ピアニスラー

ゴールド・フィンガー、ハイパー・ピアニスト矢沢朋子のブログ

Cool Japanese!

2011年03月05日 | 現代音楽

Generation X からの続き。

この企画の下地は1999年からNYで始めたPianist in a multi-media performance / Tomoko Yazawa というコンサートで、それが発展したもの。これがさらに発展してAbsolute-MIXの企画になっていったのでした。

ウィキで見ると:Generation Xとは1960~1974生まれのアメリカ人。とありますが、1999当時、この世代の美術のアーティストが盛んにコンピュータを使った作品を発表していて、ブルックリンのPS1でのコンピュータ・アートの展覧会のタイトルかサブ・タイトルがこのGeneration Xだったのでした。とても話題になった展覧会です。

 

この展覧会以来、NYの友人は私に「TomokoはGeneration Xだから・・」とよく言うようになったのでした。98にNYに住んだ時、ソニーの初Vaioを持って行ったのですが、当時そのあまりの小ささにNYの友人が:「ハイテク・ジャパニーズ 」と驚き、何かステレオの配線が分からない、とかあると「High Tech Tomo-chan!」(笑)と頼まれるのですが、私自身は別にコンピュータに強いわけでもなく、そもそもハイテクとは手動でしていたことがオートマティックになることだったりもするので、こんなアナログなことは全然出来ないのだ!と反論したものです。

何気に:「クーラーが効きすぎて寒い。27度にして?」とNYで言うと:Oh....High Tech Japanese....We don't have such a high technology air conditioner....と別の惑星から来た生物を見るような目で私を見るのでした。

あんだここはここがNYなのかこれじゃパプア・ニューギニアとたいして変わらないな(← 行ったことないけど:笑)

というのが99の私のNYの印象でした。フィリップ・グラスがBAMで莫大な予算をもらって3Dシアターを制作していましたが、それは特例で、ドイツにおけるシュトックハウゼンのような立場だったのです。

 

大先輩の高橋悠治氏の功績により、現代音楽を弾く日本人ピアニストは:「日本人が西洋音楽を弾く意味は?」とネオ・ナチのように意地悪なジャーナリストに質問されることもなく、頭脳明晰でどんな難曲でも弾きこなすと思われています。そしてハイテク・ジャパニーズ、クール・ジャパンというイメージと重ね合わされ、「機械にめちゃくちゃ強い」とも思われています。

アメリカだってハイテクの本場だろ? と思うのですが、イメージとはそんなもの。ともあれ初代Cool Japaneseの大先輩が切り開いた土壌で勝負させていただくのですから、最先端でなくちゃね!と外国で弾く度に思わされました。

 

このGeneration Xでは:音楽は映像の伴奏ではなく、比率として5分5分。ストーリーがある映像ではないので、音楽も旋律を耳で追うようなものでなく、両方で作品としての世界になっています。「これはvisual music と呼ぼう」とジャンル分けがお好きな評論家に新たなジャンルを命名していただきました(笑:名付け親 → 佐野光司氏)

 

Tomoko Yazawa - Children's Bells - / Richard Tsang

 

なんかもーちょっと凝った編集もしたくなってきたなー

来週につづく!です

 

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