ここでは、思い切って自作の庭園作品を取り上げてみたい。すでに手前味噌に終始するのは目に見えているが、自画自賛のうざね博士、宣伝を兼ねて自作を語るという趣向である。
2回ぐらいにわけて公開していく。企画とプランニングのみで直接施工に至らなかったもの、未成物件つまり成果品のみの企画/設計編と、施工に至ったものつまり文字通り設計施工の作品である設計/施工編である。
設計施工については、この業界では請負形態と分業化が常態となっており、わたしのような進め方は自負を持って言うが、実は極めて稀有なケースになる。わたしの仕事は、造園設計・施工・施工管理・メンテナンスである。それを一貫して最初から最後までおこなうこと、である。オールラウンドプレイヤーと言えば誇張過ぎるが、責任上、そのように心がけてきた。
わたしの30年近くになる経歴を振り返ってみる。千葉市内の3年余りの造園会社では、個人客相手の個人住宅の庭・外構は約80件ほどになる。東京都内港区・品川区の造園会社に在社中は10坪弱の設計室を設けて専任の部下もいたのだが、ここでの仕事は比較的大きな物件になり、扱った内容は民間クライアントの要望に応じて多種多様な物件は150件ほどになるだろう。
その後は所属先が変わり、20件ぐらいは追加してもいいだろうか。
目的の物件と種別を見ると、造園設計作品の傾向はインテりジェントビル、マンション、テーマパーク、倶楽部が多い。なお、ここでは個人の庭、外構についてはあまりにもプライベートな領分になるので除外している。
そのなかで得られたもの、ノウハウ、特に専門的な技術は次の通りである。
①アイビーをはじめとするつる植物・グラウンドカバープランツの配植・施工技術
②臨海部の植栽計画(耐潮性植物の研究)
③植物維持管理計画(経年変化と費用計画)
④屋上緑化計画
紹介するには、設計図書つまり図面・写真が必要なのは承知しているが、これは電子データ以前のアナログ時代の成果品で公開不可能である。それに加えて、なにぶんにも画像を取り込むのが下手でここには掲載できない。物件名によりWeb上でたどれるものはハイパーリンクをおこなった。ただし、必ずしも庭園紹介向きなサイトではない。そのことをあらかじめお断りしておきたい。
このブログを訪れた皆さんの内で、交通アクセスがここでとりあげた物件の所在地に近ければ、ぜひお立ち寄りいただきたい。何事も、百聞は一見にしかず、実物を見るに越したことはない。コメントを含めてもしそうしていただけたら、わたしにとってなにものにも代えがたい喜びだ。
ただ、これからも完全を期すために、修正したり付け加えたりの作業をUP後にも致しますのであらかじめお知らせします。振り返ると、赤面したり、我ながらあきれるものもあるのだが、あえてUPする。ご笑覧願いたい。
むろんこの内容に対し、趣味、プロであると問わず、わたしの実作者としての経験を踏まえそれぞれの物件ごとのご質問は喜んでお受けいたしたい。
【Ranking of Green Work of Dr.Uzane】
☆企画/設計☆
1.徳川園(愛知県名古屋市)
2.足利フラワーパーク(栃木県足利市)
3.社会保険中京病院老人保健施設 現在⇒あゆちの郷(愛知県名古屋市)
4.熱海小嵐計画・基本設計/樹木調査(静岡県熱海市)
5.㈱ゼファー飯能屋上庭園(埼玉県飯能市)
6.ソニーテクトロニクス㈱御殿場工場(神奈川県御殿場市)
7.臨海高速鉄道天王洲駅JAL北出口(東京都品川区・天王洲アイル)
8.(仮称)ちば共済会館 現在⇒オークラ千葉ホテル(千葉県千葉市)
9.入間彩り計画(埼玉県入間市)
10.光照寺(神奈川県鎌倉市)
11.那須野ケ原カントリークラブロッジ(栃木県大田原市)
12.横須賀シーウィンドウ(神奈川県横須賀市)
13.四ツ木葬祭場(休憩棟廻り) 現在⇒四ツ木斎場(東京都葛飾区)
14.横須賀市立精神薄弱者通所授産施設(神奈川県横須賀市)
15.グレイス㈱リステージ綱島(神奈川県横浜市)
16.㈱琉球伊奈モデルガーデン(沖縄県浦添市)
しかし、わたしはここで敢えて告白をしておきたい。わたし個人のキャラクターもあろうが、設計作品に対しデザイナーとして、いずれも作者不詳、つまり“詠み人知らず”を通してきた。初期には無自覚でむしろ誇るようなところもあったのだが、次第に意識的に心がけてきたことである。設計上、与条件、設計思想を汲んでおこない,次に現地に行きそのコンセプトと地域性を咀嚼する。いろいろな面を複合的にとらえ自家薬籠中のものにする。そこでは、時間をかけてじっくり自らのこだわりは無くしていく。人間には好きなこと、得意なことはスキルがハイレベルだと思いがちな性行があるようで、それでは困ることに気付いたのだ。狭い視野にもとづいた狭隘な意匠を持った設計作品になるのだ。なんだか、難しい言い回しになって恐縮するが。
やはり、徹底的に第三者の視線を意識することが大事なのだ。
緑の仕事
日本の庭園ベスト20
(続く)