アンダンテ ~私の歩幅で~

季節のこと、音楽のこと、誕生日シリーズなど

鼻濁音のある日本語

2016年10月06日 | ことば
いつの頃からか、
鼻濁音で話したり歌ったりする人が
少なくなったように感じています。

鼻濁音とは、文字通り
鼻に抜けるようにして発音する濁音のこと。

鼻濁音の対象になるのはガ行のみ。
つまり「が」「ぎ」「ぐ」「げ」「ご」です。

たとえば「ガラスが割れた」と声に出して言う場合。
「ガラス」の「ガ」は濁音で、
「ガラスが」の「が」は鼻濁音になります。

基本的なルールとして、
・語頭は濁音
・助詞の「が」は、語頭や単独でも鼻濁音
・擬声語や擬態語は濁音

わたしが子どもの頃は、母に注意されました。
また高校時代は合唱部の顧問の先生から
歌詞を発音するにあたり注意を受けました。

アナウンサーはきれいな鼻濁音の一方で、
一部の歌手は鼻濁音をほとんど使わなかったり。

鼻濁音になるはずの音が濁音だと、
かなり耳につきます。

前後の音と同じボリュームであるにも関わらず、
鼻濁音になるはずの音が濁音で発音されると、
その音が、まるで強調されたように聞こえるのです。

でも、鼻濁音を意識していない人にとっては、
ちっとも気にならないのでしょうし、
むしろ濁音のほうが心地良く聞こえるかもしれません。

言葉の発音の仕方も、言葉遣い同様、
時代の流れとともに変化していくのでしょう。

それでも、できる限り鼻濁音を適切に使いたい。
そう思うのは、わたしだけでしょうか?

水 月

2012年06月01日 | ことば
6月になりました。

いつもと同じように、昨日から今日になっただけなのに、
5月31日から6月1日にかけては、変化が大きいですよね。

さて、6月の異称といえば、まず水無月ですが、
「無」という文字がない「水月」もあります。

「水月」の読み方は、同じく「みなづき」で、
水がたくさんある月。

一見、水無月とは逆のようですが、
水無月にも「水の月」という解釈もあるんですよ。

旧暦を、単純に、現在のひと月前と考えると、
4月下旬から5月上旬のころ。

春の長雨もありそうですし、
何と言っても、田植えの時期。

田んぼを水で満たすので「水月」、
という考え方は、ごく自然でしょう。

いつも、いつまでも、
豊かな水に恵まれた水月であってほしいものですね。

地震と震災

2011年04月01日 | ことば
3月11日、東北と関東地方を中心に発生した大地震。

マスメディアによって、呼び方がさまざまなので、
どの名称を使うのか、ずっと迷っていました。

地震当日、気象庁が
「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」と命名。

首相官邸のホームページでも
「東北地方太平洋沖地震」とされているため、私は
こちらの名称を使用するようにしてきました。

そして、本日、日本政府により、
この大震災を「東日本大震災」と呼ぶことが決まりましたね。

ややこしいのですが・・・

地震そのものの名称は
「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」で、

震災の名称が、
「東日本大震災」なのです。

ちなみに、「震災」とは、地震による災害のこと。

どちらでも話は通じるのですが、
よくわかっていなかった私は、スッキリしました。

言の花(ことのはな)

2011年01月06日 | ことば
私は、言葉が好き。

うまく言えないのですが、
「音楽が好き」という感覚に似ていると思います。

「言葉」というコトバも好きです。
「言の葉(ことのは)」という言い方も好き。

きれいな落ち葉を探すように、
きれいな言葉を探すのが好き。

色とりどりの花が咲くように、
さまざまな言葉で、彩りを添えることができるといいなぁ。

今年も、たくさん、“言の花”が咲きますように。

スイカ

2010年08月25日 | ことば
夏のくだものといえば、やっぱりスイカ!
冷えたスイカは、たまらなくおいしいです♪

このスイカ。
漢字では「西瓜」と書きますね。

なぜ「西」の瓜?

一般的に「西」といえば西洋。
つまりヨーロッパやアメリカを指すことが多いです。

では、スイカの「西」は?

