今日、2月1日マイクロソフトカップの準決勝がそれぞれ秩父宮ラグビー場と、花園で開催された。結果は東芝と三洋電機が勝ち、決勝に進んだ。
ラグビーはおおよそ実力通りの結果になるスポーツだ。野球とは違いおおよそ実力がそのまま反映されその勝率は9割を超える。
その中で、ひいきの神戸製鋼は今回東芝と対決。東芝はリーグ戦で神戸製鋼に負けている分しっかり気を引き締めている。
結果は冒頭の通り東芝が勝利したが、神戸製鋼がマイクロソフトカップに残って戦ったことは来シーズンのリーグ戦とマイクロソフトカップに大きなプラス材料を残してくれた。
名選手は必ずしも名監督にあらずという言葉がどこかにあるそうだが、神戸製鋼の7連覇の最初の3連覇をキャプテンとして率いた実力と8連覇を目前にその勝利を逸したときに選手として試合に参加していた平尾誠二現監督は今回の試合で相当な感触を得たに違いない。この人に限っては名選手兼名監督である。
平尾という人はラグビープレイヤーにしてはあまりに冷静な人だ。ワールドカップで初の一勝となるか!という試合で当時の監督であった故宿澤氏でさえ冷静さを欠いていたハーフタイムでも後半は大変になると戦況を分析できる冷静さを持っていたという逸話もある。
もちろんスポーツをやっている人だし、しかもラグビーというよりフィジカルコンタクトが激しいスポーツだから冷静でない時もあるだろうが、この人は本当によく“見える眼”を持っている人だ。彼が選手の時は常にそれが他のチームを凌駕する神戸製鋼の強さであった。
またそんな平尾の才能を存分に生かした存在がある。それは大八木だ。
平尾の存在をチームで認めさせて十分に力を発揮させた大八木のような、フトコロの深いチームのまとめ方ができる人は今の神戸製鋼には居ない。またチームの方針を理解しながらもフォワードとしてのこだわりを持ち続けた大西も同じくいない。
選手がやや小粒(というのは大変失礼だけども、過去のあまりに個性的なメンツからすれば)になった神戸製鋼をどうやってチャンピオンに結びつけるかが平尾総監督の役割だ。
その今シーズン。ついにマイクロソフトカップで戦った神戸製鋼は、負けはしたが確実に力を付けている。
単なる名声を獲得した平尾という総監督のトップダウンではなく、選手自身がどうあるべきかを常に問うてきたことが徐々に結実しつつある。
ただ不足するのは、経験だ。
過去のV7の選手達は、ふてぶてしかった。つまり優勝を泥まみれになって、たとえ一点差であっても勝利したらいいという泥臭さがあった。ラグビーというスポーツは1点でも多ければ勝つんだという単純なことが分っていたからだ。
それは理屈ではなく、執念でもなく、思いっきりラグビーというスポーツを楽しみたいという泥臭さでもある。
その泥臭さがいまの神戸製鋼の選手には足りない。
だからといって過去にあった通りをしないのが平尾総監督の普通でない所だ。そういうさまざまなギャップを越えて、いったいどうすればいいのかを選手に考えさせているのがいまの神戸製鋼のスタイルだ。
平尾率いる神戸製鋼が3年連続日本一になったあとだったと思うが、大西一平が“痛いラグビー”を目指した。バックスだった平尾とナンバー8だった大西の違いでもあるがこれがまた上手く成長のきっかけとなった。
それまで優勝できずにいた神戸製鋼を3連覇させた平尾路線、つまり“バックス機動力優先”に決別し、“フォワードが主役やで”を導入した大西。普通ならそんな先輩否定ができないはず。体育会系の縦社会の不文律を乗り越えたところに神戸製鋼の強さがあった。
これはもちろん平尾の冷静さの1つの例でもあるが、後輩キャプテンの方針に選手として従うということを普通に受け入れるのであった。
神戸製鋼は伝統あるチームである。だからこそ荒くれ者が必要なのだ。今シーズンは準決勝で東芝に敗れたが、徐々に徐々に成長している。過去の7連覇の栄光にまで追いつくとはまだ思えないが、優勝できるところまで成長してきているのは事実である。
あとは、試合展開にあたふたせずに戦える荒くれ者の登場を待つのみである。形に収まるのではない、前例否定をくりかえして7連覇をなしとげた神戸製鋼だからこそ、できるハズである。
今シーズンももちろん試合は残っているが、まだまだ成長代の大きい神戸製鋼に期待したい。かつてのいやらしい強さの神戸製鋼とは別の神戸のラグビーを魅せてくれる日を楽しみにしている。
