猿八座 渡部八太夫

古説経・古浄瑠璃の世界

旅するカタリ かもめ組 成蹊大学公演 

2015年07月13日 14時46分23秒 | 調査・研究・紀行
作家の姜信子氏は、猿八座の一員となり、八太夫会にも入って、三味線を稽古しています。8月の佐渡では、初舞台に上がってもらう予定です。さて、その姜信子氏と、浪曲師玉川奈々福さん、パンソリ唱者安聖民(アン ソンミン)さんの3人組は、「かもめ組」という不思議な芸能集団を組んでいます。その呼びかけが、「世界よ、この愚か者たちの声を聴け」です。
 浪曲も生で聴くのは初めてでしたが、韓国の語り物「パンソリ」は勿論初めてで、そのような芸能があることすら知りませんでした。とにかく、初体験でしたので、感動と驚きの連続でしたが、お二人の共通して素晴らしかったのは、その声の鍛え方でした。やはり、プロの声は違いますね。惚れ込みました。

「ピナリ(祈り)」安聖民  鼓手:趙倫子(チョ リュンジャ)

「金魚夢幻(きんぎょむげん)」玉川奈々福 曲師:澤村豊子
因みに、浪曲の三味線は、三下がり。三味線は太棹で、東サワリがある地唄タイプでした。駒は、端唄用に近い大きめの物でした。撥は総鼈甲とお見受けしました。

「ケンカドリの物語」(姜信子著「生きとし生ける空白の物語」から)パンソリと浪曲と声による実験的語りの試み