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JFK暗殺事件の真相――オズワルド単独犯行説の虚構を暴く 48 コナリー知事夫妻の最重要証言

2018-10-27 | JFK暗殺事件について
(承前)

 (夫人の陳述)…三度めに聞こえた銃声は、使用済みの猟銃の弾が上から降りかかるように感じました。脳の組織や体の破片といったものが、車中に、私たち二人にも降りかかっていることは、もちろん私にもわかりました。


 The third shot that I heard I felt, it felt like spent buckshot falling all over us, and then, of course, I too could see that it was the matter, brain tissue, or whatever, just human matter, all over the car and both of us.

……

 スペクター氏:ケネディ大統領は銃撃の間に何かを言っていましたか?

 コナリー夫人:大統領は何も言いませんでした。まず思い出せるのは、ケネディ夫人が、最初の銃声のあとで「ジャック! 彼らが夫を殺した!」と言うのを聞いたことです。そして二度めの銃声が起こって、三度めの銃声のあとで彼女は「彼らは夫を殺した。彼の脳が私の手に…」と言い、それを何度も繰り返しました。それが会話の全てです。

 Mr.SPECTER. Did President Kennedy say anything at all after the shooting?
 Mrs.CONNALLY. He did not say anything. Mrs. Kennedy said, the first thing I recall her saying was, after the first shot, and I heard her say, "Jack, they have killed my husband," and then there was the second shot, and then after the third shot she said, "They have killed my husband. I have his brains in my hand," and she repeated that several times, and that was all the conversation.

……

 スペクター氏:(複数の)銃声の発生源(the source of the shots)については、どう感じましたか?
 
 コナリー夫人:そうですね、その高さ低さや、どこからのものだったのかは、私にはわかりません。それらの音はちょうど右側から来ました。私の右側で起こった音のようでした。

 スペクター氏:全部で何回聞きましたか?

 コナリー夫人:三回でした。

 スペクター氏:最初の銃声から最後の銃声まで、どのくらいの時間が経過したと考えておられますか?

 コナリー夫人:とても短い間隔です。私には、一発めと二発めの間隔は二発めと三発めとの間隔よりも短いと思われました。


 Mr. SPECTER. Mrs. Connally, what was your impression, if any, as to the source of the shots?
 Mrs. CONNALLY. Well, I had no thought of whether they were high or low or where. They just came from the right; sounded like they were to my right.
 Mr. SPECTER. How many did you hear in all?
 Mrs. CONNALLY. I heard three.
 Mr. SPECTER. What is your best estimate on the time that passed from the first to the last shot?
 Mrs. CONNALLY. Very short. It seemed to me that there was less time between the first and the second than between the second and the third.

……

 スペクター氏:今朝、この委員会のオフィスで、映像はご覧になりましたか?

 コナリー夫人:はい、見ました。

 スペクター氏:コナリー知事がどのコマの撃たれたのか、ご意見はありますか?

 コナリー夫人:はい、私と知事は意見が一致しています。番号ははっきりと覚えてはいませんが、そのときはフィルムの 229 コマ目の時点だと思いました。続く三・四コマを通してだったのかもしれませんが。

 スペクター氏:他になにか…

 コナリー夫人:フィルムは不鮮明でした。

 スペクター氏:音の発生源に関して、あなたは「右側だった」とおっしゃいました。それらは前方、後方または横方向のどちらからだったか、なにか印象はありますか?

 コナリー夫人:背後のほうからだと思いました。

 スペクター氏:後方ですか?

 コナリー夫人:右側です。右側といったほう正しいです。

 スペクター氏:高さや階層の問題についてはどう感じましたか?

 コナリー夫人:特になにも。

 スペクター氏:どんなことでもいいので、委員会にとって役立ちそうだと思われることは、付け加えて他になにかありますか?