ラグビーはおおよそ実力通りの結果になるスポーツだ。野球とは違いおおよそ実力がそのまま反映されその勝率は9割を超える。
その中で、ひいきの神戸製鋼は今回東芝と対決。東芝はリーグ戦で神戸製鋼に負けている分しっかり気を引き締めている。
結果は冒頭の通り東芝が勝利したが、神戸製鋼がマイクロソフトカップに残って戦ったことは来シーズンのリーグ戦とマイクロソフトカップに大きなプラス材料を残してくれた。
名選手は必ずしも名監督にあらずという言葉がどこかにあるそうだが、神戸製鋼の7連覇の最初の3連覇をキャプテンとして率いた実力と8連覇を目前にその勝利を逸したときに選手として試合に参加していた平尾誠二現監督は今回の試合で相当な感触を得たに違いない。この人に限っては名選手兼名監督である。
平尾という人はラグビープレイヤーにしてはあまりに冷静な人だ。ワールドカップで初の一勝となるか!という試合で当時の監督であった故宿澤氏でさえ冷静さを欠いていたハーフタイムでも後半は大変になると戦況を分析できる冷静さを持っていたという逸話もある。
もちろんスポーツをやっている人だし、しかもラグビーというよりフィジカルコンタクトが激しいスポーツだから冷静でない時もあるだろうが、この人は本当によく“見える眼”を持っている人だ。彼が選手の時は常にそれが他のチームを凌駕する神戸製鋼の強さであった。
またそんな平尾の才能を存分に生かした存在がある。それは大八木だ。
平尾の存在をチームで認めさせて十分に力を発揮させた大八木のような、フトコロの深いチームのまとめ方ができる人は今の神戸製鋼には居ない。またチームの方針を理解しながらもフォワードとしてのこだわりを持ち続けた大西も同じくいない。
選手がやや小粒(というのは大変失礼だけども、過去のあまりに個性的なメンツからすれば)になった神戸製鋼をどうやってチャンピオンに結びつけるかが平尾総監督の役割だ。
その今シーズン。ついにマイクロソフトカップで戦った神戸製鋼は、負けはしたが確実に力を付けている。
単なる名声を獲得した平尾という総監督のトップダウンではなく、選手自身がどうあるべきかを常に問うてきたことが徐々に結実しつつある。
ただ不足するのは、経験だ。
過去のV7の選手達は、ふてぶてしかった。つまり優勝を泥まみれになって、たとえ一点差であっても勝利したらいいという泥臭さがあった。ラグビーというスポーツは1点でも多ければ勝つんだという単純なことが分っていたからだ。
それは理屈ではなく、執念でもなく、思いっきりラグビーというスポーツを楽しみたいという泥臭さでもある。
その泥臭さがいまの神戸製鋼の選手には足りない。
だからといって過去にあった通りをしないのが平尾総監督の普通でない所だ。そういうさまざまなギャップを越えて、いったいどうすればいいのかを選手に考えさせているのがいまの神戸製鋼のスタイルだ。
平尾率いる神戸製鋼が3年連続日本一になったあとだったと思うが、大西一平が“痛いラグビー”を目指した。バックスだった平尾とナンバー8だった大西の違いでもあるがこれがまた上手く成長のきっかけとなった。
それまで優勝できずにいた神戸製鋼を3連覇させた平尾路線、つまり“バックス機動力優先”に決別し、“フォワードが主役やで”を導入した大西。普通ならそんな先輩否定ができないはず。体育会系の縦社会の不文律を乗り越えたところに神戸製鋼の強さがあった。
これはもちろん平尾の冷静さの1つの例でもあるが、後輩キャプテンの方針に選手として従うということを普通に受け入れるのであった。
神戸製鋼は伝統あるチームである。だからこそ荒くれ者が必要なのだ。今シーズンは準決勝で東芝に敗れたが、徐々に徐々に成長している。過去の7連覇の栄光にまで追いつくとはまだ思えないが、優勝できるところまで成長してきているのは事実である。
あとは、試合展開にあたふたせずに戦える荒くれ者の登場を待つのみである。形に収まるのではない、前例否定をくりかえして7連覇をなしとげた神戸製鋼だからこそ、できるハズである。
今シーズンももちろん試合は残っているが、まだまだ成長代の大きい神戸製鋼に期待したい。かつてのいやらしい強さの神戸製鋼とは別の神戸のラグビーを魅せてくれる日を楽しみにしている。