書評『徳川時代の宗教』(R・N・ベラー) 5 2018-05-06 | 書評『徳川時代の宗教』(R・N・ベラー) (承前) 一方、本書はまさにその点で、日本人の勤勉のエートスを形づくったのが、日本宗教が営々と形成してきた中心価値体系にほかならなかったと、幾多の根拠を挙げて論証している。かくして、なぜ徳川時代に「文明としての江戸システム」が成立しえたのか、そして何がいかにして近代に連続したのか、鬼頭氏の歴史観ではブラックボックスとされていた歴史の動因が、本書によって初めて見えてくる。反対に、一九五〇年代の段階 . . . 本文を読む