TULIP DIARY

届くといいな やさしい風に乗って

君の膵臓をたべたい

2017年09月04日 | 映画鑑賞日記
土曜日梅田の映画館で欲張って1日2本見たのですが、2本目は『君の膵臓をたべたい』を観賞しました。この映画は今年の本屋大賞2位になった住野よる著『君の膵臓をたべたい』の青春小説の映画化作品です。原作は読んでいませんが、若い世代に人気のキミスイがどのような映画になっているんだろうと興味があって観賞しました。桜のシーンや主人公の二人が大宰府や博多の街を旅したときの映像などがとてもきれいでした。この映画は、膵臓の病気で余命1年を宣告されていたクラスメート「桜良」と彼女の病気のことを偶然知ってしまったクラスメート「僕」の高校生時代が主に描かれている映画ですが、12年後、母校の教師になった小栗旬さんが演じる「僕」の目線でストーリーは静かに穏やかに交錯しながら進んで行きました。「僕」と「桜良」の二人は図書委員をしていたので、高校の図書館のシーンがたくさん出てきていました。趣がある古めかしい図書館の閲覧室には蔵書がいっぱい並べてあって書庫にも公共図書館並の蔵書がいっぱい並んでいる独立館方式の図書館が舞台になっていました。岩波書店から出ている『星の王子さま』の本がこの映画では重要なキーポイントになっていました。また、日本十進分類法での分類番号がストーリーの中で重要なキーポイントになっていた映画は今まで一度も見たことがありませんでした。この映画は誰でもいつ死ぬかわからないということといつかは誰もが死ぬという事実を静かに受け止め、今生きているというその瞬間を精一杯生きていくことの大切さを暗に知らしめてくれるような映画でした。星の王子さまが語りかけた「大切なものは目に見えない。」という言葉の意味がこの映画が伝えたかったもうひとつのメッセージでもあったような気がしました。この映画は恋愛映画の範疇に入れるよりは生きていくことや人との繋がりの大切さをテーマにした青春映画だと感じました。主人公の高校生の年代よりはるか上の年齢の私が見てもいろいろな角度から考えさせられることが多かったと思います。住野よるさんの小説がなぜヒットするのかちょっとだけわかったような気になりました。桜良役の浜辺美波さんがすごくチャーミングで演技が上手かったのも印象に残りました。
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