日本へは、16~17世紀に中国から伝わりました。
中国は日本の西側ですね。

ここで早まってはイケマセン。

さらにさかのぼると、
アフリカ南西部の砂漠地帯に、スイカの野生種があるのだそうです。
そして、アフリカ北部で栽培されるようになったらしい。

約4000年前のエジプトの壁画に、
スイカの栽培の様子が残されているのだとか。

人の手によって栽培されたスイカは、
アフリカからインドへ、そしてシルクロードを通って中国へと
伝わったとみられています。

地中海沿岸やアメリカにも伝わっていきました。

明治時代、アメリカから日本へやってきたスイカの品種が、
日本のスイカ栽培に大きな影響を与えたようです。

日本では、大正から昭和初期にかけて、
アメリカの流れをくむスイカを中心に品種が整えられ、
現在に至っているのだそうです。


暑い夏に食べるスイカ。
のどの乾きを潤してくれる、うれしい果物です。

スイカに塩をふって食べるというのは、
味もですが、塩分補給もできるからなのでしょうね。


スイカが「西瓜」という文字で書かれていると、
「なんで西?」と、ちょっとギモンに思ったりします。

もしも、水分たっぷりで甘いスイカが「水菓」だったなら、
はるかアフリカまでは、たどり着けないかもしれません。

何事も

2010年02月04日 | ことば
「私には無理……」
つい、そう思ってしまうことがあります。

そんな時・・・

マスト(やらなければイケナイこと)でないならば、
「やってみたい」か「やりたくない」かを、自問してみます。

「やってみたいけれど、難しそう……」

気持ちが消極的になる時は、
“分解”してみると、良いかもしれませんネ。

最初から、大きなことは、できません。

では、とっかかりが全然ないかというと、
そうではなくて。

積み木を積み上げるように、
ジグゾーパズルのピースを、一つ一つはめ込むように。

小さなところから始めると、
最終的には、大きなものができるということ。

ピアノも、おんなじだなぁって思います。

ものすごく無謀な挑戦でない限り、
きっとクリアできると。


自動車会社フォード・モーターの創設者であり、企業家でもある、
ヘンリー・フォード氏の言葉を読んで、そう思いました。

Nothing is particularly hard if you divide it into small jobs.

「何事も特に難しいことはない、それを小さな仕事に分ければ」

土用の丑の日って?

2009年07月31日 | ことば
きょう7月31日は 土用の丑の日 です。

「え? 7月19日も土用の丑の日だったけど?」
と思いますよね。

そのとおりで、本日は 二の丑
7月の土用中に、2回「丑の日」があるのは、
かなり希なこと。(前回は、300年以上前とか!?)

それにしても・・・

  1. 土用 ってナニ?
   (土曜じゃないし……)

  2. 丑の日 ってナニ?
   (牛じゃないし……)

  3. どうして、うなぎを食べるの?
   (マグロのお刺身じゃないし……)

と、わからないコトだらけです。(私には。。)


まずは、1つめのギモン、土用。

古代中国に端を発する「五行説」というのがあります。

これによると、万物は5種類の元素、つまり
   木、火、土、金、水
からなるのだそうです。

この5種類の元素を季節に当てはめると・・・

  ・木は、木々がぐんぐん育つ「春」
  ・火は、灼熱の太陽が照りつける「夏」
  ・金は、実りと収穫の「秋」
  ・水は、胎内と霊性の中で“その時”を待つ「冬」

  ・土は、万物を育成し保護する「季節の変わり目」
      (すべての季節に共通)

で、各季節とも、
最後の19日間が「土用」と呼ばれるのだとか。
今年の土用は、7月19日から8月6日まで。

ということは・・・
もともとは季節ごとに「土用」があるハズで、
現在も残っているのが、夏の土用だけ?

節分に、ちょっと似ているかも……。


2つめのギモン、丑の日。

「丑」は、十二支、
   子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥
に登場する「ウシ」です。

かつて日本では、時刻や日にちにも、
十二支を取り入れていました。

日にちは順番に、「子の日」「丑の日」・・・と。
また、時刻の「丑三つ時」は、今でも使われていますね?

今年は、土用の入りが7月19日で「丑の日」でした。
翌7月20日は「寅の日」、さらに7月21日は「卯の日」……
で、7月31日に再び「丑の日」が巡ってきたわけです。

たいていは、土用の丑の日が、
7月に1回、8月に1回なので、
もっと離れているように感じてしまいます。(@私)


そして3つめのギモン、うなぎを食べる理由。

土用の日にうなぎを食べるようになったのは、江戸時代。

経緯については、いくつかの説があるようです。
その中で、よく取り上げられているのが
蘭学者平賀源内 さんでしょう。

知り合いのうなぎ屋さんから、
「夏は、うなぎの売れ行きが悪くて、商売が厳しい・・」
と、相談を受けた源内さん。

考えた源内さんは、
  「本日、土用丑の日」
と書いて店先に貼ってみたところ、大当たり~。

庶民は「偉い源内さんが言うことだ。間違いない!」
と思ったのでしょう。

「丑の日に『う』の字が附く物を食べると夏負けしない」
という民間伝承とピタリと一致したことも、
庶民のハートを射止めるのに十分だったことでしょう。

それを見た、ほかのうなぎ屋さんたちも真似したことから、
「土用の丑の日にはうなぎを食べよう」
という風習が、庶民の間に定着したのです。


土用の丑の日は、
みんな揃って贅沢できる、うれしい日
でもありますね。(^_-)☆

“辞典”と“辞書”

2009年05月30日 | ことば
5月25日は、「広辞苑の日」 でした。

『広辞苑』は“辞典”となっているのですが、
“辞典”と“辞書”は、どう違うのでしょうか?

