転がる蝉を見て蘊蓄を傾けて
やがて飽いて腐敗した蝉に蟻が群がる。
長月になり、庭先でエンマコオロギが
羽音を震わす。
なんと心地良い宵闇だろう。
マツムシでも鈴虫でもない、
ありふれた蟋蟀の雌雄が
ハーモニーを奏で
やがて漆黒の世界に帰る。
寂漠とか寂寥とか
初秋に相応しい言葉を探す
探す僕は漆黒に溶けだす。
よく聴くと
輪唱だ
その鳴き声が。
やがて飽いて腐敗した蝉に蟻が群がる。
長月になり、庭先でエンマコオロギが
羽音を震わす。
なんと心地良い宵闇だろう。
マツムシでも鈴虫でもない、
ありふれた蟋蟀の雌雄が
ハーモニーを奏で
やがて漆黒の世界に帰る。
寂漠とか寂寥とか
初秋に相応しい言葉を探す
探す僕は漆黒に溶けだす。
よく聴くと
輪唱だ
その鳴き声が。