的もんだいについて話し合い、解決のために援助・助言を与えること。」
ウイキペディア
「依頼者の抱える問題・悩み等に対し専門的な知識や技術を用いて行われる相談・援助のこと」
社会労働環境の激変にともない、個人のキャリア自律へ向けたサポートを行う「キャリアカ
ウンセリング」に対するニーズが 近年非常に高まっています。
そこで今回から 駿河台出版社の「キャリアカウンセリング(執筆:法政大学宮城まりこ教
授)」をメインテキストとして勉強していきたいと思います。
キャリアカウンセリングとは「キャリア」と「カウンセリング」の2つの用語で合成された
概念ですが
①キャリア」という用語の解釈が多様であること
②「カウンセリング」の概念が不明確なこと
③カウンセラーの果たす機能が多様・広範囲なこと
等から一般的には十分な理解が得られていないのが現状です
そこでこれらを踏まえ
第一回目のテーマは「キャリアとは?」です
日頃何気なく使っている言葉ですが 明確には説明できない方が多いのではないでしょう
か?。
キャリアの語源は、車を引いて通るわだちの跡といわれ、狭義では「キャリアは職業、職
務、職位、履歴、進路」とし、広義では「キャリアは生涯・個人の人生とその生き方そのも
のとその表現のしかた」としています。
参考にキャリア研究大御所の代表的な定義をあげておきます
1.スーパーの最初の定義
「 ある個人の職業生活の過程における一連の職業、職務、職位 」
スーパーの晩年の再定義
「 生涯においてある個人が果たす一連の役割、およびその役割の組み合わせ 」
2・ハンセンの定義
「 相互に作用しあい影響しあう人生のさまざまな役割を包括する概念 」
3.シャインの定義
「 人の一生を通じての仕事、生涯を通じての人間の生き方とその表現のしかた 」
*マグレガー: X理論Y理論
X理論Y理論を否定する経営者は、腹がマグレガー(真っ黒いよ)
*マズロー: 5段階欲求階層説
5段階欲求階層説はしらないとマズかローね
*マックネア: POMS(質問紙法)
POMS(ポン酢)飲めって?うマックネア(旨くないよ)
*マレー、モーガン: TAT(投影法)、絵画・主題統覚検査
画廊で絵をたんと(TAT)見せても、売れてモーガン(儲かる)のはマレーだ
*ミード: 分化人類学者
ニューギニアの3つの部族を調べたら、ミード(三つ巴)だ
*メイヨー、レスリスバーガー: 人間関係論(ホーソン実験)
レスリスバーガー(リス肉のハンバーガー)食べてうメイヨーって言ったら、ホーソンなこと(よくそんなこと)
言えるなって、動物好きの彼女との人間関係が壊れた
*モレノ: サイコドラマ(心理劇)
最高のドラマを制作するんで、準備にモレノ無いように
*ユング: 類型論(8タイプ)、人生の午後
人生の午後(40歳から始まる中年期)はユング(ゆっく)りと過ごしたい
*ラザルス: 8つのストレスコーピング(ストレス対処能力)
いラザルストレスは8つのコーピングで撃退
*レヴィン:青年期8つの特徴、青年は周辺人
迷いが多い時期だ、周辺人にレヴィン(憐憫)を
*レビンソン: 中年の危機
たとえ無人島でも、レビンソンクルーソーに中年の危機はあった
*ローゼンツヴァイク: 欲求不満耐性、PFスタディ
欲求不満に耐えるには、いくらマナーが悪いと言われても、ローゼンツバイク(当然唾をいくらでも)
PF(ペット)はくしかない
*ロールシャッハ: ロールシャッハテスト
ロールキャベツのしみがシャッハ(シャツ)についた
*ロジャーズ: 来談者中心療法
来談者中心療法の先生はどこ? そこのロジャーズ(路地です)
*ハーズバーグ: 動機付け・衛生要因
ハーズバーグ(ハンバーグ)は動悸が静まってから、衛生にも注意して食べなさい
*パーソンズ: 人と仕事のマッチング
職業選択はパーソンズ(人)と仕事との適合をよく考えなさい
*パールズ: ゲシュタルト療法(投影法)
パールズ(真珠)を盗んだゲシュタルト(下手人)は誰だ?
*バーン: 交流分析
いくら交流でも濡れた手で触ればバーンと電流が流れるよ!
