直感による未来予測

新年を迎えて、各新聞・雑誌で今年の社会・政治・経済・技術等がどうなっていくのかの予測が多く出回っている。
所謂今年はどうなるのかとか、将来予測・未来予測の類だ。
だがそれらは、興味本位に眺めておいて、まともには信じないほうが無難らしい。
電通やボストン・コンサルティングでも活躍した作家の山口周氏はこう言う。

◆直感は論理的思考よりも正確な将来予測を可能にする
　情報やデータをふんだんに持ち、経験を積んだ専門家の予測でも、その結果はチンパンジーのダーツ投げ程度の精度でしかないそうだ。
　ゲルド・ギゲレンザー博士によれば、それは予測にかかわる情報が多すぎると、
　それぞれの情報が持つ精度上のばらつきによって予測モデルが左右されてしまうからだそうだ。
　また、創造的な解が求められる場面でも、論理を用いて陳腐な回答を出力することにもなるらしい。

　合わせて早稲田大学の入山章栄教授もこんなレポートを出している。
　直感は、意思決定のスピードを速めるだけでなく、状況によっては論理的思考よりも正確な将来予測を可能にすると主張する。
　予測をするためには分析が必要なのだが、分析データが多すぎると正しい予測とはならない。
　むしろ、特定の少ない情報から直感で予測したほうが、結局は正確な予測となるそうだ。

　そしてこれらは、ビジネスパーソンの働き方にも変化を迫る。
　原始時代から２０世紀までは、我々の日常生活にある多くの不満・不便・不安を解決することが求められていた。
　だが現在、我々の生活には大きな問題がなくなりつつあり、問題化解決型人材は供給過剰となっている。
　これから求められるのは、問題を発見し提起する人材なのだ。
　まさに直感で予測することにもつながるのではないか。