 コナリー夫人:ないと思います。


 Mr. SPECTER. Did you see the films this morning here in the Commission office?
 Mrs. CONNALLY. Yes, I did.
 Mr. SPECTER. Did you have an opinion as to which frame it was that Governor Connally was shot?
 Mrs. CONNALLY. Yes. I was in agreement with the Governor. Iam not sure I remember the numbers so correct me, but I thought at the time that it was that 229--it could have been then through the next three or four frames.
 Mr. SPECTER. Do you have anything----
 Mrs. CONNALLY. They were blurred.
 Mr. SPECTER. With respect to the source, you say you thought it was to the right---did you have any reaction as to whether they were from the front, rear or side?
 Mrs. CONNALLY. I thought it was from back of us.
 Mr. SPECTER. To the rear?
 Mrs. CONNALLY. To the right; that is right.
 Mr. SPECTER. Did you have any reaction as to the question of elevation or level?
 Mrs. CONNALLY. No, I didn't.
 Mr. SPECTER. Do you have anything else to add which you think would be helpful to the Commission in any way?
 Mrs. CONNALLY. I don't think so.

 委員長:他になにか質問はありますか? 上院議員、いかがですか? ダレス委員、何かありませんか?

 ダレス委員:ひとつだけ質問があります。コナリーさん、あなたの証言は銃声のタイミングという一点に関して、他のほとんどの証言と異なっています。あなたは「二発めと三発めと間の間隔は、一発めと二発めの間隔よりも長かったように感じた」とおっしゃっていたと思います。それで間違いないですか?

 コナリー夫人:そのとおりです。

 ダレス委員:それはつまり「一発めと二発めの間隔は、二発めと三発めの間隔よりも短かった」ということですね? 私はただ、あなたから聞いたことを正確にしたいだけです。

 コナリー夫人:そうされたと思います。

 ダレス委員:どうもありがとうございます。

 コナリー夫人:ありがとうございます。


 The CHAIRMAN. Are there any other questions? Senator, do you have any? Do you have any, Mr. Dulles?
 Mr. DULLES. I just have one question. Mrs. Connally, on one point your testimony differs from a good many others as to the timing of the shots. I think you said that there seemed to be more time between the second and third than between the first and the second; is that your recollection?
Mrs. CONNALLY. Yes.
Mr. DULLES. That is, the space between the first and thesecond was less than between the second and the third? You realize I just wanted to get whether I had heard you correctly on that.
Mrs. CONNALLY. You did.
Mr. DULLES. Thank you very much.
Mrs. CONNALLY. Thank you.




 繰り返すが、二人の被弾の様子を車上の至近距離で目撃した夫人の証言は、数多くの目撃証言とは比較にならない最重要のものである。そのため長くなったが引用した。

 にもかかわらず、知事夫人の証言はこれまで公式説はもちろんのこと、それを批判する側からもクローズアップされてきた様子がない。
 その理由は後年にウォーレン委員会関係者が語っている通りであり、後で紹介するが、表現はどうあれ要するに「世間なれしていないオバチャンの話など、真面目に扱うまでもない」ということである。
 アメリカにも「時代の空気」というものがあったのだろう。

 しかし実際の夫人の証言には、他の証言者と比べて冷静さと一貫性、そしてなにより視覚的証拠との高い整合性がある。

 重要な点に入る前に、まず細かいようだが確認しておきたいのは、最初の「音」及び大統領の被弾反応は、リムジンが教科書倉庫ビル前を通過した時点で起こっている、という基本的事実である。

 エルム通りに入ってすぐ、夫人は後ろの座席を振り返り大統領に声をかけ、普通の会話をして前を向き直った。その直後に銃撃があったという。

 証言の最初のこの部分は、何気ないようだが、銃撃のスタート時点を確定させる意味で基本的に重要である。
 最初の「音」の発生時点が先に見たザプルーダー・フィルムで167コマ目前後であることは確定している。
 だとすれば、証言は射撃開始がそれ以前ではあり得ないことを示しているからである。

 「驚異の速射と命中精度」いう信じがたいオズワルトの単独犯行説をあくまで維持するために、銃撃開始をさらにヒューストン通りの交差点近くまで遡るとする、根拠のきわめて怪しい新説までも存在するようだが、それが根拠なき妄言であることを、夫人の証言はまず示している。

 さて、一読してわかるとおり、この夫人の委員会公聴会での証言と公式説は、最も重要な点で矛盾している。
 要点をピックアップすると、次のとおりとなる。

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