愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

シンポジウム「民俗を記録する/伝える」

2011年10月12日 | 日々雑記
高知県立歴史民俗資料館・四国民俗学会共催企画のご案内です。


シンポジウム「民俗を記録する/伝える」

失われゆく民俗をどのような形で後世に残していくのか。写真記録、民具の活用、芸能の伝承などさまざまな視点から報告します。

【日時】
11月5日(土)13:30~16:30

【会場】
高知県立歴史民俗資料館2階多目的ホール(南国市)

【申込】
事前申し込み必要。

http://www.kochi-bunkazaidan.or.jp/~rekimin/exhibit/project.html


【内容】
田井静明「今、身近なくらしを記録する」

中村淳子「田辺寿男の民俗写真・高知県の民俗を撮る」

庄武憲子「写真に見る近年の正月飾り・徳島県の事例」

大本敬久「民具を保存し後世に伝える・愛媛の学校、博物館、資料館」

水野一典「伝承の現場から・香川滝宮念仏踊りの伝承」

*このシンポは、企画展「土佐を撮る 田辺寿男の民俗写真3」の関連行事です。

南予グルメ「八幡浜ちゃんぽん」トップ

2011年10月11日 | 日々雑記
先日、宇和島で行われた「南予グルメ選手権2011」。

その新聞記事がこちら。(読売新聞愛媛版)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ehime/news/20111009-OYT8T00755.htm


八幡浜ちゃんぽんが5500人の投票の結果、グランプリに選ばれたとのこと。

あたり前にむかしから食べてきた八幡浜のちゃんぽん。

「グルメ」、「グランプリ」だなんて、日常からかけ離れた称号。

これも、八幡浜ちゃんぽんを盛り上げようと、多くの方が努力した結果ですね。

おめでとう!!


語り伝えたい戦中戦後の暮らし展

2011年10月11日 | 日々雑記

東京九段にある昭和館。戦中・戦後の生活について展示している博物館です。この昭和館は全国各地で年2回、巡回特別企画展を開催しています。今年は愛媛県、山口県での開催。

愛媛松山会場は10月8日に開幕しています。16日までの会期です。

この展示では、戦中、戦後の実物資料を中心に、厳しい時代を生き抜いた人々が綴った手記や、その姿を記録した写真を通じ、母と子の様々な思いや労苦、当時の世相や苦難の多かった暮らしを振り返えるという内容となっています。



【会 期】 平成23年10月8日(土)~10月16日(日)

【時 間】 10:00~17:00

【会 場】 松山市総合コミュニティセンター (松山市湊町七丁目5番地)


詳細な内容はこちらです。

http://www.showakan.go.jp/junkai/pdf/ehime.pdf


西条まつりのだんじりと人形屋台

2011年10月06日 | 祭りと芸能
西条まつりのだんじり。

現在は見られないが、

東京国立博物館本の伊曽乃祭礼細見図を見れば、

屋台の上に人形が乗せられている。

江戸時代には西条のだんじりは、

人形屋台としての性格もあったわけで、

それが明治時代以降に廃れて、

今のような形になっている。

愛媛県内では、祭礼の人形屋台は数多く残っている。

今でも祭りに出ているのは、

旧大三島町、旧三崎町、旧伊方町(三基)、

旧保内町(三基)、旧明浜町、旧吉田町(三基)、

そして旧御荘町である。

人形屋台そのものや、人形が残っているのは、

八幡浜市、宇和島市にも確認できる。

写真は、旧吉田町の御車と呼ばれる人形屋台。

西条まつりのだんじりの歴史、変遷を考える上では、

瀬戸内沿岸各地と南予の祭礼との比較は非常に参考になる。



【講演】東北地方と南予の縁(えにし)

