僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

名残の雪

2018-03-13 18:02:49 | 思い出
18歳の自分は上京が決まっていた。

仄かで消えうるような女の人を愛してはいたが
すでに彼女には親の決めた許嫁の存在があった。

諦めきれず「結婚なんか止せ」と
喉もとまで出かかったけれど
その言葉はかすれてついえてしまった。

「檸檬」という喫茶店を出て
駅に向かったふたりに ハラハラと
名残の雪が舞う。

地に落ちて
すぐ消えてしまう微かな雪

僕には名残惜しい雪に違いなかった。

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