JFK暗殺事件について、これまで国家安全保障上の機密とされてきた非公開資料が、ついに公開される運びとなったらしいことは、すでに報道されているとおりである。
早速CIAが安全保障上の理由で一部公表延期を申し入れたとあり、よほどの内容であることが推察される。先に述べたとおり、そうした抵抗・妨害によってどこまで真相が解明されるのかは不透明だが、しかし事件の全容が初めて明らかになる可能性がある。
この事件に関する日本における支配的な論調は、従前の「オズワルド単独犯行説」にいまだに捉われている。典型が以下の報道だろう。
http://www.sankei.com/world/news/171026/wor1710260035-n1.html
しかし公式見解の核心にあるオズワルド単独犯行説とは、暗殺のあったその日・その瞬間という一点を調べれば調べるほど疑わしくなるレベルのものである。この状況で単独犯行説を無批判に報ずることは、報道というに値しないと言っても過言でなかろう。
この時間的な「点」が白から黒へ覆ることで、事件の膨大な構図全体が反転し、まるで違う意味を持つものとなることは言うまでもない。
これまで述べてきたとおり、その一点を穿つ鍵となるのが、前掲のアルトジェンズの写真だと思われる。JFK暗殺事件を捉えた写真や映像は複数あるが、連続する銃撃のまさに最中、しかも車列の前方から撮った写真は、ただこの一枚だけである。
この写真には唯一、オズワルドが狙撃したとされる教科書倉庫ビルの真下にいる群衆の反応や、車上のシークレットサービスの銃撃の瞬間の動作・表情、さらに実際の狙撃ポイントと思われる別のビルの窓までが写されている。
この写真は明らかに事件の最重要な証拠となるはずだが、なぜかこれまでこうした視点で検証されてきた形跡がない。
そこで本稿では、映画JFKに触発され、公式見解である「オズワルド単独犯行説」の虚構性を暴き、ひいては事件全体の構図を覆すことを試みようと筆を進めてきた。
しかし資料公開によって事件の真相が本当に明らかになるとすれば、こうしてつらつら書いていることも、意味を失うであろう。それは劇中、ジム・ギャリソンが法廷で力説していたとおり、きっと民主主義および世界にとっていいことに違いない。
個人的にも残念ながら時間がなく、以下、駆け足で見ていくこととする。
(趣旨に則して本稿を改題した。)
アルトジェンズ写真に見える事実②:「銃声」への無反応(続き)
これまで、事件現場について説明を省いてきたので、この写真の場面がどのようなものかわかりにくかったと思う。そこで、次の公式見解に沿った図解を参照いただきたい。この事件について詳しくない方のために今後の記事で解説する。
※画像右手の教科書倉庫ビル6階から延びている三本の実線の赤矢印が、オズワルドが放ったとされる3発の銃弾の軌跡である。真ん中の二発目が、映画でも取り上げられていたいわゆる「魔法の銃弾」だが、前後の二発についてもオズワルドがここから撃ったとするには明らかに無理があることを後程見ていきたい。
さて、銃声とは主に、超高圧の発射ガスが銃口から噴出する際の爆発的な音響と、音速を超える弾丸から生じる衝撃波の二つから構成されるが、一般にイメージされる銃声とは前者の発射ガス音のことであろう。
以下ではこの区別のため、発射ガス音を「発射音」とし、後者の音速による「衝撃波」と分けて用いる。煩雑なようだが、この両者の区別が、アルトジェンズの写真が写し取った真相を検討の上で重要だからである。
銃の発射音とは、一般的な拳銃程度の銃声であっても相当な音で、耳栓やイヤーマフの保護なしで至近距離で聞くと耳を痛めるという。
この事件で用いられたとされるライフルの場合はどうだろうか?