2011年10月04日 | 災害の歴史・伝承
10月10日(祝・月)13:30から宇和島市の南予文化会館にて、

宮城県の鹿踊り(栗原市鶯沢)と宇和島八ツ鹿踊りの競演が予定されています。

宇和島の第53回市民文化祭の開幕イベントです。

鹿踊りの競演が第一部。



14:50からは第二部で記念講演会。

私、大本がしゃべります。

演題は「東北地方と南予の縁(えにし)ー民俗と歴史ー」。



内容は、

東北地方の鹿踊り、南予各地の鹿踊りの紹介。

東北地方から鹿踊りが伝播した背景となった歴史。

つまり伊達政宗の長男の伊達秀宗が宇和島藩主として入部したこと。

その秀宗に従って南予入りした家臣団。

そして江戸時代からの宇和島での祭りの歴史、変遷。

などなど、約1時間、話します。



入場は無料。

問合せ先は、宇和島市教育委員会文化課。0895-24-1111。



ちなみに、今回の講演の内容は、

東日本大震災を受けて、義援金を募る為に急遽開催した

4月の濱知の会。八幡浜市内で話した内容の短縮版。(あのときは90分話しました。)

5月の「だんだん会」。西予市宇和町で話した内容の拡大版。(30分の話でした。)

というわけで、既に聞いていただいている方も多いのですが、

宇和島では、今回、はじめて話すことになりました。


鹿踊りなど、南予の文化遺産に東北ルーツにものが多いことを、あらためて知る機会となればと思っています。



























阪神淡路大震災の記憶

2011年10月03日 | 日々雑記
先日、淡路市(旧北淡町)の祭りを見てきたが、その富島にある阪神淡路大震災のモニュメント。ここは野島断層の保存施設から2キロほどの距離。震災でだんじりも被害を受けたという。震災から復興した町である。賑やかに元気に祭りが行われていたが、だんじりの運行に随行しながら震災から今日までの話を地元の方にいろいろとうかがった。


兵庫の祭りから愛媛の祭りの謎が解ける(かもしれない)

2011年10月02日 | 祭りと芸能
今週末の土日2日間は仕事が休みだった。数日前までは、急ぎの仕事で休日出勤せざるを得ない予定だったが、金曜日の夜に取りあえずキリのいいところまでいったので土日は休むことにした。

休みとはいうものの、この時期(10月)は各地で祭礼見学をすることができるので、家でじっとしているわけにもいかない。こんな無意識のギョーカイの圧力(自意識過剰?)があって、急遽、出かけることにした。

行き先は兵庫県明石市と淡路島。

明石市には兵庫県立図書館がある。そこで文献閲覧、コピーをして、近くの明石市立文化博物館を見学。そこで西二見の屋台(地元で「たいこ」と呼ばれる。)を撮影した。この屋台は、布団屋台。愛媛でいえば、東予地方の「太鼓台」、南予地方の「四つ太鼓」に類するものである。

愛媛の祭礼は西条のだんじり、新居浜、四国中央市の太鼓台といった究極に発達した祭礼屋台が有名であるが、それが如何に発達してきたのか、よく質問を受けるし、そのことをよく愛媛の事例(四つ太鼓や、瀬戸内海島嶼部の布団屋根の「だんじり」)との関係で語ってきたが、案外、西日本全体(特に瀬戸内海沿岸)での位置づけでは明快な説明はできていない。

新居浜太鼓台、西条だんじりなどについては、個別テーマで他地域との比較が進んでいるが、例えば新居浜太鼓台と西条だんじりが極論すれば同系統の屋台であるといった、そこまでの系統説明は十分にできてはいない。それが瀬戸内海各地の屋台行事の中で、各種類例を並べて考えればそのことは論証できる。

今、その作業を進めており、ここ数年、休みがとれれば瀬戸内海各県(和歌山、兵庫、岡山、広島、山口)に出かけている。

そして今回は兵庫県。播磨地方、淡路地方と屋台行事が非常に盛んな県である。県北部の但馬地方にも屋台があるので、それは近いうちに現地に行く計画を立てているが、県立図書館での文献閲覧もあって、その概観はほぼ頭の中で整理することができて収穫だった。

今日は淡路島の旧北淡町や旧一宮町各地の「だんじり」を見学してきた。写真は旧一宮町の祭り。今、その帰りで愛媛に向かっている。車の運転の休憩も兼ねてブログアップ。

安全運転で、さあ帰ろう。明日はお仕事。体力を使い果たす前に帰宅して、充分に睡眠をとらないといけない。