佐渡の文弥人形は十座ほどはあるはずですが、それらを事細かく見て廻るのは大変
なことです。平成21年に、佐渡文弥人形大会が開かれて以来、人形座が一堂に会する機会は無いようですが、
この4年前の文弥人形大会では、
佐和田の松栄座(ひらかな盛衰記)
野浦の双葉座 (門出八島)
相川の文楽座 (一谷嫩軍記)
畑野の真明座 (山椒太夫)
大崎の大崎座 (天神記)
羽茂の大和座 (ひらかな盛衰記)
金井の常磐座 (出世景清)
説経人形廣栄座(小栗判官)
という、豪華な顔ぶれが揃って、それぞれの人形を駆使しました。改めて、ビデオを
見直してみると、どの座も素晴らしい遣い手と太夫が揃っているなあと感心します。
特に、その中でも、野浦双葉座の太夫、山本宋栄氏は、三味線が上手で、節回しがしっかりしています。
その双葉座が、東京に来るという情報を得たのは、つい2週間程前のことで、それも
ネットでうろうろしていてのことでした。
『第5回 よみがえれ!トキ 佐渡「文弥人形」上演会』
早速出掛けることにしました。演目は、文弥人形では珍しく、
「奥州安達ヶ原三段目」、いわゆる「袖萩祭文」でした。
今回、宋栄太夫は、民謡出身であると伺って、その奏法の巧みさを納得しました。
毎週、稽古を欠かさないという双葉座の人形は、太夫の息とぴったりでした。
座員が全員、農家であり、年に一度の芝居の為に一年を掛けて稽古するという、
地芝居本来の形を持っている貴重な文弥人形です。
双葉座の皆さん。中央が、座長の北野源栄氏。右から二人目が太夫の山本宋栄氏。