夕刻、業務的には中途半端なままで、帰途につく。通勤電車の車中、小一時間ばかりの間に七句を獲た。自作自解すれば、春を待つ、望郷、親への思慕ということか。どういう心境の移り変わりであろうか。実は、昨年の春の真っ盛りの時以来である、半年以上は時系が経過した。なんということもなく、とりとめもない中で普段のわたしに還ってきたという気分もするこのごろである。浮かんだ句を、手元の支払った通販の小紙片になぐり書きした。
・春風を この先この先へと急かれ行く
・ガラス越し 四十雀連れ来て舞い上がる
・おぼろ陽の 親の後すがたについてゆきたし
・春の日の 覚えぬ疲れ うずたかく
・六十路半ば 入り日薄らぐ西の彼方かな
・春の雑踏 頭も身にも 肌うるむ
・小正月 塵を掃き清まん くに遠し
・春風を この先この先へと急かれ行く
・ガラス越し 四十雀連れ来て舞い上がる
・おぼろ陽の 親の後すがたについてゆきたし
・春の日の 覚えぬ疲れ うずたかく
・六十路半ば 入り日薄らぐ西の彼方かな
・春の雑踏 頭も身にも 肌うるむ
・小正月 塵を掃き清まん くに遠し