ライフルの発射音は、銃や弾薬によるが、概ね150~160デシベル程度とされているようだ。
http://m14forum.com/hearing/78442-various-noise-levels-firearms.html
離陸する飛行機のエンジン音を間近で聞いた場合が120~130デシベルとされているので、これは相当なレベルの爆音と言えるであろう。
http://www.geocities.jp/fkmtf928/dB_sound.html
デシベルの表記は音量を比例的に表しておらず直感的に分かりにくいが、20デシベルの差は音圧で10倍、40デシベルの差は100倍に相当するとされている。
http://macasakr.sakura.ne.jp/decibel.html
だとすればライフルの発射音とは、銃口付近で瞬間的とはいえ、離陸中の最大出力のジェットエンジンの数十倍にも達するものであることになる。
文字どおり耳を聾するレベルの騒音と言えよう。
拳銃とライフルの差で考えてみると、通常のレベルの拳銃の弾薬が発生するエネルギー(初活力)は五百ジュール程度、それに対してライフル弾は2千~4千ジュールのエネルギーを発生するという。
オズワルドが狙撃に用いたとされる大戦時の中古品、イタリア製カルカノM1891/38の使用弾薬は、軍用としては比較的小口径で弱装の6.5ミリ弾、それでもエネルギーは2,300~2,500ジュールである。
https://en.wikipedia.org/wiki/6.5%C3%9752mm_Carcano
要するに、拳銃とは段違いの威力を持つということだろう。
これによって弾速は、拳銃弾の銃口初速が一般に音速(約340m/s)前後であるのに対し、軍用ライフルとしては威力が弱いとされるカルカノ6.5ミリ弾でも、優にマッハ2以上(700 m/s)に達するという。
*写真は標準的な拳銃用9ミリ実包と、カルカノM1891/38と同じ口径6.5ミリの日本の三八式実包。薬莢の大きさの違いから、エネルギーや銃声の違いが想像できる。
従って、弾丸が音速を超えることによる衝撃波は桁違いとなるだろう。もうひとつ、この点がアルトジェンズ写真から真相を読みとく上で重要となることを、あとで見ていく。
つまり当然ながら、銃口に近い場所では、発射音が耳をつんざくように聞こえるはずだ。ほかの何かの騒音とは、とくに軍・警察関係者にははっきり区別されることだろう。
繰り返すが、そのような騒音が、この写真が撮影された直前に、二度に亘って発生した「はず」なのだ。銃口からの距離による音の減衰を考えても、教科書倉庫ビル前のパレードルートに位置する人物は、大きな発射音を聞いていたと考えなければならない。
だとすれば、特に教科書倉庫ビルの入り口に近い観衆ほど、発射音への反応が強く現れるのが当然のはずだ。
*事件直後の教科書倉庫ビルを見上げる写真。6階の窓からの大きな発射音を、この写真が撮られたあたりで、群衆が聞いていた「はず」なのである。銃口があったとされる窓がかなり近く見える。
早速CIAが安全保障上の理由で一部公表延期を申し入れたとあり、よほどの内容であることが推察される。先に述べたとおり、そうした抵抗・妨害によってどこまで真相が解明されるのかは不透明だが、しかし事件の全容が初めて明らかになる可能性がある。
この事件に関する日本における支配的な論調は、従前の「オズワルド単独犯行説」にいまだに捉われている。典型が以下の報道だろう。
http://www.sankei.com/world/news/171026/wor1710260035-n1.html
しかし公式見解の核心にあるオズワルド単独犯行説とは、暗殺のあったその日・その瞬間という一点を調べれば調べるほど疑わしくなるレベルのものである。この状況で単独犯行説を無批判に報ずることは、報道というに値しないと言っても過言でなかろう。
この時間的な「点」が白から黒へ覆ることで、事件の膨大な構図全体が反転し、まるで違う意味を持つものとなることは言うまでもない。
これまで述べてきたとおり、その一点を穿つ鍵となるのが、前掲のアルトジェンズの写真だと思われる。JFK暗殺事件を捉えた写真や映像は複数あるが、連続する銃撃のまさに最中、しかも車列の前方から撮った写真は、ただこの一枚だけである。
この写真には唯一、オズワルドが狙撃したとされる教科書倉庫ビルの真下にいる群衆の反応や、車上のシークレットサービスの銃撃の瞬間の動作・表情、さらに実際の狙撃ポイントと思われる別のビルの窓までが写されている。
この写真は明らかに事件の最重要な証拠となるはずだが、なぜかこれまでこうした視点で検証されてきた形跡がない。
そこで本稿では、映画JFKに触発され、公式見解である「オズワルド単独犯行説」の虚構性を暴き、ひいては事件全体の構図を覆すことを試みようと筆を進めてきた。
