うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

ギボウシの収集と栽培のコツ 1

2008年07月20日 11時04分00秒 | ぎぼうし栽培日記
昨日の午前中、気象庁が梅雨明け宣言を出す。今年は標準日だ。
 やがて、群青色の青空、地面から滾るような陽炎、木立の蝉しぐれ。積乱雲と雷鳴と驟雨。花綵(はなづな)列島の日本が一番、熱帯性の気候になるときだ。

 最近はギボウシの植え付けのかたわらに、優良品種収集を目的に園芸店、DIY店や植木小売市場と、あっちこっちに行くことが多い。そんなことを繰り返していると、だんだんと色々なことがわかってきた。
 それを踏まえて、先日、ブログにわたし自身の手で殖やし栽培したギボウシの直接販売コーナーを設けた。草花ナーセリーWeb直販コーナーです、併せてご覧ください。
 ここで、まだまだわからないことが多いが、今の段階で次のようにまとめてみた。もちろんブログ上で公開するからには、ギボウシ愛好家の反論なり、意見の書き込みをお待ちしている。

・ギボウシは各品種ごとの差異も大きいが、同じ品種でも個体差が極度に大きい。ギボウシの葉の大きさは株の大きさではなく根の長さと表面積に比例する。ギボウシの根は一年に2回出る。それが生根として約2年間活動し、のちに新旧更新される。通常、栽培手引き書で紹介されている、2~3年ごとの植え替えの必要性の根拠がここにありそうだ。だから、‘寒河江’のような大株は死根などを整理し1本の根でも切らないように植え替えを繰り返していけば、大きさをキープできる。一般的にいえば、細根をもった根量の多少が重要である。

・ここで経験上言うのだが、しかしギボウシの品種によっては、地上部のボリュームと地下の根量は必ずしも比例するとは限らない。むしろ、繁殖形態に左右されそうだ。(一般的には、実生繁殖の方が本来の植物体として、健全かつ根張り十分でしっかり成長するものと考えられる。)

・芽数が増えやすいものには小中型種が多く、大型種は芽数が増えにくい傾向がある。

・春先の新芽の時期ではなく、梅雨明け前後の2度目の生育時期に、芽数を増やし分けつを促すには根元表土に腐葉土を敷き詰めるマルチングがいい。

・ギボウシの斑入りで、後暗(くら)みと後冴(さ)えの品種では、後冴えの方が鑑賞期間が長いものであり、大部分の品種は夏の日照光線の影響を受けるが、なかにはそうでないものもある。対策として、育成場所の配置変え、遮光ネットなどの設置が効果的である。

・欧米で盛んにおこなわれているメリクロン繁殖でも、実は違う品種のものができる可能性がある。どうも、株分けの方が一番品種が安定しているらしい。

・株分けという繁殖作業のしやすさが価格設定の分かれ目である。いずれにしても、商売上は、計画的に多量生産をする場合、その作業の効率化と促成栽培のコツをつかむのが課題だろうか。とはいえ、ギボウシという草花商品を販売するばあい、多品種少量型にならざるを得ないだろう。
 ギボウシは、日本国内では鉢物が多く(山野草などの小品盆栽も含めて)、露地植えの多いアメリカやオランダのようにはまだまだランドスケープ向きにはなりにくい。

・いろいろな栽培経験を経た結果として、わたしの場合のオリジナルな栽培スケジュール表を以下に掲げる。念のために付言すると、これは関東地方(北関東?)が基準である。
  *株分け ;       3/上旬~7/中旬
  *鉢上げ ;        年中
  *挿し芽・芋吹かし;  4/中旬~6/下旬
  *元 肥(堆肥) ;   2/中旬~4/上旬
  *花殻摘み;      5/中旬~9/上旬
  *追 肥(有機玉肥); 5/中旬~9/上旬
  *マルチ(堆肥敷き); 7/上旬~9/上旬
  *種子採取;      10/上旬~12/中旬  

 これからの酷暑の夏、皆さん、ギボウシのさわやかな Leaf Green にどうぞ親しんでください。
 ご意見・相談に際して、連絡方法は下段のコメント(0)をクリックするか、少々面倒ですがこちらのH・P 有限会社グリーンワークスから入り、お問い合わせフォーム、メール等でお問い合わせください。
       
コメント (2)
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