猿八座 渡部八太夫

古説経・古浄瑠璃の世界

ドナルドキーンセンター公演 説経をくり

2021年09月26日 22時53分40秒 | 公演記録
2021年9月23日秋分の日。ほぼ2年ぶりの柏崎ドナルドキーンセンターでの公演が、厳重なコロナ対策の中、実施されました。
昨年は「説経をくり」の前半三段分を制作し、12月に一応の公開稽古を、新発田の稽古場でさせていただきました。今年は、制作ペースがさらにゆっくりとなっておりまして、四段目を抜かして、ようやく五段を公開稽古に掛けることができました。
「をぐり五段目」は、相模国横山館で毒殺された小栗と十人の殿原達が、閻魔大王の審判を受けるところから。家来達は閻魔大王の護衛係に任命されて、小栗ひとり娑婆へ戻されます。


藤沢山遊行寺は、今もあるお寺で、小栗の墓もあります。その墓が割れて、出てきたのが小栗なのですが、「餓鬼病(あぎやみ)」あるいは「餓鬼阿弥」とも言われる姿です。それを、熊野湯の峰まで、人々が引いて行きます。


この「餓鬼病」が乗る車が餓鬼病車といいますが、藤沢から東海道を引かれて、岐阜県大垣の青墓の宿万屋(よろずや)の前まで来た時、三日間放置されてしまいます。それを、みつけたのが、妻の照手姫です。夫とは知らずに、その胸の札を読みますと、「ひと引き引きば千僧供養、ふた引き引けば万僧供養」と書いてあるので、夫の供養の為に引くことにするのでした。



11月7日(日)によていされている村上市情報センターでの公演では、三段目の「鬼鹿毛曲馬」「横山毒酒」からこの五段目の
「冥途墓割」「照手暇乞」「照手引」を続けて御覧いただく予定です。(※四段目はありません)


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