書評『徳川時代の宗教』(R・N・ベラー) 7 2018-05-12 | 書評『徳川時代の宗教』(R・N・ベラー) 研究方法について(承前) ところで先に触れたように、本書では過去の日本人の中に生きていた内面的諸価値が値引きなく扱われている。つまり著者は人間にとっての価値の実在を疑ってはいない。今一つ押さえておきたいのは、価値相対主義が自明化した現代にあって、その点を再検討しなければ、本書の洞察の核心部分の理解を妨げられかねないことである。価値の存在が結局相対的で最終的に無意味な幻想にすぎないのなら、本書 . . . 本文を読む