*ハヴィスガースト: 職業的発達課題
ハヴィガースト(歯鼻が素と)は・・・それが君のモデルとしての職業的発達課題だ
*ハザウェイ、マッキンリー: MMPI(質問紙法)
マッキンリーの山頂でモンブランとムースのパイ(MMPI)を食べたら、ハザウェイ(歯が浮い)た
*パブロフ: レスポンデント条件付け
なんとパブのロフトにレス(です)よすっポンをデントおかせろなんてそんな
*バンデュラ: 社会学的構造理論(環境重視)
環境重視で車を買うなら、セダンじゃなくてバンデュラ(バンだろう)
*ビアーズ: 精神衛生運動
精神衛生上カウンセラーにビアーズ(ピアス)はまずい
*ビネー、シモン: 知能検査の開発
知能検査の代わりにシモン(指紋)採っただと、そりゃわビネーと(詫びないと)
*フランクル: 実存分析(ロゴセラピー)
ロゴのセラ(6個の皿)の上にピーっと、フランクル(フランクフルト)とは実存感ありまくり
*ブリックス、マイヤーズ: MBTI(質問紙法)
まぶし(MBTI)くて、ブリックス(びっくりしたけれども)、マイヤーズ(まあいいや)
*フロイト: 精神分析理論
精神分析の先生はどこ? フロイトる(風呂に行ってる)
*ブロード: テクノストレス
テクノサウンドにはブロード(ビロード)の滑らかさは無い
*ブロードマン: CMI(質問紙法)
CMコンテストの1位はブロードウエイのマン画だ
*ホームズ: ライフイベント法
最大のライフイベントはホームズ(家の購入)だ
*ホランド: 心理学的構造理論、VPI職業興味検査
6類型論にあてはまらん人はほとんどホランド(おらんど)
*サイモンズ: 親の育児態度
親の育児はとかくめんどくサイモンズら
*ジェンセン: 環境閾値説(パーソナリティ)
ドラキュラは厳しい環境の中で生き血を吸うためにジェンセン(善戦)している
*シャイン: キャリアアンカー
シャインにキャリアアンカー(サラ金の借りはあるのか?)と聞く社長
*シュテルン: 輻輳説(パーソナリティ)
遺伝と環境は輻輳シュテルンだよなー
*シュルツ: 自律訓練法
自律のためにシュルツ(手術)を受けよう
*スーパー: キャリアレインボー
スーパーマリオは虹を見ながら発達する
*スキナー: オペラント(道具的)条件付け
スキナー(好きな)オペラの小道具を見るのが楽しみ
*セリエ: ストレス学説
仲買人はセリエ行くのがストレスだ
*セル、ナグパル: WHO SUBI(質問紙法)
年末セル(セール)でナグパル(殴られ)た、WHO(誰)がやったかやりスビ(SUBI)だ
*ソーンダイク: 教育測定運動、ハロー効果、オペラント(道具的)条件付け
ハロー、ソーンダイク(その大工)がオペラ座を測定しとるぞ
*ターマン: 知能指数(IQ)
この歳で知能検査なんかターマンないぜ
*ツアン: SDS(質問紙法)
SOSかと思ったら、一字違いかツアン(つまん)んない
*テイラー: 科学的管理法
科学的管理法なら知っテイラー
*デュセイ: エゴグラム(構造分析)、5つの自我状態
デュセイ(どうせい)ちゅうんじゃ、エゴグラいムずかしいものは無い
私も産業カウンセラー試験受験の際は人名の暗記に大変苦労しました。
そこで人名索引に沿って語呂合わせを作ってみました。これはあくまで旧版のもの
ですので 新たに加わった分については欠けているのですが これ以上改定版が
でると ますます価値がなくなるので 友人の勧めもありこのブログにて
お披露目しておきたいと思います。かなり苦しいこじつけ・駄じゃれもあるのですが
多少なりともお役にたてれば幸甚です。
*アイゼンク: 特性論
神経症的傾向があると、内向性・外向性どちらでも、アイゼンク
(愛・善・苦)の境地から逃れられない
*アイビイ: マイクロカウンセリング
マイクロソフト社の制服はアイビイルックとか
*アルダーファ: ERG理論
えらぐ(ERG)難しい理論がアルダーファー(ため息)
*アンダーソン: メーシー百貨店
名刺渡しても成果なし、アンダーソン(なんだー損)しちゃった
*ウオルピ: アサーション、系統的脱感作法
椅子にダッカンサ(どっこいしょ)と腰かけてアサーション(朝シャン)したら、なんと
ウオー、ルピ(ルビー)が洗面器に!
*エドワーズ: EPPS(質問紙法)
エドワーズ(江戸はずーっと)、エーペース(良いペース EPPS)の時代だった
*エリクソン: 「自我同一性」の獲得・確立、モラトリアム
青年期のモラトリアムはエリクソン(えらく損)だ
*エリス: 論理療法
エリスぐりの(選りすぐりの)論理
*オールポート: 成熟した人格(6つの基準)
成熟した6人の貴人に女性達はオールポート(全員ぽおっと)なった
*カーカフ: ヘルピング(折衷的カウンセリング)
ヘルプミー、期末試験はカーカフか(可か不可)だ
*キャッテル: 特性論(12の根源特性)
夜中の12時にこんなことキャッテル(やってられ)ないよ
*ギルフォード: Y-G性格検査、特性論
性格検査をあギルフォード(あきるほど)やるのはいかがなものか?
*ギンズバーク: 職業発達理論
ギンズバーグ(銀のバッグ)は錆が出ると、洗濯(職業選択)に10年かかる
*グラッサー: 現実療法
現実は厳しい。実技指導者の指摘が、グラッサーと胸に刺さる
*クルンボルツ: 社会学的構造理論(環境重視)
構造をX線で検査すると、このクルンボルツ(クラウンボツ→王冠は偽物)だ
*クレッチマー: 類型論(体型)
この俺様を体型で分けてクレッチマーってるんだ
*クレペリン: 内田クレペリン精神検査
内田さん、この一桁の足し算をやってクレペリン
*ゴールドバーグ:GHQ(質問紙法)
犯人がゴールドバーグ(GHQ→黄金のハンドバック)を盗んだことを自白した
*コスタ、マックレー: 5因子論(特性論の現在の定説)
マックレー(真っ黒い)碁石(5因子)をコスタ(擦った)ら指紋で犯人の特性が明らかになった
*ゴットシャルト: 層理論(パーソナリティ)
ゴットシャルト(神のしゃれ)はそう うまくない
*コッホ: バウムテスト(投影法)
バリュウム飲んだら、コッホとせきが出た