月のカケラと君の声

大好きな役者さん吉岡秀隆さんのこと、
日々の出来事などを綴っています。

遠い記憶と現在と

2007年06月19日 | 思うコト


父親が大の「男はつらいよ」のファンであったため、
盆といえば寅さん、正月といっても寅さん、結構年がら年中寅さん、
という環境設定が物心ついた時には自動セットされており、
なのでそれこそいつの間にか自分自身も、
盆といえば満男くん、正月といっても満男くん、結構年がら年中満男くん、
と自然状況設定されていた私でごじゃります。

幼少の頃の時分は、毎夏毎冬、父親に連れられて足を運んでいた映画館の中で、
自分の周りの座席に座っていた、いかめっつら顔したオジサン達が、
寅さんを観ながら大声で笑っていたり、いつの間にかすすり泣いたりしている姿を
目にすることのほうが、映画本編を観るということより、印象深いことであった
記憶が残っているのですね。

その頃は、映画を観ていたというより、状況に紛れ込んでいた、
という感じでありました。


それが、たぶん小学校高学年の夏だったと思うのだけれど、
スクリーンに映しだされた満男くんが、
「縮小漂白されてラブリーになっている・・・・」
という突然変異を起こしていたので、
当時えらくびっくらこいた記憶が残っているのであります。

これが吉岡満男くんだったわけでありますだ。

この満男チェンジが、私の「男はつらいよ」の鑑賞チェンジを起こさせた
起点でござりもうした。

いや~、それにしても小学生の私にしてみたら、
衝撃の満男スーパーチェンジだったですば~い。

考えてみたら、これが私にとって、一番最初の
山田発ツボツボ攻撃第一弾だったのだ・・・。

しかしえらく可愛かった・・・・ちびっ子満男くん。
今でも可愛いけど・・・。

いきなり雪の中からヒョインッて顔をだした
白イタチくんみたいだったよん、甥っ子くん。

一気にお目めが ♡♡ ってロボコンみたいになっちゃったもの、
いわゆる「一目惚れ」ってやつですな、ちびっこジゴロくんでありすだば。


そんな「男はつらいよ」の父方環境設定の一方で、
これまたご丁寧に母親が「北の国から」の大ファンであったという
母方環境設定までも揃っていたので、これまた私の周囲では、
週に一度、夜の10時は富良野In、
という状況がお茶の間セットされており、従ってこの時期以降、
銀幕観たらとらやのみなさん、ブラウン管には黒板家だよ全員集合、
という周期的吉岡道完全リセット機能が、自然スタンバイしていたのでありましただ。


ファンになるなっていう方が
無理な話だったでごじゃりますだよ、おっかさん。



初期吉岡道を歩んでいた頃ですね、
私の狭っちい脳みそ活動範囲内では、

「満男くん&純くん=同一人物が演じております。」

という、バカボンでさえ一目で分かりそうな単純公式が、
なぜかど~しても頭の中で繋がらなかった、という
脳みそギャラクシー現象が起こっちゃっていたのであります。

「男はつらいよ」を観れば、彼は絶対的に、満男く~ん♡ であったし、
「北の国から」を見れば、これまた彼は決定的に、じゅ~んルルル~ 
以外の何者でもなかったという、本家二刀流でござるな、五右衛門どの。

満男くんと純くんって、同一人物が演じているんだよな~、
ということは理解はしていたのだけれども、しかし実際その二人は、
私の頭の中では、点と点が線で結ばれていなくて、
点と点だけになっちゃってる感覚であり、そしてその二点は
吉岡くんという子役の中継点を素通りしちゃっている全く個別の存在、
という感じだったですばい。

それはきっと、ちびっ子吉岡くんの中に、
「上手く演技してまっせ」、というメッキコーティングが
まるっきり見えなかったからなのかもしれないですだ、セニョ~ル。

観客や視聴者に、上手いよね~、と感じさせる隙を与えず、
何の違和感もなく、見る者の心にスィ~っと自然に入り込んでしまっていた
「そこにいる少年」満男くんと純くんは、しかし実際には確かに、
ヨシオカヒデタカという少年によって「演じられていた」わけで。

そんな少年ヒデタカくんは、なんと言うのですか、こういった場合、
そうですぜ、旦那、これですぜ、「神童」ってやつですな、ごめんなすって。

上手く演じる、というのと、自然に演じちゃうっていうのとでは、
常磐ハワイアンセンターと憧れのハワイ諸島くらいの差があると思うですばい。

あの頃の記憶の中で、今でも鮮明に覚えているのが、
満男スーパーチェンジを観た後、映画館の外で
「満男くんのこと、大好きになっちゃたよ。」と言った私の言葉を受けて、
「味のある子だね~」
と感慨深そうに答えていたその父親の言葉と、
北の国からを毎回涙しながら見終わった後で、
「心に響く子ね~。」
としみじみ言っていた母親の言葉でありますだ。

それは、あれから二十五年以上経た今現在も、変わらず、
役者吉岡くんに向けて言い続けている私の両親の言葉であるわけで。

そして私自身も、あの頃から少しも変わらず、
ずっと大好きなままの吉岡くんでありますだ。

コメント
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