夫婦で川村記念美術館に行く。めざすは自由散策路である。
ここの奥行きのある敷地内にはテニコートが数面あり、芝生の多目的広場があり、散歩にピッタリのゾーンが広がる。さらに深奥部には流れ、睡蓮池、“大賀ハス”の蓮田、菖蒲田がつづいている。
樹木は、左からフユザクラ、ヤマモミジ、ミヤマハンノキである。
十月桜、またの名を冬桜という。なんのことはない、物珍しさだけの桜だ。
うちの奥さんと来たのだが、この近くに手頃で小奇麗な休憩所がある。そこで、痩せ気味のキジトラの野良猫がいて、わたしたちにやたらとドラ声で鳴きながらすり寄る。きっと空腹にちがいない。毛並みは清潔だし病気にかかってはいないようだ。
そこで、間合いをおいて、小さいビスケットを差し出す。いつもうちの奥さんは、猫に対して話しかけながら相手にするのだ。おいしいかと訊ねるたびに、猫はその都度、鳴き声でおいしいなあと返す、ように聞こえる。すくなくとも声の質と抑揚が会話調になるのだ。