市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

決してあってはならないこと

2013-12-31 | 障がい者
今年を振り返って、とても情けないというか腹立たしかったのは、もちろん例の特定秘密保護法などもそうなのですが、
袖ヶ浦市にある県の福祉施設「袖ヶ浦福祉センター養育園」で1か月前に起こった、19歳の入所者が職員による暴行で死亡したという事件でした。

県の調べで、暴行した職員の他にも複数の職員が少なくとも9名の入所者に対し日常的に暴行を加えていたことが分かりました。傍観していた職員にも罪はあり、これはもう施設ぐるみの犯行と言っても差し支えないでしょう。
指定管理者である社会福祉法人千葉県社会福祉事業団側は、「安易な指導法に頼ってしまった」とか何とか言っているようですが、
死亡した青年は、ソファに横たわっているところを何度もお腹を蹴られたのですよ。
これは指導でもなんでもない、虐待だと断罪せざるを得ません。
さらに事件発覚当初は「知らなかった」と言っていた施設長の発言が二転三転し、実は暴行の実態を把握していたこともわかってきました。
もう考えると怒りで身体が震えるほどです。

実はこの袖ヶ浦福祉センターへは、昔長男と一緒に定期的に相談支援に通っていました。
その時、養育園へも、親に何かあった時にショートステイさせることもあるかもしれないと思い、見学に訪れていました。
独特の閉鎖的な空間であったように記憶しています。

養育園は、自閉症などで最重度の知的障害があり、そのために虐待を受けている児童や、強度行動障害で家庭では手におえない児童が入所している施設です。
唯一の居場所であるはずの施設で職員から日常的に暴行を受け、その理由もわからず、訴えるすべもない彼らの気持ちを考えると、悔しくて仕方ありません。

暴行を受けていた他の入所者の皆さんは今もそのまま生活をしているようですが、大丈夫なのでしょうか。このような重大事件にさらされたにも関わらず、他に引き受ける場がないというところにも、障害者を取り巻く社会環境の貧困さが垣間見えるようです。

昨年施行された「障害者虐待防止法」に加え、千葉県は特に、7年前に制定した「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」のもとでこのような事件を起こしてしまったことを、深く恥じなければならないと思います。

亡くなられた方は、19歳でした。長男と一つしか違いません。
この世に生を受けてから生涯を閉じるまでの19年の間、嬉しい、楽しい、幸せ、と思える瞬間はどのくらいあったのでしょうか。
心からご冥福をお祈りいたします。

最新の画像もっと見る