予告編でおおよその流れが想像ついたが、その予告編で涙ぐませてくれる、どストレートの夫婦の絆映画。
テレビマン(放送作家)である織田裕二演じる三村修治は売れっ子バラエティ放送作家。「悲しいことも楽しいに変える」を信条にこれまで企画を作ってきたが、すい臓がんで余命宣告されてしまう。
「悲しいを楽しいに変える」三村が思いついたのは、自分が去った後でも妻が楽しい子どもも楽しいと言える家庭を残すこと。
それから、残される妻の為の結婚相手を探すというストーリー。
もし、自分が余命宣告されたら。まず、自分のことばかり考えるだろう。多くの人もそうだと思う。夫婦二人でこれまで行きたかった旅行や食べたかったものを食べにいくんだろうな。これは二人の思い出づくりなんだろうけども、自分の満足のため。これが決して間違っているわけではないけども、三村修治は妻の為に何ができるかを考え始める。この前向きさ、というか妻への愛情。「ああ、見習わなきゃな。」と思ってしまう。
相手を残して死んでいくとき、相手への愛情がわかるのかもしれない。毎日忙しくしていると、お互いに相手を思いやることよりも、自分の都合を優先しがちになるのは仕方がないこと。それがすぎると、会話がなくなり、関係が冷え込んでしまうが、これは錯覚なのかもしれない。
でも、どれだけ相手に悪態をついても、いきなり相手に余命宣告されてしまうと、いろいろ考えてしまうものだと思う(普通は)。
そんなことがもしあなたに起きたら?なんてこの映画は問うているのかもしれない。
ストーリーはシンプル。2時間があっという間。ラストもああ、妻から夫への愛情がわかるという仕組み。いいですね。
監督:三宅喜重
脚本:金子ありさ
原作:樋口卓治
主演:織田裕二、吉田羊