音楽を聴いていると・・・
高い音は頭から、そして、低い音は足から
入ってくるように感じます。
そして、どちらも、
からだの内部の心に届くわけですが。
心に届く音で、
最近、ちょっと気になる楽器があります。
それは、チェロ。
チェロの弦の音域は、
中央ドの音より3度下のラが一番上で、
あとは順番に5度ずつ下がって、レ、ソ、ドです。
チェロが奏でる音を聴いていると、
心の中のつぶやきや叫びのような気もしてきます。
昨年放送されたテレビドラマ
『 風のガーデン 』 では、
重要なアイテムとして使われていました。
そしてまた、第81回米アカデミー賞の外国語映画賞を受賞した
『 おくりびと 』 でも、チェロが使われているんですね。
(私はまだ映画を観ていないので、詳しいことはわかりませんが。)
私が申すまでもありませんが、
この映画の海外版タイトルは
"Departures" です。
この映画の、
国内版のポスター は、
納棺師役の本木雅弘さんがエンジェル・メイクを施している場面。
そして
海外版のポスター は、
納棺師役の本木雅弘さんが
広々とした戸外でチェロを弾いている場面。
急に、ピアノでも、チェロ音域の旋律が気になってきました。
また、宮沢賢治の
『 セロ弾きのゴーシュ 』 を思い出して、
読んでみました。
以前(って、いくつの時ダ?)読んだときは素通りしてしまった
・第六交響曲
・シューマンのトロ(イ)メライ
・何とかラプソディ
の内容が、とっても気になりました。
以前読んだ時にはピンとこなかったことも、
今、読み返してみると、胸にズーンと響いてきています。
チェロという言葉・・・。
cello には「小部屋」とか「穴ぐら」という意味があり、
元のラテン語の
cella も、同じ意味があります。
英語の
cell も同じ語源なのでしょう。
cellar になると、ワインセラーでお馴染みの「地下室」そのもの。
チェロという楽器・・・。
もともとは、
viola da gamba (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
直訳すると「足のヴィオラ」と呼ばれる、
両足で挟んで演奏する楽器から発達したもののようですね。
チェロは、楽器の形態や、楽器から出る音のイメージを
表した言葉なのだと思います。
それプラス、現在の私の個人的なイメージでは、
心の奥深くにしまいこまれたものを取り出したり、
心の引き出しを開けてみたりするのも、
チェロというような気分になっています。