TPP交渉で集中論議 「公約堅持」の声多数 自民経済連携調査会 (2013年02月09日)
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自民党は8日、外交・経済連携調査会(衛藤征士郎会長)を開き、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加問題で2回目の集中論議を行った。焦点となったのは同党が衆院選で掲げた公約の重みで、農林議員を中心に「公約を堅持できなければ政権は正当性を失う」などの反対・慎重論が続出。川口順子元外相が「交渉入り(の判断は)内閣の専権事項」と述べたことに、調査会の衛藤会長が猛然と反論する場面もあった。
http://www.agrinews.co.jp/uploads/fckeditor/2013/02/09/uid000354_20130209144708731212ae.jpg 調査会には100人の議員が出席したが、同党の議員連盟「TPP参加の即時撤回を求める会」の森山裕会長や金田勝年元外務副大臣らが、調査会の幹部が居並ぶひな壇の目の前に陣取った。さらにその周辺を、宮腰光寛農林水産戦略調査会会長代理、小里泰弘農林部会長、今村雅弘党副幹事長、山田俊男元農林部会長らが固め、公約を堅持することへの強い決意を示した。
先陣を切ったのは山田氏。「(昨年の衆院選の結果)政権は代わった。(交渉参加に)前のめりの事前協議は許されない」と語気を強めて指摘。長谷川岳氏(参・北海道)も「(TPP参加の)メリットは断定、デメリットは推計の書きぶりだ。これでは中立公正ではない」と畳み掛けた。
両氏が憤りを隠せなかったのは、同調査会で外務省や内閣府などが配布したのが前政権時に作成した資料を流用したもので、「交渉参加に前のめりだった前政権の姿勢そのままに見えた」(党農林幹部)ためだ。
党公約の重みをめぐっては川口元外相と調査会の衛藤会長が対峙し、会場が緊迫感に包まれる場面もあった。川口元外相が「ここで議論しているのは、内閣に対して交渉に入ってはいけない、というためではない」と交渉入りの判断は内閣の専権事項との持論を展開。これに対して衛藤会長が「政党政治の命は政策。政策を公約にして選挙を戦った。民主党は選挙公約を守らなかった。同じ轍(てつ)を踏んではならない」と猛然と反論したためだ。
川口元外相の発言は、高市早苗党政調会長が「TPPに参加する、しないは、あくまでも政府が決めること。党が賛成、反対したからどうなるものでもない」などと述べたことを踏まえたものとみられる。
しかし、「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、交渉参加に反対する」など党公約6項目は、同党が昨年3月に策定した交渉参加の判断基準であり、公約と交渉参加の是非の判断は切り離せない。衛藤会長が異例ともいえる反論をしたのは、公約の重みを再確認しておかないと、議論の前提が崩れかねないことへの危機感だ。
川口氏は「TPPは貿易、投資立国を可能にする提案。農業を守るのは当然だが、日本の農業は国際的に弱い。弱い農業を持っていることは国益ではない」と、TPP問題と農業の競争力強化を絡めた意見も示した。
これについては、小里氏が「弱い農業を貿易促進で強くしていくんだというのは、まさに現場を知るわれわれの立場からすれば本末転倒だ。構造改革を進めれば農業の競争力がつくというのは幻。努力は必要だが、コスト削減には限界がある」とすかさず切り返した。
議論が交錯する中、宇都隆史参院議員(比例)はこう訴えた。「公約に掲げた6項目を堅持できずに前のめりに進むということであれば、政権は正当性を失う。それは、安倍政権が続かないということを意味する」
調査会は13日、公約を軸にした基本的な指針をまとめる段取りだ。
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自民党は8日、外交・経済連携調査会(衛藤征士郎会長)を開き、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加問題で2回目の集中論議を行った。焦点となったのは同党が衆院選で掲げた公約の重みで、農林議員を中心に「公約を堅持できなければ政権は正当性を失う」などの反対・慎重論が続出。川口順子元外相が「交渉入り(の判断は)内閣の専権事項」と述べたことに、調査会の衛藤会長が猛然と反論する場面もあった。
http://www.agrinews.co.jp/uploads/fckeditor/2013/02/09/uid000354_20130209144708731212ae.jpg 調査会には100人の議員が出席したが、同党の議員連盟「TPP参加の即時撤回を求める会」の森山裕会長や金田勝年元外務副大臣らが、調査会の幹部が居並ぶひな壇の目の前に陣取った。さらにその周辺を、宮腰光寛農林水産戦略調査会会長代理、小里泰弘農林部会長、今村雅弘党副幹事長、山田俊男元農林部会長らが固め、公約を堅持することへの強い決意を示した。
先陣を切ったのは山田氏。「(昨年の衆院選の結果)政権は代わった。(交渉参加に)前のめりの事前協議は許されない」と語気を強めて指摘。長谷川岳氏(参・北海道)も「(TPP参加の)メリットは断定、デメリットは推計の書きぶりだ。これでは中立公正ではない」と畳み掛けた。
両氏が憤りを隠せなかったのは、同調査会で外務省や内閣府などが配布したのが前政権時に作成した資料を流用したもので、「交渉参加に前のめりだった前政権の姿勢そのままに見えた」(党農林幹部)ためだ。
党公約の重みをめぐっては川口元外相と調査会の衛藤会長が対峙し、会場が緊迫感に包まれる場面もあった。川口元外相が「ここで議論しているのは、内閣に対して交渉に入ってはいけない、というためではない」と交渉入りの判断は内閣の専権事項との持論を展開。これに対して衛藤会長が「政党政治の命は政策。政策を公約にして選挙を戦った。民主党は選挙公約を守らなかった。同じ轍(てつ)を踏んではならない」と猛然と反論したためだ。
川口元外相の発言は、高市早苗党政調会長が「TPPに参加する、しないは、あくまでも政府が決めること。党が賛成、反対したからどうなるものでもない」などと述べたことを踏まえたものとみられる。
しかし、「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、交渉参加に反対する」など党公約6項目は、同党が昨年3月に策定した交渉参加の判断基準であり、公約と交渉参加の是非の判断は切り離せない。衛藤会長が異例ともいえる反論をしたのは、公約の重みを再確認しておかないと、議論の前提が崩れかねないことへの危機感だ。
川口氏は「TPPは貿易、投資立国を可能にする提案。農業を守るのは当然だが、日本の農業は国際的に弱い。弱い農業を持っていることは国益ではない」と、TPP問題と農業の競争力強化を絡めた意見も示した。
これについては、小里氏が「弱い農業を貿易促進で強くしていくんだというのは、まさに現場を知るわれわれの立場からすれば本末転倒だ。構造改革を進めれば農業の競争力がつくというのは幻。努力は必要だが、コスト削減には限界がある」とすかさず切り返した。
議論が交錯する中、宇都隆史参院議員(比例)はこう訴えた。「公約に掲げた6項目を堅持できずに前のめりに進むということであれば、政権は正当性を失う。それは、安倍政権が続かないということを意味する」
調査会は13日、公約を軸にした基本的な指針をまとめる段取りだ。