キーになる言葉を、
『広辞苑』(第四版)で引いてみました。



■ 辞 典
────────────────────────────
 辞書- に同じ。
 「字典」「事典」と区別して「ことばてん」ともいう。


   ◆ 字 典
    辞書- に同じ。字引。
    「辞典」「事典」と区別して「もじてん」ともいう。


   ◆ 事 典
    ことがらを表す言葉を集めて、
    その一々に解説を施した書物。事彙。
    「字典」「辞典」と区別して「ことてん」ともいう。




■ 辞 書
────────────────────────────
 (1) ことばや漢字を集め、一定の順序に並べ、
   その読み方・意味・語源・用例・などを解説した書。
   辞典。辞彙(じい)。
   → 事典・字書。

 (2) ワード・プロセッサー・自動翻訳システムにおいて、
   漢字・熟語・文法などを登録してあるファイル。

 (3) 辞表に同じ。じそ。

 (4) 新帝が先帝に太上(だいじょう)天皇の尊号を贈るに際し、
   先帝がこれを辞退する意を述べる書状。御辞書。御報諸。

 (5) ことばを書きつらねたもの。文章。




■ 辞
────────────────────────────
 (1) ことば。文章。

 (2) 漢文の一体。騒・賦に似て音韻し、朗唱に適する。

 (3) やめること。しりぞくこと。

 (4) 雑任(ぞうにん)の初位以下または庶人が
   諸司に申達すること。また、その文章の書式。

 (5) 文法で、言語主体の客体に対する種々な態度を表現し、
   詞と結合して初めて具体的な思想を表現する働きを持つ語。
   形式語・虚辞・付属語などと称せられる。
   助詞および助動詞
   (一説に助詞・助動詞の大部分と陳述副詞・接続詞・感動詞)
   をいう。




■ 典
────────────────────────────
 (1) ふみ。書物。特に人の道を記した書。

 (2) のり。おきて。

 (3) 礼。儀式。作法。

 (4) よりどころ。しきたり。

 (5) つかさどること。

 (6) 質に入れること。




■ 書
────────────────────────────
 (1) かくこと。しるすこと。

 (2) かかれた文字。筆跡。

 (3) かきつけ。手紙。

 (4) 文献。ほん。

 (5) 書経(しょきょう)の略称。




“辞典”と“辞書”は同じなのですね。

ただ、“典”と“書”という文字が意味するところは、
ニュアンスが少し違うように感じられます。

『広辞苑』の現在の“地位”を考えると、
“辞典”という表現がピッタリでしょう。

“辞典”には、(絶対的)基準のような雰囲気があり、
“辞書”には、柔軟性と幅の広さがあるように、私は感じました。

回すのは?

2008年07月23日 | ことば
普段、何気なく使っている言葉。

ふと、ギモンに思ったこと。
「回す」って?

  ・テレビのチャンネルを 回す
  ・電話のダイヤルを 回す

以前はダイヤル式だったので、
確かに回していました。

私は、今でも、違和感ないのですが……。

それから、洗濯機も「回す」なのですが、
こちらは一般的?

フジ子・ヘミングさんの言葉 ②

2007年07月21日 | ことば
『フジ子・ヘミングの「魂のことば」』 (清流出版)

この本は、新書サイズでハードカバーです。
彼女の人生のいろいろな場面で、
彼女が感じたこと、思ったこと、考えたこと、
等が、短い文章で綴られています。

以前、その中から、私の好きな「ことば」を
いくつか抜粋しました。

今日は、もういくつか、書いておこうと思います。

不器用な人がやったら、
  器用な人にはできないことができるはず。
  また、できそうにないことにこそ、
  挑戦してみるべきよ。

現実は理想通りにはいかない。
  でも理想に向かって日々少しずつでも努力しなければね。

人間は誰でもどこか弱いところがある。
  それはあたり前なこと。
  完璧な人間なんか一人としていないわよ。



フジ子・ヘミングさんの言葉