愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

兵庫の祭りから愛媛の祭りの謎が解ける(かもしれない)

2011年10月02日 | 祭りと芸能
今週末の土日2日間は仕事が休みだった。数日前までは、急ぎの仕事で休日出勤せざるを得ない予定だったが、金曜日の夜に取りあえずキリのいいところまでいったので土日は休むことにした。

休みとはいうものの、この時期(10月)は各地で祭礼見学をすることができるので、家でじっとしているわけにもいかない。こんな無意識のギョーカイの圧力(自意識過剰?)があって、急遽、出かけることにした。

行き先は兵庫県明石市と淡路島。

明石市には兵庫県立図書館がある。そこで文献閲覧、コピーをして、近くの明石市立文化博物館を見学。そこで西二見の屋台(地元で「たいこ」と呼ばれる。)を撮影した。この屋台は、布団屋台。愛媛でいえば、東予地方の「太鼓台」、南予地方の「四つ太鼓」に類するものである。

愛媛の祭礼は西条のだんじり、新居浜、四国中央市の太鼓台といった究極に発達した祭礼屋台が有名であるが、それが如何に発達してきたのか、よく質問を受けるし、そのことをよく愛媛の事例(四つ太鼓や、瀬戸内海島嶼部の布団屋根の「だんじり」)との関係で語ってきたが、案外、西日本全体(特に瀬戸内海沿岸)での位置づけでは明快な説明はできていない。

新居浜太鼓台、西条だんじりなどについては、個別テーマで他地域との比較が進んでいるが、例えば新居浜太鼓台と西条だんじりが極論すれば同系統の屋台であるといった、そこまでの系統説明は十分にできてはいない。それが瀬戸内海各地の屋台行事の中で、各種類例を並べて考えればそのことは論証できる。

今、その作業を進めており、ここ数年、休みがとれれば瀬戸内海各県(和歌山、兵庫、岡山、広島、山口)に出かけている。

そして今回は兵庫県。播磨地方、淡路地方と屋台行事が非常に盛んな県である。県北部の但馬地方にも屋台があるので、それは近いうちに現地に行く計画を立てているが、県立図書館での文献閲覧もあって、その概観はほぼ頭の中で整理することができて収穫だった。

今日は淡路島の旧北淡町や旧一宮町各地の「だんじり」を見学してきた。写真は旧一宮町の祭り。今、その帰りで愛媛に向かっている。車の運転の休憩も兼ねてブログアップ。

安全運転で、さあ帰ろう。明日はお仕事。体力を使い果たす前に帰宅して、充分に睡眠をとらないといけない。