薔薇の名前 をリピートして読んで3回目。
この3日で集中して読めてます。
1回目の上巻はそれこそリゲティのエチュード13番ほどかかりましたが、曲と一緒で2回目にはストーリーを追うことだけでなく(音符を弾くことだけで必死状態)作者の意図、作者の環境や背景を文章から探るようになり、3回目は自分の身近な出来事に重ね合わせたりして「解釈」をするという共感のレベルにまでなってきたように思えます。読み込むほど面白い本です。
エーコ初の小説だったせいで序章が堅く情報が詰め込まれすぎていたのかも?と思い、『フーコーの振り子』も読んでみることに。
タイム・スリップできるとしたらどの時代を見てみたいか?というと、ヤザワ的にはベル・エポックの時代からのパリなんです。マリー・ローランサンやピカソの舞台美術、シャネルの舞台衣裳とかでのバレエの公演とか見てみたい。ベル・エポックなドレスを着た観客として。コクトーに会ったら髪も1本もらってきます(笑)。当然、この時代の闇の部分も非常に興味あります。澁澤龍彦が興味を持ったあたりがヤザワ的にもツボ。恐竜を見てみたい気持ちも捨て難いけど、1回ならパリに行きます。建築家だとピラミッドの建設とかガウディに会ってみたいとか思うのかな?
そういえば86年の夏にロンドンのナイツブリッジのカフェでお茶してるアンディ・ウォーホールを見ました。「あっ!」と思って目が合ったので反射的に会釈(お辞儀に近いかな)をしたら笑ってくれました。サインでももらっておくんだった。あの銀髪はヅラだったそうだから。(笑:よかった。『髪の毛1本下さい』とかゆわなくて)
エーコが中世に惹かれたのはヨーロッパが近代国家になっていく過程での思想とか統治の構築なのでしょうか。魔女裁判とか呪詛の世界のような暗黒時代にエーコのような(笑)理知的で博識な人間が近代の土台を作っていくことに共感するのでしょうか。エーコにとっちゃ今の近代国家だって原始人だらけだろうけどさ。
エーコって性格悪ーい。面白ーい。
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放射能はもうしょうがないとして、まだ余震があるのでピアノ(狭い部屋にグランドなのでね)の近くにいるのが怖くて本を読んでいます。
ガソリンなんか買いだめしないで下さいよ!余震があって火事になんかなった時、満タンの車が止まってるなんて考えただけでぞっとします。こういう時こそ少ないガソリンにしておくべきなのに。高速で関西に逃げようとして地震に遭ってスピンなんかしたら大炎上になりますよ。こういう時は屋内退避に限ります。
こうしてパニックになると、人は悪い方へのスパイラルにハマってしまうんだなーとエーコの本を読みながらちょっと冷めてるわけです。
不安な時は近所の友人とレストランにでも行きましょうよ。みんな買い占めて引き蘢ってテレビ見てるから、レストランでは食材が余ってるそうですよ?
お魚も東京は在庫がいっぱいあるそうです。計画停電の合間に缶詰やポテチなんて食べてないで美味しいお魚でも食べましょう。築地市場ではみんなが缶詰とか乾パンを買うので鮮魚が余ってるそうです。安く売ってくれるそうですよ。お近くに行ったら寄ってみては?
もう運命は福島や被災地とともにあります。超富裕層以外自分だけ助かろうとしても無理です。
ちょうどいい時期に『薔薇の名前』を読んだかも。
ピアノも弾きたい。