しかし資料公開によって事件の真相が本当に明らかになるとすれば、こうしてつらつら書いていることも、意味を失うであろう。それは劇中、ジム・ギャリソンが法廷で力説していたとおり、きっと民主主義および世界にとっていいことに違いない。
個人的にも残念ながら時間がなく、以下、駆け足で見ていくこととする。
(趣旨に則して本稿を改題した。)
アルトジェンズ写真に見える事実②:「銃声」への無反応(続き)
これまで、事件現場について説明を省いてきたので、この写真の場面がどのようなものかわかりにくかったと思う。そこで、次の公式見解に沿った図解を参照いただきたい。この事件について詳しくない方のために今後の記事で解説する。
※画像右手の教科書倉庫ビル6階から延びている三本の実線の赤矢印が、オズワルドが放ったとされる3発の銃弾の軌跡である。真ん中の二発目が、映画でも取り上げられていたいわゆる「魔法の銃弾」だが、前後の二発についてもオズワルドがここから撃ったとするには明らかに無理があることを後程見ていきたい。
さて、銃声とは主に、超高圧の発射ガスが銃口から噴出する際の爆発的な音響と、音速を超える弾丸から生じる衝撃波の二つから構成されるが、一般にイメージされる銃声とは前者の発射ガス音のことであろう。
以下ではこの区別のため、発射ガス音を「発射音」とし、後者の音速による「衝撃波」と分けて用いる。煩雑なようだが、この両者の区別が、アルトジェンズの写真が写し取った真相を検討の上で重要だからである。
銃の発射音とは、一般的な拳銃程度の銃声であっても相当な音で、耳栓やイヤーマフの保護なしで至近距離で聞くと耳を痛めるという。
この事件で用いられたとされるライフルの場合はどうだろうか?
ライフルの発射音は、銃や弾薬によるが、概ね150~160デシベル程度とされているようだ。
http://m14forum.com/hearing/78442-various-noise-levels-firearms.html
離陸する飛行機のエンジン音を間近で聞いた場合が120~130デシベルとされているので、これは相当なレベルの爆音と言えるであろう。
http://www.geocities.jp/fkmtf928/dB_sound.html
デシベルの表記は音量を比例的に表しておらず直感的に分かりにくいが、20デシベルの差は音圧で10倍、40デシベルの差は100倍に相当するとされている。
http://macasakr.sakura.ne.jp/decibel.html
だとすればライフルの発射音とは、銃口付近で瞬間的とはいえ、離陸中の最大出力のジェットエンジンの数十倍にも達するものであることになる。
文字どおり耳を聾するレベルの騒音と言えよう。
拳銃とライフルの差で考えてみると、通常のレベルの拳銃の弾薬が発生するエネルギー(初活力)は五百ジュール程度、それに対してライフル弾は2千~4千ジュールのエネルギーを発生するという。
オズワルドが狙撃に用いたとされる大戦時の中古品、イタリア製カルカノM1891/38の使用弾薬は、軍用としては比較的小口径で弱装の6.5ミリ弾、それでもエネルギーは2,300~2,500ジュールである。
https://en.wikipedia.org/wiki/6.5%C3%9752mm_Carcano
要するに、拳銃とは段違いの威力を持つということだろう。
これによって弾速は、拳銃弾の銃口初速が一般に音速(約340m/s)前後であるのに対し、軍用ライフルとしては威力が弱いとされるカルカノ6.5ミリ弾でも、優にマッハ2以上(700 m/s)に達するという。
*写真は標準的な拳銃用9ミリ実包と、カルカノM1891/38と同じ口径6.5ミリの日本の三八式実包。薬莢の大きさの違いから、エネルギーや銃声の違いが想像できる。
従って、弾丸が音速を超えることによる衝撃波は桁違いとなるだろう。もうひとつ、この点がアルトジェンズ写真から真相を読みとく上で重要となることを、あとで見ていく。
つまり当然ながら、銃口に近い場所では、発射音が耳をつんざくように聞こえるはずだ。ほかの何かの騒音とは、とくに軍・警察関係者にははっきり区別されることだろう。
繰り返すが、そのような騒音が、この写真が撮影された直前に、二度に亘って発生した「はず」なのだ。銃口からの距離による音の減衰を考えても、教科書倉庫ビル前のパレードルートに位置する人物は、大きな発射音を聞いていたと考えなければならない。
だとすれば、特に教科書倉庫ビルの入り口に近い観衆ほど、発射音への反応が強く現れるのが当然のはずだ。
*事件直後の教科書倉庫ビルを見上げる写真。6階の窓からの大きな発射音を、この写真が撮られたあたりで、群衆が聞いていた「はず」なのである。銃口があったとされる窓がかなり近く見える。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます